上 下
121 / 178

121

しおりを挟む
 翌朝、仕事に行くルーミア、エルメリア、ラルフィナさん、ルティナの4人を送り出した後、少し時間を置いてからフィアとリュイル達、リエッタさんと共に冒険者ギルドに。
 時間を置くのは早い時間に行くと掲示板で依頼を探す冒険者が多いので避けている。
 依頼を探しているわけではないし、混雑している所に行って冒険者に絡まれる事は避けたい。
 リュイル達がいるおかげか絡まれたことはまだないが。
 絡まれてもフィアやリュイル達がどうにかしてくれるとは思うが、面倒ごとを避けるためにも絡まれない方が良い。
 冒険者ギルドに入ると、時間をずらしたせいもあって冒険者の数は少なくなっている。
 掲示板で依頼を物色している冒険者もそれなりにはいるけどまばらだ。
 目的は解体なので解体倉庫に向かいブラッドガウルの肉の受け取って解体を頼む。
 解体を頼むためにアイテムボックスから出したブラッドガウルの大きさと数に一緒にいたリエッタさんは驚いていた。
 解体倉庫受付のルティナも初めて見たときは驚いていたな。
 容量のあるアイテムボックス持ちはいないのだろう。
 もしかしたら勇者召喚で呼ばれた学生の5人はわからないが。
 今の所、アイテムボックスの容量に限界はない、無制限に入るのだろうか?
 まぁ、巻き込まれた勇者召喚だがこの恩恵は助かっている。
 冒険者ギルドでの用事は終わったので次の用事だ。


「メリアの所に行ったらリュイル達はどうする?」


 メリアの所に向かいながらリュイル達に尋ねる。
 毎日通って武器や防具の事を話し合っているようだし、今日も話し合うのかね。


「今日、一日はヒロに付き合うわよ。その事は、メリアにも話をするわ。それに私たちもヒロが頼んだっていう小屋を見てみたいしね」


 他のメンバーも頷いている所を見ると小屋は気になっているようだ。
 小屋をリュイル達は見たことはなかったのか。
 首都に向かうのに俺達が野営の時に使う小屋だし、気にもなるか。
 テントの方はメリアの所だから完成したのをみているだろう。


「ヒロくん。メリアの所に行く前に私のお店によってもいいかしら~」


 隣を歩いていたリエッタさんが頼んでくる。
 急いでいるわけじゃないので、メリアの所の前にリエッタさんのお店に寄ることに。


「店内で少しまっていてね~」


 店に着くなりそう言って店の奥に行ってしまう。
 リエッタさんが戻ってくるまで店内に置いてある絨毯の触り心地を確かめる。


「ヒロは、何してるのかしら?」


 俺のやっている行動が気になる様でフィアが聞いてくる。


「絨毯の触り心地を確かめてる。良さそうな感じの物があったら同じような感触の物をテントと小屋にと思ってさ。フィアはどんな感触の物が良いんだ?」

「そうねぇ、ヒロの気に入ったもので良いわ」


 絨毯を触りながらそう答えるフィア。
 なら俺の好みで選ぶか、感触が気になるようだったら何か言ってくるだろうし、その時は違う物にしよう。
 しばらくして、リエッタさんが荷物を持って出てくる。


「リエッタさんその荷物は?」

「ヒロくんの所に泊まるのに着替えよ~」

「絨毯の大きさを確認するための道具を取りに来たと思ってたんですけど」

「もちろん、それも入ってるわよ~」


 荷物の中から袋を出して見せてくるリエッタさん。
 見せてくれた袋に道具がはいっているのだろう、頼んだ事はちゃんとやってくれるようだ。
 着替えを取りに来ただけと言われなくて良かった。
 しかし、着替えを持ってきたってことは、この後のテントと小屋の確認が終わったら店に戻ってこないって事だよな。
 確認にどれだけ時間がかかるかはリエッタさん次第だが、昼過ぎからでもお店を開けられるとは思うけど良いのか。


「ヒロくん、お店の事は気にしなくても大丈夫よ~」


 表情に出ていたようでリエッタさんに言われてしまった。


「確認の話をヒロくんから聞いた時から~、頼まれた日はお店を休みにするつもりだったからね~」

「そうでしたか。ありがとうございます」

「良いのよ~。こっちもお仕事だしね~。それよりも頼まれていた物は出来てるけど持っていく~?」

「追加で頼んだ物と一緒で」


 受け取るなら全員分が出来上がってからの方が良い。
 渡せない人が出てしまうし、どうせならみんな一緒に渡して使いたい。
 

「わかったわ~。出来上がったら言うわね~」

「お願いします」

「それじゃ~。メリアの所に行きましょうか~」


 店の戸締りを終えたリエッタさんは俺の腕を抱えて歩きだす。
 腕を抱えているリエッタさんを見れば嬉しいのか歩く速度が少し速く引メリアの所まで張られる様な感じに。
 昨夜からなんだか行動が積極的だが何かあるのかな。
 メリアの所まで腕に感じたリエッタさんのおっぱいの感触は良かったよ。 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

もしも○○だったら~らぶえっちシリーズ

中村 心響
恋愛
もしもシリーズと題しまして、オリジナル作品の二次創作。ファンサービスで書いた"もしも、あのキャラとこのキャラがこうだったら~"など、本編では有り得ない夢の妄想短編ストーリーの総集編となっております。 ※ 作品 「男装バレてイケメンに~」 「灼熱の砂丘」 「イケメンはずんどうぽっちゃり…」 こちらの作品を先にお読みください。 各、作品のファン様へ。 こちらの作品は、ノリと悪ふざけで作者が書き散らした、らぶえっちだらけの物語りとなっております。 故に、本作品のイメージが崩れた!とか。 あのキャラにこんなことさせないで!とか。 その他諸々の苦情は一切受け付けておりません。(。ᵕᴗᵕ。)

【R18】 二人の主人と三人の家族

mimimi456/都古
BL
俺の飼い主はふたり。 カズとリク 俺の家族もふたり。 和己と陸也 三人で家族 二人は俺の主人

モブだった私、今日からヒロインです!

まぁ
恋愛
かもなく不可もない人生を歩んで二十八年。周りが次々と結婚していく中、彼氏いない歴が長い陽菜は焦って……はいなかった。 このまま人生静かに流れるならそれでもいいかな。 そう思っていた時、突然目の前に金髪碧眼のイケメン外国人アレンが…… アレンは陽菜を気に入り迫る。 だがイケメンなだけのアレンには金持ち、有名会社CEOなど、とんでもないセレブ様。まるで少女漫画のような付属品がいっぱいのアレン…… モブ人生街道まっしぐらな自分がどうして? ※モブ止まりの私がヒロインになる?の完全R指定付きの姉妹ものですが、単品で全然お召し上がりになれます。 ※印はR部分になります。

私を追い出すのはいいですけど、この家の薬作ったの全部私ですよ?

火野村志紀
恋愛
【現在書籍板1~3巻発売中】 貧乏男爵家の娘に生まれたレイフェルは、自作の薬を売ることでどうにか家計を支えていた。 妹を溺愛してばかりの両親と、我慢や勉強が嫌いな妹のために苦労を重ねていた彼女にも春かやって来る。 薬師としての腕を認められ、レオル伯アーロンの婚約者になったのだ。 アーロンのため、幸せな将来のため彼が経営する薬屋の仕事を毎日頑張っていたレイフェルだったが、「仕事ばかりの冷たい女」と屋敷の使用人からは冷遇されていた。 さらにアーロンからも一方的に婚約破棄を言い渡され、なんと妹が新しい婚約者になった。 実家からも逃げ出し、孤独の身となったレイフェルだったが……

この国に私はいらないようなので、隣国の王子のところへ嫁ぎます

コトミ
恋愛
 舞踏会で、リリアは婚約者のカールから婚約破棄を言い渡された。細身で武術に優れた彼女は伯爵家の令嬢ながら、第三騎士団の隊長。この国の最重要戦力でもあったのだが、リリアは誰からも愛されていなかった。両親はリリアではなく、女の子らしい妹であるオリヴィアの事を愛していた。もちろん婚約者であったカールも自分よりも権力を握るリリアより、オリヴィアの方が好きだった。  貴族からの嫉妬、妬み、国民からの支持。そんな暗闇の中でリリアの目の前に一人の王子が手を差し伸べる。

婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される

田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた! なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。 婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?! 従者×悪役令息

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

噂好きのローレッタ

水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。 ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。 ※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです) ※小説家になろうにも掲載しています ◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました (旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)

処理中です...