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 ミランナが確認した後はワイヴァーンリーダーを回収。
 まだ、話があるからとミランナに言われギルドマスターの部屋に向かう。
 解体倉庫から出る前に、おっちゃんには悪いと思ったがフォレストバードとフォレストボアの解体を頼んだ。
 断られるかと思ったがワイヴァーンの解体前に解体してくれるとの事。
 アイテムボックスにある肉がブラッドガウルしかないから助かる。


「さて、これから話をするのだけれど、少し落ち着いついてからの方が良さそうね」


 ギルドマスターの部屋に入ると、そう言ってステイシアを見る。
 まだ気持ちの整理がつかないのか、部屋に入っても黙ったままだ。


「今、飲み物が来るから座って待っていてくれるかしら」


 そういえばギルドマスターの部屋に向かう途中で、近くにいたギルド職員にミランナが声をかけていたな。
 イスに座り待っていると女性のギルド職員が飲み物を運んでくる。
 残念ながら、おっぱいの大きい獣人の女性ではなかったが、揺れるのが分かるくらいには大きかった。


「さて、ステイシア話が出来るくらいには落ち着いたかしら?」

「ああ、大丈夫だ」


 飲み物を飲んだ事で気持ちが落ち着いたのか、時間がたったからなのか分からないが話せるようにはなったようだ。


「気になる事はあると思うけど、解体倉庫で言ったように他言無用よ。特にヒロに関してはね」
 
「そう、アイテムボックス持ちというだけでも珍しいのに、さらにワイヴァーンが31匹も入る大きさなんて聞いた事が無いぞ」


 あ~、やっぱり気になるか。
 ワイヴァーン以外にも色々と物が入っているんだけどね。
 俺のというか召喚された者のアイテムボックスが特殊なんだろうけど。
 そういえば、一緒に召喚されてきた勇者の巨乳女子学生は2人は無事に過ごしているといいが。
 まぁ、勇者なんだから噂を聞く機会もあるだろう。


「申し訳ないけど、ヒロに関しては私も詳しくは知らないのよ」

「冒険者に登録しているんだろう?」

「登録しているかといって個人を詳しく知っているわけないわよ。それにヒロのランクはGよ」

「えっ、アイテムボックス持ちでワイヴァーン討伐できるのにか?」


 ワイヴァーン討伐したの俺じゃないんだが。
 それに、アイテムボックスはランクに関係ないよな。


「少し前に登録したのよ。ワイヴァーンの事はともかくヒロに関しては繰り返しになるけど他言無用よ」

「だが」

「ステイシアなら大丈夫だと思うけど、仮にヒロと敵対するような事になったら私はヒロの方に付くわよ」

「王国騎士団でもか?」

「そうね、たとえ国が相手でも、よ。ギルドを辞めてでもヒロに付くわ」


 そうなるよな。
 フィアの事を知っているミランナからすれば当然か。
 何せ国を相手にしても一方的に消滅出来る能力があるからなぁ。


「ギルドマスターにそこまで言わせるとは、彼に関しては他言無用を約束しよう。だが、ワイヴァーンの事はどう説明した物か」

「冒険者ギルドと協議している間に冒険者が討伐したって言えばいいわ」

「実際そうなんだが、騎士団の連中が信じると思うか?」

「そんな事は言われても困るわよ」

「商人ギルドや商人なら張り紙を張っておけばいいから楽なんだが」


 確かに張り紙だけですむのなら楽だろうけど。
 それで、商人ギルドと商人が信じる方が凄いんだが。


「それは言えてるわね。ワイヴァーンの討伐を信じないというのは、王国騎士団で討伐しに草原にいきたいから?王国騎士団ってワイヴァーンを討伐できるほどの戦力があったかしら」

「いや逆だ。この街にいる王国騎士団の戦力ではワイヴァーン1匹なら最低でも半壊、今回の群れなど無理だ」

「逆というのは?」

「私達も首都に戻るだろう、討伐されていなかったら自分たちが戦う可能性が出てくる。戦いたくないから討伐が信じられない」

「不安が強すぎて、討伐が信じられない可能性があるわけね」


 ワイヴァーンの討伐に疑心暗鬼になるのも分かるが。
 街を守る王国騎士団がそれでいいのか。
 まぁ、戦闘をするきの無い俺が思うのもなんだけど。


「騎士団全員ではないと思うが」

「なら、解体倉庫に連れてきてワイヴァーンを確認させる?」

「いいのか?」

「解体倉庫でヒロと鉢合わせするようなことが無ければね。ステイシアが話さなくとも、ワイヴァーンを出す所を見られたのでは意味がないわ」

「わかった、確認をとって許可をもらってから解体倉庫に入る事にしよう」

「ステイシアの事は解体受付の職員に通達を出しておくわ」

「助かる、今日の夕方でいいか?」

「はぁ、わかったわよ。ヒロとの話も夕方まではかからないと思うから、ステイシアが来るまでには通達しておくわ」


 ため息をつきながら気の早いステイシアの要望に応えるミランナ。


「頼む。私はこれからワイヴァーンや集団の事についての説明と対策を話し合うために戻る」


 そう言うなり足早に部屋の扉に向かう。


「集団に関してはこっちにも報告を頼むわよ」


 ミランナは部屋を出て行くステイシアの背中に声をかける。


「もちろんだ」


 そう答えると扉を閉めて部屋を去っていく。


「まったく、困ったものね」


 ステイシアが出ていった扉を眺めながらミランナは呆れたように呟いた。

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