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第一章・マンダーの呪い
妖精の授業
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ソングが火を起こして青魚をナイフで捌いて調理し、チーネがパンと果物を石のテーブルの上に用意する。
アーズランドの海中には奇妙な古代魚から異常巻アンモナイトが生息して、神族は食すが妖精は不味いと嫌い、異界から海に落ちた魚は大好物であった。
「やっぱ美味いな」
「うん。ソングは魚料理上手だ」
三枚に切り分けた焼魚と刺身をチーネは木のフォークで食べ、ソングは箸を使って器用に食べている。(十歳まで人間界に住んでいたソングとしては普通の食事スタイルであった。)
「それじゃ、今日の授業を始めるか?神族の歴史を読み取れば、妖精が女性だけになった理由が見えてくる」
「それともう一つ、俺はなぜ妖精の世界に連れて来られた?母からそれとなく聞かされていたが、しっくりこないんだよなー」
ソングは首に掛けている、母の形見のペンダントを手に取って父の写真をチーネに見せた。
「勇者ゼツリね?」
もみあげと顎髭を生やした精悍な顔付きであるが、優しい眼差しと精一杯の笑顔で見守っている。チーネはソングの目を見て、「少し似てるわ」と微笑んだ。
昼食を終えて、ハーブティーを飲みながらチーネがソングの疑問に答えるべく授業を始めた。岩室の中央に窪みがあり、大理石のホワイトボードと石膏を染めたチョークが置いてある。
「チーネって、防具外すと普通の可愛い女の子になるよな」
「揶揄うのはやめなさい」
チーネは緑色の胸当てと青い厚手のスリットを外し、ピンクの布ブラと薄手の巻きスカートになっていた。
透けて紐パンが微かに見えるが、全然気にせずにソングに背中を向けて、ボードにユグドラシルの木を描き、九つの国の名前と一番下にアーズランドの名前を記す。
「神々の国の最終戦争を覚えてる?」
「ああ、ラグナロク。プロレス団体の抗争みたいな感じで、ヨツンヘイムの巨人族とアースガルドの神々の戦争に他国も巻き込まれた。神のくせに、邪悪な欲望に呑み込まれてしまったんだ」
「そう、一番恐ろしかったのは戦争が終わってからも続く呪いだった。腐敗の呪いが生き残った者を灰にして、聖なる木を枯れさせた」
チーネがボードに描いたイグドラシルの木に繋がる異世界に次々とバツ印を付け、残った二つの国から線を引いて項目を書き足す。
・アーズランド 精霊の地に棲む妖精族と神族の移民エミー族が魔の呪いから免れた。
・ミッドガルド(人間界) 神を信じなくなった民は他の世界から分断されて生き残る。
ソングは円形に囲む石の段差に腰掛け、ボードではなくチーネの細い足首から太もも、尻の膨らみと紐パンの食い込んだ割れ目を眺めてうっとりした。
「妖精の王もラグナロクの戦いで死んだ。戦争に反対だった族長チャチル、チーネの祖母が数人の仲間と共にアーズランドの精霊の地で生き延びたんだよ」
「それで女性だけになったのか?」
ソングはハーブティーを飲むフリをして視線を逸らし、嫌らしい目付きでお尻を覗いていたのを誤魔化す。
「そうね。妖精が男の子を産む確率は0.01パーセント。故に王と子作りをするしかなかったらしい」
「ハ、ハーレムじゃねーか?」
チーネはソングの驚きと歓喜を挑発するように、巻きスカートを揺らして左右に歩き、太ももと紐パンをチラチラと見せている。
「でも妖精はミッドガルドで純粋な男を見つけて子供を産むシステムを考え出したんだ。チーネの母もそうなんだけどさ、病気で死んじゃった」
「つまり、に、人間とSEXしたのか?」
ソングがまたもや驚きと歓喜の混じり合った声を上げて興奮している。
『で、できる……』
ゴクッとハーブティーを喉に流し込み、更に一気にコップを空けて口に含んだが、笑みで緩んだ唇からドバッとこぼれ落ちた。
「ソング。さっきから変なこと考えてるでしょ?授業に集中しなさい」
チーネがソングの前に来て両手を腰に当てて怒ったが、足を開いて巻きスカートが捲れ、紐パンがギリギリの位置で見えそうで見えない。
「君は勇者ゼツリの子であり、チーネと同じく人間の血を持っているんだぞ」
「わ、わかってる。それで俺はなぜこの異世界にいる?」
ソングはチーネと恋をして子孫を残す使命なんだと妄想したが、チーネはもっと純粋で崇高な想いを語った。
「アーズランドが守られたのは、勇者ゼツリと錬金術師アルダリ、族長チャチルの力だと云われている。特にゼツリは最強の戦士だったらしい。ドラゴンを倒して、ウルズの泉の門番を命じたのもゼツリだよ」
「マ、マジか?」
「うん。ミッドガルドへ逃げ出して、サーディン王を裏切ったっていう者もいるけど、ゼツリは愛の為に人間界へ行ったんだと思う」
(王サーディンが輝きを失い、堕落したのはゼツリが王の元から去ったからだと云われている。〕
チーネはそう言ってボードの方へ戻り、台に置いたカップを持って、喉を潤すようにハーブティーを飲んで一息ついた。ソングの熱い視線を感じて、少し頬が火照っていたのである。
『ヤダ。アソコも熱くなってる……』
「母も父を愛してたのは間違いない。幼い頃、父みたいに戦う日が来ると俺に言ってたぜ」
「ソング、それだよ。精霊の湖も、いつ魔の手に侵略されるかわかったもんじゃない。実際、クラウドの予兆により、絶滅の危機が迫っていると祖母が言ってた。チーネの買い被りかもしれないけど、将来ソングは世界を救う最強の戦士になると思っている。まだまだ力不足ではあるが、そう信じてずっと鍛えてきたつもりだぞ」
「わかった。チーネ、俺に卒業試験を受けさせてくれ。そして俺が勝ったら、SEXしょうぜ」
ソングは興奮してつい口を滑らせ、欲望を前面に出してそう言ってしまったが、もう後には引けなかった。理由はどうあれ、どちらも大人の戦士への第一歩だ。
アーズランドの海中には奇妙な古代魚から異常巻アンモナイトが生息して、神族は食すが妖精は不味いと嫌い、異界から海に落ちた魚は大好物であった。
「やっぱ美味いな」
「うん。ソングは魚料理上手だ」
三枚に切り分けた焼魚と刺身をチーネは木のフォークで食べ、ソングは箸を使って器用に食べている。(十歳まで人間界に住んでいたソングとしては普通の食事スタイルであった。)
「それじゃ、今日の授業を始めるか?神族の歴史を読み取れば、妖精が女性だけになった理由が見えてくる」
「それともう一つ、俺はなぜ妖精の世界に連れて来られた?母からそれとなく聞かされていたが、しっくりこないんだよなー」
ソングは首に掛けている、母の形見のペンダントを手に取って父の写真をチーネに見せた。
「勇者ゼツリね?」
もみあげと顎髭を生やした精悍な顔付きであるが、優しい眼差しと精一杯の笑顔で見守っている。チーネはソングの目を見て、「少し似てるわ」と微笑んだ。
昼食を終えて、ハーブティーを飲みながらチーネがソングの疑問に答えるべく授業を始めた。岩室の中央に窪みがあり、大理石のホワイトボードと石膏を染めたチョークが置いてある。
「チーネって、防具外すと普通の可愛い女の子になるよな」
「揶揄うのはやめなさい」
チーネは緑色の胸当てと青い厚手のスリットを外し、ピンクの布ブラと薄手の巻きスカートになっていた。
透けて紐パンが微かに見えるが、全然気にせずにソングに背中を向けて、ボードにユグドラシルの木を描き、九つの国の名前と一番下にアーズランドの名前を記す。
「神々の国の最終戦争を覚えてる?」
「ああ、ラグナロク。プロレス団体の抗争みたいな感じで、ヨツンヘイムの巨人族とアースガルドの神々の戦争に他国も巻き込まれた。神のくせに、邪悪な欲望に呑み込まれてしまったんだ」
「そう、一番恐ろしかったのは戦争が終わってからも続く呪いだった。腐敗の呪いが生き残った者を灰にして、聖なる木を枯れさせた」
チーネがボードに描いたイグドラシルの木に繋がる異世界に次々とバツ印を付け、残った二つの国から線を引いて項目を書き足す。
・アーズランド 精霊の地に棲む妖精族と神族の移民エミー族が魔の呪いから免れた。
・ミッドガルド(人間界) 神を信じなくなった民は他の世界から分断されて生き残る。
ソングは円形に囲む石の段差に腰掛け、ボードではなくチーネの細い足首から太もも、尻の膨らみと紐パンの食い込んだ割れ目を眺めてうっとりした。
「妖精の王もラグナロクの戦いで死んだ。戦争に反対だった族長チャチル、チーネの祖母が数人の仲間と共にアーズランドの精霊の地で生き延びたんだよ」
「それで女性だけになったのか?」
ソングはハーブティーを飲むフリをして視線を逸らし、嫌らしい目付きでお尻を覗いていたのを誤魔化す。
「そうね。妖精が男の子を産む確率は0.01パーセント。故に王と子作りをするしかなかったらしい」
「ハ、ハーレムじゃねーか?」
チーネはソングの驚きと歓喜を挑発するように、巻きスカートを揺らして左右に歩き、太ももと紐パンをチラチラと見せている。
「でも妖精はミッドガルドで純粋な男を見つけて子供を産むシステムを考え出したんだ。チーネの母もそうなんだけどさ、病気で死んじゃった」
「つまり、に、人間とSEXしたのか?」
ソングがまたもや驚きと歓喜の混じり合った声を上げて興奮している。
『で、できる……』
ゴクッとハーブティーを喉に流し込み、更に一気にコップを空けて口に含んだが、笑みで緩んだ唇からドバッとこぼれ落ちた。
「ソング。さっきから変なこと考えてるでしょ?授業に集中しなさい」
チーネがソングの前に来て両手を腰に当てて怒ったが、足を開いて巻きスカートが捲れ、紐パンがギリギリの位置で見えそうで見えない。
「君は勇者ゼツリの子であり、チーネと同じく人間の血を持っているんだぞ」
「わ、わかってる。それで俺はなぜこの異世界にいる?」
ソングはチーネと恋をして子孫を残す使命なんだと妄想したが、チーネはもっと純粋で崇高な想いを語った。
「アーズランドが守られたのは、勇者ゼツリと錬金術師アルダリ、族長チャチルの力だと云われている。特にゼツリは最強の戦士だったらしい。ドラゴンを倒して、ウルズの泉の門番を命じたのもゼツリだよ」
「マ、マジか?」
「うん。ミッドガルドへ逃げ出して、サーディン王を裏切ったっていう者もいるけど、ゼツリは愛の為に人間界へ行ったんだと思う」
(王サーディンが輝きを失い、堕落したのはゼツリが王の元から去ったからだと云われている。〕
チーネはそう言ってボードの方へ戻り、台に置いたカップを持って、喉を潤すようにハーブティーを飲んで一息ついた。ソングの熱い視線を感じて、少し頬が火照っていたのである。
『ヤダ。アソコも熱くなってる……』
「母も父を愛してたのは間違いない。幼い頃、父みたいに戦う日が来ると俺に言ってたぜ」
「ソング、それだよ。精霊の湖も、いつ魔の手に侵略されるかわかったもんじゃない。実際、クラウドの予兆により、絶滅の危機が迫っていると祖母が言ってた。チーネの買い被りかもしれないけど、将来ソングは世界を救う最強の戦士になると思っている。まだまだ力不足ではあるが、そう信じてずっと鍛えてきたつもりだぞ」
「わかった。チーネ、俺に卒業試験を受けさせてくれ。そして俺が勝ったら、SEXしょうぜ」
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