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 ミルアの所で小屋を受け取ってから数日が過ぎた。
 今は、フィア、リュイル達と共に冒険者ギルドに向かっている。
 ブラットガウルの受け渡しはすべて終わっているので取り分を受け取れば、ギルドマスターからの直接の依頼は終了だ。
 ギルドマスターであるミランナとの話し合いが残っているが、リュイルかリリィに任せれば大丈夫だろう。
 欲しいと思っていた食器の事に関しては、メリアとミルアに食器を扱っている店で何処か紹介してもらおうと思っていたのだが。


「大きな皿が欲しいの?それくらいなら私が作ってあげるわよ」


 ミルアがそう言ってきたので頼んだら作ってくれることになった。
 リエッタさんに追加で頼んでおいた、枕、クッション、座布団とそれぞれのカバーは出来上がったと言われた次の日には受け取りに行って、その日の夕食前にみんなに渡したら驚いたけど喜んでくれた。
 特にリエッタさんの喜びようは凄かった、貰えないと思っていたようで渡したらいつも以上に行動が積極的になった。
 みんな一緒に生活してるから仲間はずれにはしたくない。。
 出来上がったものは肌触りもよく、かなり満足するものだった。
 素材も良いのだろうけど、リエッタさんの腕が良いのだろう。
 冒険者ギルドについたら解体倉庫へ直接向かう。
 依頼の事もあって解体倉庫利用の受付をギルド内でしなくてすむのは手間が省ける。
 ギルド内の受付の前を通れば、受付にいるルーミアと同僚のエルフと人が笑顔を向けてくれるのは嬉しい。
 解体倉庫に入り受付にいるルティナの所へ。


「ルティナ、呼んでもらえる?」

「あ、ヒロさん。少し待ってくださいね」


 何か作業をしていたルティナに声を掛けると、そう言って立ち上がり受付の奥に。
 動くたびに揺れるルティナのおっぱいは素晴らしいね。
 それ程待たずにおっちゃんを連れて出てくる。


「お待たせしました」

「ありがとな」


 ルティナにお礼を言って後ろにいる、おっちゃんに視線を向ける。


「おう、来たな。兄ちゃんはついてきな」


 言われておっちゃんの後についていくがフィアも一緒だ。
 ここ最近は定期的に通っているので慣れたやり取りだ。
 いつもの部屋に案内され、置いてある肉をアイテムボックスへ収納していく。


「これで、ブラッドガウルは終わりだからギルドマスターの依頼は終わりでいいんだよな?」


 肉を回収し終わった後におっちゃんに尋ねる。


「他に無ければな。ギルドマスターの確認は必要だが」

「確認が必要か」

「そうだな。で、そんな事を聞いて来るって事は何かあんだろ?」

「ああ」


 ギルドマスターの依頼であるブラッドガウルの解体が優先になっていて、それ以外の魔物が解体できずに残っている事を話す。
 ブラッドガウル以外の解体は遠慮して欲しいって直接言われたからなぁ。


「そういやぁ。そんな事になってたな」

「ギルドマスターへ報告したらまた来るよ」


 思案しているおっちゃんに断りを入れる。
 解体を頼もうと思ったが解体倉庫の利用受付を済ませていない。
 ブラッドガウルの解体はギルドマスターからの承認を貰っていたけど、それ以外の解体を頼むなら受付を通さないと迷惑が掛かる。
 

「いや、もう一度来るのは手間だろう。置いていけ」

「いいのか?」

「兄ちゃんの事だからかなりの量あるんだろ。俺からもギルドマスターに話を伝えるが、ブラッドガウルが終わったってんなら、この後ギルドマスターの所に行くんだろ?」

「そうだな」


 ブラッドガウルの解体終了の報告と報酬の受け取りでギルドマスターの所へ行く予定だ。
 確か終わったら来るように言っていたような気がするから大丈夫だろう。
 まぁ、駄目だった時には日を改めよう。


「なら、その時に解体を頼んだことを話しておけば問題ないだろうよ」

「助かる、この部屋に出していいのか?」

「ここは、貯蔵の場所だから、受付近くのいつもの場所で出してくれ」


 おっちゃんが部屋を出て行くので後についていく。


「俺以外で解体を頼みにきたのはいるのか?」

「いないな。来たとしてもギルドマスターからの依頼を受けてる兄ちゃんの方が優先だから、解体に時間をもらったがな」


 解体に時間が掛かるってことは作業能力がほぼ限界だったんだな、それでギルドマスターが解体を遠慮して欲しいって言ったきたのか。
 それだけギルド内の能力を把握してるんだから、さすがギルドマスターってところかね。


「前にも聞いたかもしれないが、今じゃ兄ちゃん専用解体所みたいになっちまってるがな」


 おっちゃんは笑っているけど、それでいいのか?
 俺がどうこう言う事でもないけど。


「さて、いつものように出してくれ」


 受け付け近くまで来たところで、おっちゃんに催促されたのでブラッドガウルの依頼の関係で出す事の出来なっかった魔物をアイテムボックスから出していく。
 かなり前に狩った魔物だけど状態に問題はなさそうで良かった。
 改めて出してみると数が多い、こんなにあったかと思うけどアイテムボックスに入ってたんだから間違いはない。
 あの時は確か目的の魔物を狩ることが出来なくてフィアが頑張ったんだっけな。
 これらの解体が終わればブラッドガウル以外の肉も使えるようになるし、新たに魔物を狩りにいく事もできる。
 俺は魔物を狩には行きたくはないが、フィアは身体を動かしたいだろう。


「なぁ、兄ちゃん。数が多すぎやしねえか?」
 
 
 魔物の数をみて呆れたようにおっちゃんは言うが、そう言われても困る。
 俺も処分したいのだ。


「無理か?」

「3日、いや4日くれ」

「急いでないから、おっちゃんの出来る範囲でやってくれ」

「すまねぇな」

「頼んでるのはこっちだからな、気にしないでくれ。それと、フォレストバードを先に解体してもらえないか?」


 ここ最近はずっとブラッドガウルの肉だったからな、そろそろ違う肉も食べたい。


「わかった、兄ちゃんが戻ってくるまでに出来るだけやっておく」

「無理いって悪いな」

「仕方ねぇさ、今日の分なんだろ」

「ああ、お詫びってわけじゃないが、ブラッドガウルの肉を置いていくからさ」


 適度な大きさのブラッドガウルの肉をアイテムボックスから取り出す。


「いつも悪いな。それじゃ、さくさくやるか」


 おっちゃんが魔物の方に行ったので、俺は受付の方へ。
 受付ではみんなで談笑している。
 一緒に生活しているからか楽しそうだ。
 フィアはいつも通りで俺の隣にいる。


「ルティナできてる?」

「はい、受け取りの確認書類ですね」


 書類を受け取り確認。
 いつもと同じ内容だ。


「いままで受け取った書類をギルドマスターに渡せば良いんだよな」

「そうですね。私はギルドマスターからそう言われました」

「わかったギルドマスターの所に行ってくる。仕事終わりまで頑張れよ、ルティナ」

「はい」


 さて、この後はギルドマスターであるミランナの所か。  

 
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