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 青空の下、リュイル達の声を聞きながら昼食の用意だ。
 野外で調理するのも慣れたような気がするなぁ。


「来たわよ」


 ラムリアの声で街道の方へ視線を向けると、集団が街道を移動している。
 あれが街の方から来た集団かぁ。
 集団で歩いているせいか移動速度はそれほど速くはなさそうだ。
 しかし、フィアがこちらに向かってくる集団を感じてからそれなりの時間が経過しているはず。
 それを考えるとフィアの索敵範囲の広さはいったいどれだけなんだろうか。


「何かわかるか?」


 調理しながら街道の方を見ているリュイル達に問いかける。


「そうねぇ。街の騎士団と冒険者が一緒に居るわね。これはアイシェラからの話だけど騎士団が主導で行動しているみたい」

「そうなのか?」

「斥候に出た時、騎士団の偉そうなのが冒険者に叫んでいたから間違いない」

「騎士団は集団の先頭の方にいるわよ」


 言われて街道を移動している集団に視線を向けるが、俺には遠すぎて見分けがつかん。
 リュイル達は見えるようだが、どんだけ視力良いんだよ。
 騎士団が奇抜な色の目立つ鎧ならわかるかもしれないが。
 まぁ、そんな事は無いんだろうけど。


「後は、アイシェラが話してくれた事の確認になりそう」

「そうか」


 得る事の出来る情報は少なそうだ。
 集団の事はリュイル達に任せて、昼食を作る事に励む。
 フィアとレスティナは集団より昼食が気になってるようだしね。


「出来たぞ」


 作り終えた料理を並べながら集団を眺めているリュイル達に声をかける。


「昼食にするには早いけどな」

「この後の事を考えたら仕方がないわよ」

「そうですね。街に戻ったらやる事がありますから、それらが終わってからになると食事はかなり遅くなってしまいます」

「だから早めの昼食でも問題ないわ」


 リュイルがそう言うと並べた料理をそれぞれが食べ始める。
 フィアとレスティナは並べたらすぐに食べ始めたけど。
 しかし、昼食の前にどら焼きを食べていたはずなんだけど、みんないつものように食事しているな。
 どら焼きを食べてからそんなに時間がたってないはずなのに。


「街道を移動している集団の目的ってなんだろうな?」

「それについてはわからないわ。アイシェラも聞かなかったそうよ」


 食事をしているアイシェラに視線にを向けると、こちらに気が付いたアイシェラが頷いている。


「街に戻れば集団の目的は分かると思うわよ」

「なんでだ?」

「騎士団が率いている集団よ。騎士団が冒険者を集めるのに目的が不明な訳がないわよ。仮にも街を守護している騎士なんだし」

「街で聞けばわかるわけか」

「そうゆう事ね。前日に声かけて集まるとも思えないから、少なくとも数日かけて目的を張り出すか告知するなりして集めたはずだからね」


 それなら街で話題になってるだろうから、聞き込みしなくても情報は入ってきそうだな。
 それに、冒険者が絡んでいるならギルドマスターであるミランナは間違いなく知っているはず。
 騎士団が何の目的で冒険者を集めたのかミランナはギルドマスターだしそういった情報は集まるだろう、それを知ったミランナは何も対策をしないとは思えないが。
 日数が経過しワイヴァーン関係を抑えらきれなくなかったのか、それとも全く関係ない目的のため何もしなかったか。


「そういえば、ワイヴァーンに関してミランナは掛け合って引き延ばすような事を言っていたよな」

「確かに言っていましたね」


 食事をしているリュイルに代わり、リリィが相手してくれる。


「街道を移動している集団は、ミランナが抑えきれなかった感じだと思うか?」

「それは無いと思いますよ」

「なぜ?」

「抑えきれなかったらギルドマスターの権限を使い強制依頼にすると思いますよ。なので街道を移動している集団では人が少なすぎます。それに騎士団の数も少ないです」


 街道を歩く集団にリリィが視線を向けたのでそちらを見る。
 強制依頼だと一定以上のランクは強制参加って話だったっけ。
 それなりの人数は居るような気もするが、リリィが言うんだから間違いは無いんだろう。


「別件の何かって事かね」

「あの集団の事は街に戻ってからにしましょう。ギルドマスターに報告するために集団の向かった方向は把握する必要がありますけど移動速度が遅いですから、今は食事です」

「そうだな」


 リリィに促され食事に。
 食事が終わる事にはそれなりに移動しているだろう。

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