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第三章・戦士チームの旅立ち
ウルズの泉
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キラキラと光を反射して青く輝くブレイドに、鱗の集合体が緩やかなカーブを描いて細波になり蠢いている。
その鱗の鏡にソングとチーネの顔が映り込んで刃先から透明になって消え去り、十字のチェーンが刻まれた盾もソングの手にはもう無い。
「このまま使えれば良いのにね」
「時間が限られているのか?」
「ソング、股のドラゴンも眠っておるだろ。つまり、そこからエネルギーが湧いておるのだ。残念ながら、今のところチーネの協力なしでは剣も盾も使えまい」
「愛のプレゼントか?」
「そういうこと。チーネに感謝しな」
ソングはチーネに「ありがとう」と言って微笑み、体の中の武器を手にする前に聴こえた優しい声を想い出す。
「父と母にも礼を言わないとな」
「チーネにも聴こえたよ」
「そうか。やはり低い声は父だったんだな?」
「うん。ゼツリだよ。お母さん、綺麗な人だね」
チーネには二人の魂の姿まで見え、方法は不明だがドラゴンの神器に宿る魔力を利用して、愛する想いを遺したんだと思った。
「それでゲートを通るのか?もちろん、剣が消えたからって約束は守るぜ!」
足の鎖が外れて自由になったスマフグが痺れを切らして奥にあるウルズの泉を指差す。
地竜はソングの計らいに感激し、金貨七枚で最終ゲートを通る許可を与え、今後も門番としてウルズの泉を守ると約束した。
「しかし、金貨を取るとは強欲だな?」
「ルールを守るのが俺の仕事だぜ」
スマフグは買収されて勝手に料金を値上げしたくせに、アリダリの文句は聞き入れずに正規の料金を払わさせた。
戦士チームは休憩して火傷や傷の手当てし、アリダリは赤い褌一枚から焦げた服を着て身なりを整え、ジェンダ王子は焼け焦げたブロンドの髪をセットし直し、他の者もぼろぼろの服を直して着ている。
「俺にはこれがあるよ~」と、トーマはショルダーバッグからアヒルの被り物を出して見せびらかした。
「では出発とするか?」
しかしその時、洞窟の奥にある円形の泉の水面から二本のツノを出して偵察していたカエルがいた。ベールゼブフォの異種でスパックと呼ばれ、体は小さいが突き出たツノの先に丸い目がある。
『グゲッ』と小さく鳴いて真っ青な水中に潜り、飼い主へ知らせに向かう。
スパイカエルに気付いてない戦士チームであるが、切られた尻尾を付け直したスマフグは火を吐いて襲いかかった事も忘れ、戦士チームの行く末を真顔で心配して忠告した。
「ヤズベルという商人に通すなと頼まれたんだが、そいつを雇った恐ろしい魔術師がいる筈だぜ」
ウルズの泉は化石の壁で円形に囲まれ、二十メートル程の青い泉が広がっている。神聖な湧水であり、時折、中央から噴水が天井まで噴き上がるが、今は波もなく神秘の香りが心を癒した。
ジェンダ王子が泉を覗いて地竜の警告に不安な顔を水面に浮かべ、隣に立つアルダリに質問した。
「ここを潜れば人間界へ着くのか?」
「そうだ。泉は無限の空間であるが、次元を超えてワープするので、感覚的には一瞬で別世界へ移動しておる」
「それで人間界に当てはあるんだろうな?」
「そうだね。知らない世界で呪いの主を探すのは簡単ではない」
「わしに任せろ。人間界に友人がおるわ」
「ああ、中山教授だろ?」
「ソング知ってるの?」
チーネがそう聞くと、ソングは十歳まで過ごした人間界の思い出が蘇り、懐かしそうに笑顔で話した。
「母の友だちで、有名な学者だよ。母はオペラ歌手で、一緒にコンサートに行ったりしたんだぜ」
ソングは母を亡くすと異世界へ連れて来られ、冒険の日々を過ごしたのでホームシックにはならなかったが、平穏で退屈な日常が逆に新鮮に思えた。
「そいじゃ、わしに続け」
アリダリがそう言ってズボンを下げたので、「また脱ぐのか?」とエリアンが怒ったが、アルダリは股座に手を突っ込んで微笑む。
「アソコの座り心地が悪かっただけじゃ」
その手をエリアンに嗅がせようとしたので、カッコよく飛び込むつもりが、エリアンとジェンダ王子に持ち上げられてウルズの泉に放り込まれた。
背中から落ちて水飛沫が上がり、アルダリが手足をバタつかせて「この馬鹿者が」と怒り、口から何度か水を吐き出して必死に水中に潜り、チーネとソングとアヒルの被り物をしたトーマも手を叩いて笑う。
「マジで溺れたかと思ったぜ」
「きっとふざけて笑わしてんだよ」
「いや、スケベに命を懸けているな」
エリアンは鼻を擦って剣を握り、ジェンダ王子が「じゃ、行きましょうか?」と言って全員が円形の泉を囲み、一斉に飛び込んでアリダリを追いかけた。
『まったく、また褌だぜ』
アヒルの被り物をしたトーマが水中を潜って呆れている。アリダリは投げ入れられた時にズボンが脱げたのか、それとも自分で脱いだのか、赤い褌を青い水中に靡かせて、平泳ぎで水の底の巨大なブルーの球体へ迫っている。
『中へ入り込むのか?』
突き破るというより、膜に包み込まれるように手先からブルーの泡の世界へアルダリの体が消え、他の者も続いて泡の中へ侵入し、ブルーの液体に体が包まれて、細かい泡が浮遊する美しい世界を眺めた。
しかし一瞬で泡が星のように流れ出し、銀河の渦の中に巻き込まれた感覚になる。
赤い褌を靡かせるアルダリを先頭にして、戦士チームが宇宙の激流に巻き込まれ、スピンしながらブラックホールへ突入した。
『なんだ?』
数秒で流れが緩やかになり、一瞬意識を失ったソングが頭を振って目を覚まし、黒いコールタールのヌルッとした感触に唖然として周辺を見回す。
ブルーの澄んだ宇宙空間には黒いヘドロの一帯が底の方から流れ込んでいた。
『汚染されてんのか?』
アリダリもそれに気付いて顔を顰めて振り向き、戦士チームを導くようにヘドロを避けて進路を取り、異世界への出入口を目指した。
ソングとチーネが並んでアルダリを追いかけ、トーマとエリアン、ジェンダ王子が最後尾からついて来る。
『ウルズの泉にも呪いが流れ込んでおるわ』
精霊の地のクラウドの台座。瑪瑙雲の紋様が黒い血脈でひび割れたのと同じ現象がこの泉でも起こっていた。
『急げ、世界は危ういぞ』
アリダリは世界が暗黒に閉ざされる時が迫っていると、海水の層が見える丸い窓を指差し、「こっちだ」とカッコよく叫んで泳ぐスピードを上げる。
『く、苦しい。息が続かんわ』
実は酸欠で慌てふためいただけだが、戦士チームはアリダリをリーダーとして見直し、ウルズの泉の通り道から無事に人間界へたどり着いた。
その鱗の鏡にソングとチーネの顔が映り込んで刃先から透明になって消え去り、十字のチェーンが刻まれた盾もソングの手にはもう無い。
「このまま使えれば良いのにね」
「時間が限られているのか?」
「ソング、股のドラゴンも眠っておるだろ。つまり、そこからエネルギーが湧いておるのだ。残念ながら、今のところチーネの協力なしでは剣も盾も使えまい」
「愛のプレゼントか?」
「そういうこと。チーネに感謝しな」
ソングはチーネに「ありがとう」と言って微笑み、体の中の武器を手にする前に聴こえた優しい声を想い出す。
「父と母にも礼を言わないとな」
「チーネにも聴こえたよ」
「そうか。やはり低い声は父だったんだな?」
「うん。ゼツリだよ。お母さん、綺麗な人だね」
チーネには二人の魂の姿まで見え、方法は不明だがドラゴンの神器に宿る魔力を利用して、愛する想いを遺したんだと思った。
「それでゲートを通るのか?もちろん、剣が消えたからって約束は守るぜ!」
足の鎖が外れて自由になったスマフグが痺れを切らして奥にあるウルズの泉を指差す。
地竜はソングの計らいに感激し、金貨七枚で最終ゲートを通る許可を与え、今後も門番としてウルズの泉を守ると約束した。
「しかし、金貨を取るとは強欲だな?」
「ルールを守るのが俺の仕事だぜ」
スマフグは買収されて勝手に料金を値上げしたくせに、アリダリの文句は聞き入れずに正規の料金を払わさせた。
戦士チームは休憩して火傷や傷の手当てし、アリダリは赤い褌一枚から焦げた服を着て身なりを整え、ジェンダ王子は焼け焦げたブロンドの髪をセットし直し、他の者もぼろぼろの服を直して着ている。
「俺にはこれがあるよ~」と、トーマはショルダーバッグからアヒルの被り物を出して見せびらかした。
「では出発とするか?」
しかしその時、洞窟の奥にある円形の泉の水面から二本のツノを出して偵察していたカエルがいた。ベールゼブフォの異種でスパックと呼ばれ、体は小さいが突き出たツノの先に丸い目がある。
『グゲッ』と小さく鳴いて真っ青な水中に潜り、飼い主へ知らせに向かう。
スパイカエルに気付いてない戦士チームであるが、切られた尻尾を付け直したスマフグは火を吐いて襲いかかった事も忘れ、戦士チームの行く末を真顔で心配して忠告した。
「ヤズベルという商人に通すなと頼まれたんだが、そいつを雇った恐ろしい魔術師がいる筈だぜ」
ウルズの泉は化石の壁で円形に囲まれ、二十メートル程の青い泉が広がっている。神聖な湧水であり、時折、中央から噴水が天井まで噴き上がるが、今は波もなく神秘の香りが心を癒した。
ジェンダ王子が泉を覗いて地竜の警告に不安な顔を水面に浮かべ、隣に立つアルダリに質問した。
「ここを潜れば人間界へ着くのか?」
「そうだ。泉は無限の空間であるが、次元を超えてワープするので、感覚的には一瞬で別世界へ移動しておる」
「それで人間界に当てはあるんだろうな?」
「そうだね。知らない世界で呪いの主を探すのは簡単ではない」
「わしに任せろ。人間界に友人がおるわ」
「ああ、中山教授だろ?」
「ソング知ってるの?」
チーネがそう聞くと、ソングは十歳まで過ごした人間界の思い出が蘇り、懐かしそうに笑顔で話した。
「母の友だちで、有名な学者だよ。母はオペラ歌手で、一緒にコンサートに行ったりしたんだぜ」
ソングは母を亡くすと異世界へ連れて来られ、冒険の日々を過ごしたのでホームシックにはならなかったが、平穏で退屈な日常が逆に新鮮に思えた。
「そいじゃ、わしに続け」
アリダリがそう言ってズボンを下げたので、「また脱ぐのか?」とエリアンが怒ったが、アルダリは股座に手を突っ込んで微笑む。
「アソコの座り心地が悪かっただけじゃ」
その手をエリアンに嗅がせようとしたので、カッコよく飛び込むつもりが、エリアンとジェンダ王子に持ち上げられてウルズの泉に放り込まれた。
背中から落ちて水飛沫が上がり、アルダリが手足をバタつかせて「この馬鹿者が」と怒り、口から何度か水を吐き出して必死に水中に潜り、チーネとソングとアヒルの被り物をしたトーマも手を叩いて笑う。
「マジで溺れたかと思ったぜ」
「きっとふざけて笑わしてんだよ」
「いや、スケベに命を懸けているな」
エリアンは鼻を擦って剣を握り、ジェンダ王子が「じゃ、行きましょうか?」と言って全員が円形の泉を囲み、一斉に飛び込んでアリダリを追いかけた。
『まったく、また褌だぜ』
アヒルの被り物をしたトーマが水中を潜って呆れている。アリダリは投げ入れられた時にズボンが脱げたのか、それとも自分で脱いだのか、赤い褌を青い水中に靡かせて、平泳ぎで水の底の巨大なブルーの球体へ迫っている。
『中へ入り込むのか?』
突き破るというより、膜に包み込まれるように手先からブルーの泡の世界へアルダリの体が消え、他の者も続いて泡の中へ侵入し、ブルーの液体に体が包まれて、細かい泡が浮遊する美しい世界を眺めた。
しかし一瞬で泡が星のように流れ出し、銀河の渦の中に巻き込まれた感覚になる。
赤い褌を靡かせるアルダリを先頭にして、戦士チームが宇宙の激流に巻き込まれ、スピンしながらブラックホールへ突入した。
『なんだ?』
数秒で流れが緩やかになり、一瞬意識を失ったソングが頭を振って目を覚まし、黒いコールタールのヌルッとした感触に唖然として周辺を見回す。
ブルーの澄んだ宇宙空間には黒いヘドロの一帯が底の方から流れ込んでいた。
『汚染されてんのか?』
アリダリもそれに気付いて顔を顰めて振り向き、戦士チームを導くようにヘドロを避けて進路を取り、異世界への出入口を目指した。
ソングとチーネが並んでアルダリを追いかけ、トーマとエリアン、ジェンダ王子が最後尾からついて来る。
『ウルズの泉にも呪いが流れ込んでおるわ』
精霊の地のクラウドの台座。瑪瑙雲の紋様が黒い血脈でひび割れたのと同じ現象がこの泉でも起こっていた。
『急げ、世界は危ういぞ』
アリダリは世界が暗黒に閉ざされる時が迫っていると、海水の層が見える丸い窓を指差し、「こっちだ」とカッコよく叫んで泳ぐスピードを上げる。
『く、苦しい。息が続かんわ』
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