異世界のんびり自由な流浪旅？

073

　いつもとは違った形での食事となったが受け入れられたようで何より。
　個人的に、家にいるなら靴は脱いで過ごしたい、楽だし。
　食事はみんな沢山食べてくれて作った方としては嬉しいが、気になる事もある。


「なぁ、普段の食事量ってどのくらいなんだ？」

「急にどうしたの？」

「断っておくけど責めてるわけじゃないからな。普段というか俺と出会う前の食事量も今ぐらい食べるのか気になってさ」

「そういえば、ヒロと出会ってから食事が変わったわね」

「前からは比べられませんわね」

「戻れないかも」

「前は味もそうだけど量も違うしね」

「それを知ってどうするのですか？もしかして減らすの」

「「「「「「「「「　！　」」」」」」」」」


　リュイル達がそれぞれ前と今を比較して思っている事を言っている中、レスティナの言葉に反応した全員が俺を見つめてくる。
　減らすつもりで言ったわけじゃないし、そんなつもりも無いから。
　レスティナそんな心配そうな表情しなくてもと思ったが、レスティナだけじゃなかった。


「減らすつもりはないから、そんな表情しないでくれ。普段からあれだけ食べてるのか気になってさ」

「気になったから、知りたいのね」

「ああ」

「知っても本当に減らすことはしませんよね」


　リュイル、本当に知りたいだけなんだよ。
　リリィ、確認しなくても減らさないから心配しないでくれ。


「知りたいだけだから大丈夫だって」

「それじゃ私達ね、ヒロと出会う前まではそんなに食べていなかったわ」

「依頼で街の外に行くとなると、もてる量も限られてしまいますからね」


　確かに俺みたいなアイテムボックス持ちで無い限り、大量の食料を持って歩くことは無いだろうし、持っていても食料の優先度はあまり高くなさそうだ。


「ヒロは街で食べたことはある？」

「リュイル達と出会う前に街で何度か」

「それなら味は分かると思う」


　アイシェラの言う事はわかる、街で食べたと言っても屋台でだが味が足りないのだ。
　こっちでは普通かも知れないが、向こうから比べるとどうしてもな。
　あまり食べる気にはならずスキル頼りの料理をつくる事にしたんだし。


「ヒロは私達と会った時の事は覚えてる？」

「覚えてる」


　出会った時と今では接し方もだいぶ様変わりしたけど。



「それなら私達が準備していた食事分かるわよね。魔物を狩った後ではあるけど、あの時準備していた食事がその時の食事量になるわ」


　ラムリアの言葉にあの時の事を思い出せば、あの時は肉をいくつか串に刺して焼いていたな。
　今の量から比べると少ないな。


「普段の野営では黒パンと干し肉がほとんどですよ、ヒロさんも持っていましたよね」

「この街に来る前に買ったな」


　レスティナに言われ買ったことを思い出す。
　いかにも携帯用で長持ちしそうな感じではあったけど、確か人目をごまかすために買った気がするな、気が向いたら食べる事しよう。
　干し肉はスープや煮込みに入れれば何とかなりそうだし。


「黒パンもスライスして何回かに分けて食べますから」


　それなりの大きさだったのはそういうことか。
　一度で全部食べるものだと思っていたよ。
　依頼で数日街から離れると食事に関しては何ともいえないな、本来はそうなんだろうけど。


「冒険者である私達はこんな所ね、街での事は３人が詳しいかも」

「そうね～、私達は似たり寄ったりだと思うのよ、だから簡単にね」


　ラルフィナさんは使っていた器一つとコップを手元に寄せる


「人によって多少は多かったりするけど、大まかにはこの器ぐらいの量と飲み物ぐらいが一回の食事量ね～」

「冒険者ギルドで提供している食事では飲み物と料理を頼むとそれぐらいです」

「ヒロさん達は宿に泊まっていたのですから分かるのでは？」

「宿には泊まっていたけど料理無しで泊まっていたからな」


　宿に関してはリュイルが手続きとか支払いをやってくれたからな。
　追加のお金払って料理出てくるなら俺が作ったほうが宿代も安くなる程度の考えだったし。


「そうよね～」

「確かにそうなりますね」

「あの料理ならそうですね」


　３人は納得したようにうなずいている。
　俺が作っている料理と宿などで出てくる料理を比較してのことだろう。
　どんな料理か気にはなるが、食べて物足りない味だった時には困るのでどこかへ食べに行くことないが、そのうちどこかで食べる事もあると思う。
　それなりの量で大丈夫だったのに俺の作った料理はどうして沢山食べるんだ？


「俺の料理を沢山食べてくれるのは嬉しいけど、どうしてなんだ？リュイル達は出会ったときから沢山食べてたし、フィアもそうだけどラルフィナさんやエルメリア、ルーミアも同じように食べるからそれが普通かと思ってたけど」

「「「「「「「「「　美味しいから（です）（よ～）　」」」」」」」」」


　あ、そうですか、ありがとう。


「それも理由だけど、元々私達は食べるわよ。ただ食べなかっただけで、金銭的な理由もあるけどね。それに、ヒロは私達が満足するまで食べさせてくれるから」


　巨乳の女性達におかわりって迫られたら作るしかないよね。
　出会ったその日の夕食でそうだったし、あの時の迫力と特にレスティナの積極性は凄かった。
　まぁ、気になってた事も分かったし、俺の料理を喜んでくれるなら良いか。
　それと、明日の予定も話しておくか。


「気になってた事がわかったよ、ありがとう。それで話は変わるが、明日は俺とフィアはこの前の鍛冶屋に行って頼んだ物に関して打ち合わせのようなものがあって、時間がどれだけかかるか分からない、リュイル達はどうする？３人は仕事だよな？」

「私達は留守番してるわ、庭で模擬戦したりしてる。出かける事になっても誰かは必ず残るようにするわ」

「私はお店ね～」

「私は仕事です」

「私もです」

「それじゃ、今日と同じで悪いがお昼は用意しておくよ」

　そう言うと昼を期待していなかったリュイル達は嬉しそうで得にレスティナは大喜びだ。
　ラルフィナさん、エルメリア、ルーミアの３人は今日渡したお昼のサンドイッチが美味しかったのか嬉しそうだ。
　この後は風呂入ってから明日の朝食と昼の準備と思ったが、夕食の前に風呂の準備するの忘れてたな。
　明日の準備をしている間に風呂入れるか。