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 フィアが獲ってきたのはでっかいトカゲだった。
 首が変な方向に曲がっていて何故か頭へこみがある。


「フィア首が曲がってるのは分かるんだが、頭のへこみって」

「首を折ったのだけど暴れたから頭を殴っておとなしくさせたのよ」


 フィアが殴ると頭がへこむのか。
 胴体とかだったら貫通するんじゃなかろうか。


「それよりも一緒に来てもらいたいのだけど良いかしら?」

「それはかまわないが俺1人か?」

「ほかにも獲ったのだけど一度には持ってくることが出来なかったのよ」

「そういうことか、少し待ってくれ」

「リュイル、フィアが獲ったものがまだあってとりに行ってくるから休んでいてくれ」


 リュイルに説明しながらテーブルの出してあるコンロや土鍋など調理器具等をアイテムボックスにしまいこむ。
 フィアの獲ってきたでっかいトカゲも忘れずに。


「ここで待っているわね」


 リュイルから返事が返ってくる。


「フィア、行こう」

「ヒロにあわせて行くと時間がかかるわ。そうね私の腰辺りに手を回して抱きついて」

「こ、こうか」

 言われたようにフィアの腰に手を回して後ろから抱きつく。
 

「もっと、しっかり抱きついてないと落ちるかもしれないわよ」


 抱きつく腕に力を入れた瞬間何かに引っ張りあげられる感触。
 目を開ければそれなりの高さにいた。
 

「おあっ。浮いているのかそれとも飛んでいるのか?」

「どっちともいえるわね、それよりちゃんと抱きついてないと落ちるわよ」

「わ、わかった」


 こんな高さから落ちたら命は無い、一般人だよ俺は。
 そうだよな、フィアが森の方へ飛んでいくときもそれなりの早さで飛び上がってたもんな。
 飛び上がるときの衝撃あるよな。
 しばらくしてゆっくりと降りていく。
 降りたところにはフィアが獲ってきた魔物や獣が山になっていた。
 フォレストバードとボアは分かるがほかは見たことないものだ。


「フォレストバードとボアは分かるけどほかは食べられるのか?」

「わからないわ、食べられるかどうかはもって行けば分かるでしょう」

「そ、そうだな」

 
 目についた魔物か獣を適当に狩ったのだろうか。
 山になっている魔物か獣か俺には判別できないがそれらをアイテムボックスに入れていく。
 俺のアイテムボックスの容量はどうなっているんだろう。
 全部入るのかと思いながら入れていたら全部入った。
 

「飛ぶときって下りるときと同じようにゆっくり飛べないのか?」

「出来きるわよ、でも早く飛び上がったほうがいいでしょう」

「俺と一緒のときはゆっくりにしてくれ、飛び上がるときの衝撃がきつい」


 フィアだけならいいけど、俺も一緒のときはやめて欲しい。
 衝撃も結構あったし、飛び上がる途中で落ちるかもしれないし。


「わかりましたわ、嫁ですからお願いを聞いてあげますわ」

「理解してくれる嫁で嬉しいよ」


 またフィアの腰にしがみついて移動だったがリュイル達がいる場所に戻るときは上がりも下りる時と同じようにゆっくりだった。
 フィアがお願いを聞いてくれたのだろう。
 戻ったところで食事の準備の続き。
 リュイル達には引き続き警戒を頼みフィアは休憩。
 夜はガウルの肉でステーキににするので適当な厚さに切って切り込みを入れておく。
 味付けなしで焼いて食事の前に焼いて味付けで良いか。
 時間停止のアイテムボックスだから出来る事なので人数分6枚焼いて皿に盛ってアイテムボックスへ。
 それを何度か繰り返しそれなりの量を作る。
 あまっても時間停止なので問題なし。
 朝の分はステーキサンドで良いか。
 食パンをそれなりの枚数コンロで焼いておく。
 ガウルの肉を焼いてステーキソースの醤油味で味付けして食パンに挟む。
 どんなものか味見してみる。
 四等分にカットして一口。
 あ、これはうまいわ、見た目が牛だけあって味も牛だ。
 夜に作るステーキも期待だな。
 色々な味のステーキサンドつくってしまおう。
 アイテムボックスから色々な味のステーキソースを出したところで背後に何かを感じ振り返ればこちらを見つめる美女6人。


「6人そろってそこで何やってんの?」

「私は休憩していたら美味しそうなにおいがしてきて気になったのですわ」

「食事作っているのはわかっているんだけどね」

「食欲をそそる匂いでしたわ」

「気になる匂い」

「どんな料理か気になりますね」

「今作っている料理食べたいですよ」


 醤油のにおいは食欲をそそるからな。
 気になるのだろう。


「ヒロに言いたい事がありますわ。料理をつくっているのはわかりますけど自分だけ食べるのは」

「「「「「「 ずるい(ですわ) 」」」」」」

「ちょっと味見だったんだけど」

「「「「「「 それでも(ですわ) 」」」」」」

 
 声をそろえなくても。
 そこまで興味を引いたか。
 食べさせないと引き下がらないよな。


「わかった、1人1枚だからな」


 そう言うと6人はコクコクとうなずく。
 6人に作った後は色々な味付けのガウルステーキサンドを作った。
 作っている最中、みんな料理が気になっていたようだ、みんな一口食べたらもくもくと食べてたからな。
 美味しかったのは分かるけど朝食分なので我慢してもらった。
 アイテムボックスにしまうとき残念そうだったけど仕方が無い。
 食事の準備が終わった後は休憩しながら談笑し、その後はフィアの獲った物の解体を頼むために冒険者ギルドへ向かった。

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