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 昼食の親子丼はみんなに好評で、おかわりの催促で俺はゆっくり食べられなかったが、みんなの美味しそうに食べる表情は嬉しい。
 食後のみんなはおなか一杯になって満足した表情だ。


「食事も済んだし、この後の野営をする場所を話し合うわよ」


 食事が終わって一息ついた所で、リュイルが率先して音頭を取ってくれる。


「野営の場所なのですけど。ワイヴァーンの襲撃があって、先ほど食べた昼食もいつもより遅い時間です。これから野営の場所を探し移動となるとそれなりの時間になってしまいますよ」


 確かにリリィの言う通りだ。
 ワイヴァーンの回収に時間かかったからなぁ。
 アイテムボックスの都合上、生きているものは入れられないから仕留める必要があった。
 フィアが俺のために出来るだけ損傷の少ないようにしてくれた事なので、戦闘にどれだけ時間がかかったとしても何も言うことは無い。


「野営は草原ではなく木々の近くにするよのよね?」

「うん、その方が良い」

「なら、この場所でいいんじゃない?」

「そうですね。ラムリアの言う、この場所でしたら移動の時間はありませんね」

「それなら、この場所じゃなく木々の向こう側で野営した方が良い」

「アイシェラ、この場所じゃだめなの?」


 俺もレスティナと同じ疑問が浮かんだ。


「草原の奥に入ってきているけど、向こうに街道がある。街道から確認できないと思うけど念のため」

「なるほどね」


 街道の方を示しながら理由を言うアイシェラに納得するレスティナ。
 フィアの結界があるとはいえ用心するにこしたことは無いか。
 さすが斥候職のアイシェラだな。
 野営の場所が決まれば荷物をまとめて移動だ。
 荷物は俺がアイテムボックスに回収していくだけだし、移動は木々の向こう側だからそれほど時間はかからないだろう。
 俺の準備が終われば、フィアが張った結界を解除してアイシェラを先頭に木々の中を歩いていく。
 草原同様、木々の中も草が伸びてるので歩きにくさは変わらない。
 木々を抜けも変わらず見渡す限りの草原で、遠目には抜けてきた木々のような場所が所々にあるのが見える。
 どれだけ広い草原なんだか。


「アイシェラ、野営はこの場所で大丈夫か?」

「問題ない」

「フィア、隠蔽結界を頼む」


 アイシェラの確認も取れたので、フィアに声をかければ隠蔽結界を張ってくれる。
 結界が張られるとリュイル達はいつものように結界内の確認に。


「ヒロ、草原を焼いた方がいいかしら?」


 結界を張り終わったフィアが聞いてくる。
 どうしたものか。
 フィアの負担にならないかな?
 昼食で休憩とったとはいえ、ワイヴァーンと戦闘だったし、この後の事もある。
 時間があるから草を刈る事をリュイル達に頼む事も出来るが。


「私に遠慮することは無いわよ」


 悩んでいるとそんな事を言ってくる。
 表情に出ていたか。


「ヒロは、わかりやすいわよ」

「魔力とかそういったのは大丈夫なのか?」

「まったく、問題ないわね」


 大きなおっぱいを揺らし胸を張って言ってくる。
 頼もしい限りだ。


「なら、頼んで良いか?」

「わかったわ」


 フィアと一緒に木々の近くから移動し、ある程度離れた所で昼食の時のように草を炎で広範囲に焼いてくれる。
 リュイル達は駆け寄ってはこなかったが、こちらを見ていたのでフィアがやったことに気が付いたのだろう。
 俺の隣にいるしな。


「これでいいわよね」

「ありがとう」

「私は、ワイヴァーンの確認に行ってくるわね」

「気をつけてな」

「大丈夫よ」


 そう言って結界の外へ飛んで行くフィアの背中を見送る。
 フィアだけなら走っていくより飛んだ方が早いのか。
 空中戦闘も可能だもんな。
 さて、俺も野営の準備でもしますかね。
 アイテムボックスから小屋をだして、近くにテーブルにイス、調理用テーブルを配置していく。
 焚火はリュイル達が戻ってくればやってくれる。
 昼食は遅かったとはいえ、まだ日が高いので日が暮れるまではかなり時間があるから、俺は夕食の用意と作り置きだ。
 みんな沢山食べるからこういう時間が取れる時には作っておく。
 なにせ野営で時間があっても俺が出来る事はないからな。
 フィアは日が暮れる少し前に戻ってきた。

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