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 食事をした後はこの後の話だ。
 このままここを拠点として行動するのか、移動するのか。
 個人的には街道からも割りと近いから、冒険者が来ないとも限らないので場所を移動したい。
 新人の冒険者が採取依頼で来るって話だし。


「この後は目撃情報のあった方へ向かってみようと思ってるんだけど、どうかな?」

「そうですね、可能性は高いでしょうね」

「そううすると、方向は向こう」


 リュイルとリリィの話を聞いていたアイシェラが地図を見ながら方向を指し示す。
 目撃情報を記した地図なんてミランナから貰ったか?


「これは、リリィがギルドマスターの部屋で見せた貰った地図を大雑把だけど描いて、そこに目撃情報を記したもの、精度は参考程度だけどそれで良い」


 アイシェラの手元の地図を見ていた俺の視線に気がついたアイシェラが説明してくれる。
 俺がラムリアに地図の事を聞いてる時に3人で話し合っていた時か。


「参考程度?」

「参考程度で良いのよ」

「そうなのか?」

「ヒロさん、魔物も生き物ですから、同じ場所に居るとは限らないんですよ」

「移動している事も考えて探すのよ」


 俺の疑問にラムリアとレスティナが教えてくれる。
 そうだよな、目撃があってから日にちたってるし、言われれば移動している可能性のほうが高いよな。
 移動する事にみんな問題ないようで、アイシェラ先導の元目撃情報のあった方へ歩いていく。
 しかし、草原といっても草が足元ぐらいではなく膝丈ぐらいまである。
 リュイル達は何事も無いように歩いているが俺は歩きにくく、そのせいで移動速度が上がらない。
 湿地とかでぬかるみがないだけましなんだろうけどさ。
 目撃があったであろう場所の付近までやってきたが目的のブラッドガウルは居なかった。
 近くに木々の生えた場所があったので、その付近を今日の野営の場所に選んだ。
 隠蔽結界を張るとアイシェラが周囲に探索に出かけられなくなるので、隠蔽結界は探索から戻ってからに。
 探索に出ているアイシェラ以外は周囲の警戒、俺は食事の用意だ。
 しばらくすると探索からアイシェラが戻って来る。


「どうだった?」

「この付近に居たのは間違いない。距離があるけど向こうに広範囲に踏み荒らされた後があった」


 リュイルの確認に、アイシェラがみんなに聞こえるように答える。
 今日は一旦終了だろう、俺も食事の用意してるし。
 フィアにお願いして隠蔽結界を張ってもらう、これで安心だ。


「移動している方向はわかる、踏み荒らされてるから。ただ、どれだけ移動しているかは、わからない」

「アイシェラの感知外ね」

「アイシェラを先頭に移動している方向へ向かうしかないでしょうね」

「それしかないわよね」

「規模は分かる?」

「広い範囲で踏み荒らされていたから、大きいとおもう」

「この付近にいた日数で踏み荒らされる範囲も変わりますから、一概にこうとは言えないでしょうけどね」


 リュイル、リリィ、アイシェラ3人が話し合っている。
 確かに大変だとは言っていたが本当だな。
 草原だから移動した方向が分かるだけましないかもしれないが。
 

「食事の用意出来たけど、どうする?」


 話し合っている3人に声を掛ける。
 フィア、レスティナ、ラムリアの3人は食事したそうだけど。


「あらかた明日の事も決まったし、食事にしましょう」


 リュイルの言葉で料理をテーブルに並べ食事に。
 会話しながら食事を楽しんだ。


「フィアには頼まないのか?」


 食事が終わり休息している時にリュイルに聞いてみた。
 フィアに頼めば早いと思うが。


「ブラットガウルを討伐するのはフィアさん頼りだからね、最初から頼るわけにもね」

「フィアさん頼りとはいえ一応私達も依頼を受けているわけですからね。すべて任せるわけにもいきません」

「できる事はやっておきたい」

「ヒロはどっちでも移動する事にはなるけどね」

「回収することが出来るのはヒロだけだもの」


 リュイル達はフィアにすべて任せてしまうのは良しとしないようだ。
 確かにフィアにすべて任せたとしても、回収できるのはアイテムボックス持ってる俺だけだ。
 ブラッドガウルの規模が分からないから殲滅するのに時間がどれだけかかるかも分からないし。
 俺とフィアが何度も往復するかもしれない可能性を考えると、こうやってみんなで移動しているもの悪くはないのか。
 この方が依頼を受けている感じはするしな。

 
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