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Day3 - こんなの、好きって思っちゃう……

3-4

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 何もコメントできないまま、ひざ立ちになる水戸くんの腰に手を添え、ペニスを口に含む。

「んぅ、……ん、」
「理空、口ちっちゃいね」
「んぐ……、ぷぁっ、ごめ、下手で」
「逆に興奮する」

 口だけじゃどうにもならなそうなので、手も使って、どうにかしようとする。
 けど、やり方も分からないし、こんなので本当に気持ちよくなってもらえているのか……。

「もういいよ。ありがと、気持ちよかった」
「そ、そう……?」
「うん。俺もしてあげるから、寝っ転がって?」

 言われるがままに寝転がると、水戸くんは、僕の乳首をちゅうっと吸った。

「や、そんなとこ、……っ」
「気持ちよくない?」
「女の子じゃないから、はずかし」
「こら、視聴者さんにヒント与えないの」

 なんのことだと思う余裕もなく、全身にキスされて、おかしくなりそう。
 少しずつ下りてきて、太ももやおへその周りで何度もらされて……。

「ぁ、も、だめ。水戸くん、みとくん」
「舐めて欲しい?」
「ぅ、あぅ」

 答えになってないけど、察してくれたらしい水戸くんは、ぱくっと丸ごとくわえ込んだ。

「あ、ぁ……っ、はぁっ」

 気持ちいい。
 人にこんなことされたことないから、こんな、あったかいのに包まれて、

「で、ちゃぅっ、やだ……っ。口離して」
「いいよ」
「んーっ、んーっ」

 人の口の中に射精しちゃうなんて、あり得ない。
 と思うのに、刺激に耐えられない。
 背中が弓なりに反って、シーツを握りしめた。

「ああぁぁあっ、…………ッ!!」

 水戸くんが、咥えたままむせる。
 こんなの演技でできるはずないから、もう、本当にしてるってバレバレだ。

「理空、足閉じて」
「……? こう?」
「うん。ちょっとぬるぬるして気持ち悪いかもだけど、我慢して」

 水戸くんはベッドサイドにあったボトルを手に取り、中身をにゅるにゅると出して、僕の太ももに塗りつけた。

「あの、これ……」
「いきなり痛くしたくないけど、でも俺は聖人君子じゃないから、好きな子がイッたとこ見て何もしないのも無理」

 太ももの間に、水戸くんのペニスが挿し込まれる。
 ぬちぬちと音を立てて前後する動きは、本当にセックスしてるみたいだし……もしかしたら、ドラマのラブシーンは、こんな感じで作られているのかもしれない。

「……っ、理空、きもちぃ」

 余裕のない表情。
 僕はどうしたらいいか分からなくて、ただ見ている。
 さっき聞いた話では、『攻めの人がそんなに真面目に演技しなくても、受けが喘いでいれば、ポイントはそれなりに入る』と言っていた。
 こんな、水戸くんだけが恥ずかしい思いをするような声、聴かせなくたっていいんじゃないだろうか?

「あの、水戸くん、無理しないで」
「……ごめん、じゃあもうイク」
「へ?」
「もうちょっとこらええ性あると思ったのにな、…………ッ」

 パンパンと激しく肌を打ち付けたあと、息を詰めて射精した。

「……っ、はあっ、はっ、……ごめん、びっくりした?」
「ん、へいき……」

 結局無理させてしまった。
 水戸くんは息を整えながら、僕の頭を何度も撫でた。

「なんでそんな顔すんの。俺、うれしいよ」
「あの、いや……なんでもないんだ。うん、僕も」

 水戸くんはプロの卵なんだし、僕が『本当は嫌じゃない?』なんて聞いても、好きとかなんとか言うに決まっているのだ。
 聞かれて困るような質問をするのは、気遣いでもなんでもない。
 彼の話に合わせるのが、一番、彼のためになる。
 僕は疑問を飲み込んで、お腹の上に散った水戸くんの精液に触れた。

「うん。僕も、うれしかった。あったかいのがお腹の上に飛んできて、演技じゃないんだって分か……んぅ!?」

 キスで口をふさがれて、思わずじたばたと暴れる。

「もうっ、なんてこと言うんだよっ」
「へ? え、ごめん……?」

 無理やり気味に引っ張られて、お風呂に連行される。
 水戸くんは真っ赤な顔でぶつぶつつぶやきながら、僕の体を洗ってくれた。


Day3 End.
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