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第七現象・本条家への告発

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 圭介はホワイトボードに書かれた最後の項目について、祖母清子と子猫に相談してからキズオへの質問を考えた。現在、数字と不吉な痣の予言以外は答えが出ている。

「母も俺も柘榴の痣を持って生まれた」

「ああ、キズオも間違いなく痣の持ち主じゃろ」

 机の上に座った子猫も「ニャーォゥ」と鳴いてホワイトボードを見上げている。

・キズオ=木月数男。
・呪いの数字。1の謎?
・本条道成の事故。運転手の顔面の痣。=アナログの呪い。
・呪術師の系譜。柘榴の家紋=木月家が受け継ぐと要求。
・不吉な痣の予言。


『なぜ、生き埋めにされた?』

 それは圭介自身への問いでもあり、母がこの呪われた町で苦しめられる要因になった謎である。

 霊媒師が忌み嫌われ、能力者が恐れられるようになったのは、不吉な痣の予言が過去にあったからと云われているが、圭介の祖母清子でさえその内容は知らなかった。

「本条家に仕えた者の予言だと思うが……」

 圭介は祖母の声を聴きながら子猫を見つめ、母は何かを知っていると思ったが、霊魂が憑依しているとはいえ子猫が喋れる筈がない。



 キズオはシャワーを浴びてドライヤーで髪を乾かしながら画面を見て微笑み、蜘蛛の巣の痣が広がる尻にタオルを巻き、椅子に座って『なぜ、生き埋めにされた?』という質問の返信を書き込んだ。

『本条家の者に聞け』

 背中から胸の皮膚に細かい無数の傷痕があり、幼い頃は呪力を使うと顔にも傷が発症したが、それこそ血霊チダマの能力者の証、キズオという名の勲章だと思っている。

 その為に鍛え上げ、筋肉質の屈強な体つきをしていたが、血と肉とあばら骨のキーボードを使った呪いはダメージがなく簡単でつまらないとさえ思っている。

『のんびりしてると、続々と呪うよ』

 圭介はそれを見てキズオの意図を感じ、少し考えてからコメントを書き込んだ。このキーボードを自分に送りチャットを楽しんでいるのもこれで説明がつく。

『交渉するつもりだろ?』

 タイピングはキズオより速く正確で、相手の書き込みが遅くて苛々した。

『さすが、圭介くん。……俺はこの手に数億人の人質を握っている』

『要求を言え』

『この町を……支配する』

 そこでキズオからのメッセージは途絶え、自分のコメントを実証するように更に呪いの表に名前が書き加えられた。
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