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 商業ギルドに戻っていくエルメリアを見送った後は予定していた買い物へ。
 メイン通りから少し離れミランナに教えてもらった職人工房が並ぶ通り入る。
 話しでは、いくつかある職人工房の通りのひとつらしいのだが店を見て回るだけでも楽しめそうだ。
 隣にいるフィアを見ると、はじめて見るのか俺と同じように興味深そうにあちこち見ている。


「少し、どんなものを売っているか見て回らないか?」

「良いの?」

「俺も気になるし興味あるから」


 夕食まではだいぶ時間あるだろうし大丈夫だろう。
 それにフィアと2人での行動ってのは初めてだしな。


「こういった場所を見たことないのか?」

「街に来る事もなかったから、見る事もなかったわ」

「そうか、なら教えてもらった店はまだ先のはずだから、せっかくだし見て回るか」


 そう言ってフィアと店を覗いたりしながらのんびりと教えた貰った場所へ向いながら歩きまわる。
 それなりの時間をかけて工房通りの端にある教えてもらった店に。
 

「ここなの?」


 店の前で訝しげにフィアは聞いて来る。
 その店は工房通りの並んでいる店から比べると小さいからだろう。


「まぁ、ミランナからの紹介だから大丈夫じゃないか?」


 ギルドマスターでもあるミランナからの紹介だから変な所を紹介はしないと思うが。


「とりあえず入ってから考えても良いんじゃないか?」


 隣で黙って店を眺めているフィアに声をかけ一緒に店内へ。
 扉を開けて店内に入れば扉に付いたベルが金属音を奏でる。
 店内は見た目通りに広くは無いが商品はきちんと整理されて飾ってあり、とても見やすい。


「見やすく綺麗に整理されているのね」


 店内を見回しながら感想を言うフィア。
 

「すみません」


 フィアは店内を歩き飾ってある商品を見ている。
 ベルが聞こえないのか店内にあるカウンターに誰もでてこないので奥に向って声を掛ける。
 カウンターに誰もいないけど商品を持っていかれたりしないのだろうか。


「はい、は~い」


 少しすると奥から女性の返事が聞こえ姿を現す。
 現れたのは身長が低く女性というより少女といった印象をうける。
 エルフの様に長くは無いが特徴的な耳をしており、身体の方は見てわかるほどの巨乳の持ち主だった。
 その容姿でそのおっぱいはすごい。


「ヒロ、彼女はドワーフよ」


 少女を見ているとフィアが俺の腕を引っ張り耳元で囁く。
 この少女がねぇ。


「あ、お兄さんドワーフを見るのは初めて?」


 フィアが俺に言った事が聞こえたのだろうドワーフの少女は聞いてくる。


「ああ、はじめてだ。不躾に見てすまなかった」

「気にしてないよ、慣れているからね」

「ギルドマスターのミランナの紹介できたのだが、店の人は?」

「自己紹介がまだだったね、この店の主でメリアだよ」


 店主の事を聞くと目の前の少女が店主であると言う。


「ヒロ、彼女はちゃんと成人しているわよ」

「は?え、そうなのか」


 この容姿でこの店の持ち主なのか。
 しかも成人していると。
 

「そっちのお姉さんは私達のこと知っているみたいだね。お兄さんみたいに知らない人から見たら分からない人も多いからね仕方が無いよ」


 そう言ってメリアは笑っている。
 悪いことしかな。


「それで、ギルドマスターの紹介って事だけど」


 ミランナに相談した、野営で使いたい鉄板やテント、小屋の事を話す。
 道具屋も紹介されたのだが作ってもらう事が可能なら希望の物をということで先にこちらに。
 無理そうなら道具屋で探すつもりだ。


「なるほどね、話はわかった。作れるか作れないかで言えば作ることは可能よ。まぁ、男のドワーフにこの話を持ち込んだら大変だったかもね」

「そうなのか?」

「店内を見れば分かるでしょ」


 言われて店内を見て納得。
 店内に置いてあるのは、武器がほとんどで少しだけ包丁が置いてあるくらい。


「武器か」

「そう男は、武器とか防具を作る方がほとんどだからね。違うものを作りたがらないのよ。中には変わったのもいるけど小数ね。女は武器や防具も作るけど、細工もやるし頼まれれば調理器具なんかも作るのよ」

「だからここを紹介されたと」

「そういうことね、まぁ女は私だけじゃないけど紹介されたからには仕事は請け負うよ」

「ありがとう」

「それじゃ詳しく話し聞きましょうか」


 メリアに促されてカウンターの奥へ。
 そこにはテーブルとイスが置いてあり話し合うためのスペースが設けられていた。

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