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本編
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しおりを挟むふ、ふ、と吐息を漏らしながら一定のリズムで上下する修一の腰をぐっと掴み、彼が腰を落とすタイミングで前立腺を抉るように押し込んだ。
「あぁッ!? っ、っ!」
陽介の不意打ちに修一の身体がしなり、ビクンビクンと跳ねる。きゅう、と内部が強く収縮し、陰茎からはとろりとした我慢汁が垂れていたが射精はしなかったようだ。
「よう、すけ……っ!」
顔を紅潮させた修一が責めるように陽介を睨む。
「俺ばっかり気持ちよくしようとしてるでしょ? 修も我慢しないでいいんだよ」
陽介は先に一度イかされている。このまま再び陽介だけ射精させられる、というのはフェアじゃない。
「……久しぶりで持ちそうにないから」
「持たなくてもいいよ。いっぱいイって」
そう言って陽介は身を起こし起座位になると修一の腰を力強く掴む。修一が気持ちよくなれるように、彼の内壁の弱点を狙うように集中的に突き上げた。
「んんっ、ん、ぅあ、あっ」
突き上げと同じリズムで、修一が鼻にかかった甘い息を漏らす。
彼は声を出すことをみっともないと嫌がり極力抑えようとするが、陽介はその声が好きだ。
もっと聞きたいと言っても素直に応じてくれない修一だが、快楽に追い詰められると切羽詰ったように掠れたいやらしい声を上げる。
「修っ、気持ちいい……ッ?」
「あ、あっ、ぁあ、気持ち、いい……!」
快楽に呑み込まれ、溺れる修一は素直だ。
修一の中は狭く、ぴくぴくと痙攣するように陽介のモノを貪欲に飲み込もうとしている。
そんな反応が嬉しくて、陽介はさらにそれを引き出そうと、目の前にちらつく淫猥な胸の赤い突起にしゃぶりついた。
そうして身体をより密着させたせいで、修一の陰茎が陽介の腹筋に擦れる。
唾液を塗りつけ舌を這わせ、もう一方の突起を指で摘んで軽く擦りあわせるように弄ると、修一の身体がビクンビクンと不随意に揺れ、背をしならせた。
「んんーっ! んぁ、は、はぁっ」
「く……っ」
ぎゅうぅ、とひときわ強い収縮に思わず射精感が強まったが、なんとか堪える。
その直後、陽介の腹が濡れた感じがした。ちらりと視線を下に向けると、修一の放った精液が腹を汚しているのが見える。
射精を終え、先程までの硬さがなくなった陰茎は二人の腹の間に力なく横たわっている。
赤く充血し時折ピク、ピクと震え、濡れててらてらとした修一の大きな陰茎はとても淫猥だった。
かつては女性を喜ばせていたであろう修一のモノは、こんなにいやらしく立派なのに、今では本来の用途には使われないのだ。そしてこれからも。その事実に興奮した。
これは自分のものなのだ。
顔も知らない修一の過去の女や、修一に好意を寄せる女たちにどうしようもなく優越感を覚える。
後孔と、乳首と、陰茎の三重の責め苦に耐えきれず、すんでのところで口を抑え、喘ぐ声を押し殺しながら絶頂した修一は、焦点の合わない目で荒くなった呼吸を整えようとしていた。
「ね、俺もイせて?」
「……ッ! ……だ、駄目だ、今は……っ」
修一の制止を無視して再び腰を揺らす。
達したばかりで敏感になっている内部を擦られ、強すぎる刺激から逃げようと修一が腰を浮かせたところで、その腰を支えていた手に力を込めて思い切り引き落とす。同時に下から力強く突き上げてやる。
ぐぽ、と陽介の陰茎が修一のより深いところへ侵入した感覚があった。
「あああぁッ! あ”……、ぁ、よう、すけ。これ、……いやだ……!」
陽介の亀頭が結腸に入り込み、ぐぼ、ぐぢゅ、と品のない音を立てる。
あまりの悦楽に修一は抵抗もままならず、ただされるがままに、陽介の首にしがみつき跨ったまま揺さぶられていた。
女を抱くよりもっと気持ちいいことをしてあげる。女とは得られない快楽を教えてあげる。
仄暗い嫉妬心を胸に秘め、陽介は攻め立てた。
「また、い、イってる、から……! やめ……っ、……あ”っ」
熱い肉壁が陽介の肉茎を喰い締める。そこから頭の天辺まで這い上がる快楽に、陽介は自分の限界が近いことを悟る。
ぷしゅ、と修一の肉茎から精液とも尿とも違う透明な液体が漏れた。
「ぃ、あ”……あっ、ぁ……」
「あ……、もう、イきそう……! 修……! ……ぅあっ」
絶頂の近い陽介は、もはや修一の様子はお構いなしに激しく腰を動かす。
視界が白く濁る。
自分が達したことがわかった。奥へ、奥へと精液を送り込むように最後にゆるゆると腰を打ち付ける。
「ーーっ、ぁ、あぁ……」
陽介のされるがままとなっていた修一は、過ぎた快楽で何度も達した体を時折痙攣するように震わせ、ぐったりと陽介にもたれかかっていた。
密着した二人の腹部は、修一が放ったものでびしょ濡れとなっている。
陽介はもたれかかる修一ごと、後ろに倒れた。
ずるり、と修一の内部から陽介の陰茎が抜ける。修一がなんとか力を振り絞って、陽介の上から退いた。
お互いベッドに横になり息を整える。
無造作に放り出されていた修一の手に指を絡ませる。その手を、彼は強く握り返してくれた。
愛する人と、こうして一つでいられる。
心地よい疲労感と多幸感に心が満ちた思いがした。
修一もきっと同じ気持ちでいてくれているといい、と思いながら、陽介は瞼を落とした。
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