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season1
2話 生還
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夜が明けた。もう意識が朦朧としている。
長年一緒だった仲間が行方不明になったのだ
しかもこの空襲の中、生存率すら低い。
それでも燃え尽きた瓦礫の中から仲間を探し出そうと両手と目を真っ赤にした。
訓練兵寮の瓦礫の中からは何も出なかった。カンバーとオヤジのドッグタグ以外は。
「もうダメだ。死体すら出ない。」
ヒラメが言う
「まだ諦めるな。ドッグタグがあるってことはこの近くにいるはずだ。せめて死体でも…」
「もういい。」
ペンギンの一言にみんなが固まった。
「は?」
チョコとヒラメが同時に言う
「もうこの状況でどう考えても生きてるはずがない。死体が見つからずに死んだ兵もたくさんいた。」
「だからって!」
「その前に僕たちが死ぬぞ。」
ペンギンの言う通り、みんなの体力は限界に達していた。
元々体力がないペンギンは尚更だ。
「わかった。一回最寄りの基地へ行こう。」
教官以外みんな訓練兵だ。しかも実戦に備えてもいない。
新米どもの生存率は実に25%以下だ。
一部すすで汚れた地図によれば最寄りの基地は34キロ先。
無線が崩壊し車も燃えカスと化した。
「歩いていくしかないか。」
ヒラメが言う
「そうだね」
答えるチョコの表情はただならぬものだった。
「総員並べー!」
教官の声で生存者一斉並ぶ
バラバラに並ぶみんな。
なぜこんなことになった…
「今から30分の休憩を取る!その後は最寄りの基地に着くまで歩きっぱなしだ!もちろん道中でも安全は確保されない!総員気を引き締めろ!」
「はい!」
ペンギン、チョコ、ヒラメが寂しく保存食のツナ缶を食べている。
焚き火のすぐそこで座っているが暑くはなかった。
休憩が終わり、みんな並び始めた。
「これよりカザーム基地へと向かう!」
教官の一言でみな進み始めた。
教官の顔は今まで見たことがないくらいに険しかった。
~5時間後~
「これよりこの場で1時間の休憩を取る!念のため気を引き締めろ!20分交代制で見張りを付ける。」
「綺麗にみんな見張り番バラバラだな」
ヒラメが言うが仕方ないことだ。
「じゃ。まずはチョコだな。20分頼んだ。ぼくとヒラメはあそこにいるから終わったら来い。」
「わかった。」
「これからはカンバーとオヤジなしで生活していかなくてはならない。思い出すな。」
「忘れろと?」
ヒラメがド低い声で言う。
「無理にとは言わない。だができるだけそうした方がいい。僕たちは一般人じゃない。悲しむ暇なんかない。」
「それもそうだが、しばらくは無理かも。」
「気持ちはわかる。まぁ今は休め。」
「そうさせてもらうよ。」
ヒラメはひどく疲れていたようだ。
そのままペンギンも寝た。
おい!起きろ!
という声が聞こえる。
誰の声かはわからないが相当焦っていたようにうっすらと開いたペンギンとヒラメの目には見えた。
長年一緒だった仲間が行方不明になったのだ
しかもこの空襲の中、生存率すら低い。
それでも燃え尽きた瓦礫の中から仲間を探し出そうと両手と目を真っ赤にした。
訓練兵寮の瓦礫の中からは何も出なかった。カンバーとオヤジのドッグタグ以外は。
「もうダメだ。死体すら出ない。」
ヒラメが言う
「まだ諦めるな。ドッグタグがあるってことはこの近くにいるはずだ。せめて死体でも…」
「もういい。」
ペンギンの一言にみんなが固まった。
「は?」
チョコとヒラメが同時に言う
「もうこの状況でどう考えても生きてるはずがない。死体が見つからずに死んだ兵もたくさんいた。」
「だからって!」
「その前に僕たちが死ぬぞ。」
ペンギンの言う通り、みんなの体力は限界に達していた。
元々体力がないペンギンは尚更だ。
「わかった。一回最寄りの基地へ行こう。」
教官以外みんな訓練兵だ。しかも実戦に備えてもいない。
新米どもの生存率は実に25%以下だ。
一部すすで汚れた地図によれば最寄りの基地は34キロ先。
無線が崩壊し車も燃えカスと化した。
「歩いていくしかないか。」
ヒラメが言う
「そうだね」
答えるチョコの表情はただならぬものだった。
「総員並べー!」
教官の声で生存者一斉並ぶ
バラバラに並ぶみんな。
なぜこんなことになった…
「今から30分の休憩を取る!その後は最寄りの基地に着くまで歩きっぱなしだ!もちろん道中でも安全は確保されない!総員気を引き締めろ!」
「はい!」
ペンギン、チョコ、ヒラメが寂しく保存食のツナ缶を食べている。
焚き火のすぐそこで座っているが暑くはなかった。
休憩が終わり、みんな並び始めた。
「これよりカザーム基地へと向かう!」
教官の一言でみな進み始めた。
教官の顔は今まで見たことがないくらいに険しかった。
~5時間後~
「これよりこの場で1時間の休憩を取る!念のため気を引き締めろ!20分交代制で見張りを付ける。」
「綺麗にみんな見張り番バラバラだな」
ヒラメが言うが仕方ないことだ。
「じゃ。まずはチョコだな。20分頼んだ。ぼくとヒラメはあそこにいるから終わったら来い。」
「わかった。」
「これからはカンバーとオヤジなしで生活していかなくてはならない。思い出すな。」
「忘れろと?」
ヒラメがド低い声で言う。
「無理にとは言わない。だができるだけそうした方がいい。僕たちは一般人じゃない。悲しむ暇なんかない。」
「それもそうだが、しばらくは無理かも。」
「気持ちはわかる。まぁ今は休め。」
「そうさせてもらうよ。」
ヒラメはひどく疲れていたようだ。
そのままペンギンも寝た。
おい!起きろ!
という声が聞こえる。
誰の声かはわからないが相当焦っていたようにうっすらと開いたペンギンとヒラメの目には見えた。
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