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湖の場所からセレスフィア王国へ向かうこと数日。
「今日は少し早いけどここまでにしましょう」
いつものようにリュイルの号令でそれぞれが野営の準備に取り掛かる。
空を見れば確かに今日はいつもより早めの時間だ。
日の入りまでもう少し時間がかかる。
今日はいままでと違いファングボアと出くわした。
でっかい牙を持ったそれなりに大きい猪なのだが紅の守護のメンバーはなれたもので苦労せずに倒していた。
俺は支援回復担当のレスティナの横で見ていただけ。
その戦闘もあっての早めの野営なのだろう。
その後のファングボアの解体も冒険者だけあってビックボア同様に手際がよかった。
牙、皮、肉はそれなりの値段で買い取ってもらえるらしいのだが肉は全部俺に譲ってくれた。
その際使いやすい大きさに切り分けられていたし、前に貰ったビックボアの肉も少なくなっていたのでありがたかった。
今回の肉も前回同様、彼女達の食事になるんだけど。
いつもの様に朝食用のスープからなので手早く仕込む。
夕食は何にするか。
ビックボアの肉は使い切ってしまいたい。
時間あるし煮込むか、味付けはビーフシチューの素にするか。
出来上がりはビーフではなくボアになるが分からないだろうし。
少し大き目に切った肉、玉ねぎ、ジャガイモ、人参を鍋にい入れる。
そこに水、酒をいれて火にかける。
ビックボアの肉だけでは足り無そうだったのでファンボアの肉も追加で投入。
彼女達何気に肉が多いと喜ぶんだよな。
あくを取りながら彼女達の話に耳をかたむける。
どうやら国境までは近いようだ。
近いといっても歩きだから何日かかることやら。
鍋の方は火が十分に通ったら少しのだしの素とビーフシチューの素を入れ弱火でコトコト焦げないように混ぜながら煮込めば出来上がりだ。
「夕食できたぞ」
ビーフシチューならぬボアシチュー鍋をテーブルの真ん中に置きその横にパンをだす。
「パンはそのままでもいいがシチューをつけて食べてくれ」
「途中からいい匂いがしてきたのよね」
「途中から話が夕食の話でしたからね」
「美味しい、これは初めて」
「初めての味だけど本当に美味しいわね」
「シチューも、シチューをつけたパンも美味しいわよ」
みんな気に入ってくれたようで何よりだ。
さすが食品会社のビーフシチューの素だ。
談話しながら美味しそうに食べる彼女達に囲まれて食べるシチューは特別な感じがした。
5人の美女と食事は向こうじゃ考えられなかったと思いながら食べていると、横からいきなり声をかけられた。
「今食べているそれ、私も食べたいのだけど」
声のしたほうを向くとそこには見事な膨らみがあった。
「胸がしゃべるのか」
「そんなわけ無いでしょう。もっと上よ」
見上げるとそこには俺を見ているのか手元のシチューを見ているのか分からないがこちらを見下ろす巨乳美女がいた。
リュイル達の方を見るといきなり現れた巨乳美女をみて固まっている。
「珍しい組み合わせなのね。魔族に銀狼族それにエルフと人間」
俺が視線をリュイル達に向けたのを見て現れた巨乳美女も視線をそちらに向けた後に俺をみて言ってくる。
リュイルとリリィの種族を知っている。
耳は髪に隠れているので見ただけでは分からないはずなのに。
種族を見極められたせいなのか2人は動揺している。
「それで、どうなのかしら」
俺は座っていた席を立ち現れた巨乳美女に座るよう促す。
座った巨乳美女は目の前にあった俺の食べかけのシチューを一口にする。
「!」
驚愕した表情を浮かべたがその後はすぐに平らげた。
「美味しいのだけど足りないわ」
巨乳美女に皿を差し出されたので鍋に入っているシチューをよそって目の前に置く。
「うむ」
巨乳美女が皿を差し出すたびよそって目の前に置いてやること数度。
満足したのかイスにもたれかかりくつろいでいる。
鍋に半分以上残っていたシチューは突然現れた巨乳美女に食い尽くされた。
どれだけ食べるんだよ。
「あなたは何者なんですか」
一息ついた所でリュイルが巨乳美女に対して尋ねる。
「警戒しなくてもいいわよ、貴女達に危害を加えるつもりはないわ。貴女達が敵対しなければね」
「敵対するつもりはありません」
リュイルがこたえると他のメンバーもコクコクとうなずいている。
「私が何者か貴女いえ貴女達なら予想くらいはつくのではないかしらね」
「推測でよければ」
「別に間違ったとしても何もしないわよ」
「幻神族」
「正解。どうやら全員分かってたみたいね。博識なのね貴女達」
「話の途中で悪いんだが、幻神族どんな種族なんだ?」
たずねたら6人の美女に驚かれた。
しらないのって表情で見られても困るよ。
こっちの住人じゃないから知らんよそんな種族。
「今日は少し早いけどここまでにしましょう」
いつものようにリュイルの号令でそれぞれが野営の準備に取り掛かる。
空を見れば確かに今日はいつもより早めの時間だ。
日の入りまでもう少し時間がかかる。
今日はいままでと違いファングボアと出くわした。
でっかい牙を持ったそれなりに大きい猪なのだが紅の守護のメンバーはなれたもので苦労せずに倒していた。
俺は支援回復担当のレスティナの横で見ていただけ。
その戦闘もあっての早めの野営なのだろう。
その後のファングボアの解体も冒険者だけあってビックボア同様に手際がよかった。
牙、皮、肉はそれなりの値段で買い取ってもらえるらしいのだが肉は全部俺に譲ってくれた。
その際使いやすい大きさに切り分けられていたし、前に貰ったビックボアの肉も少なくなっていたのでありがたかった。
今回の肉も前回同様、彼女達の食事になるんだけど。
いつもの様に朝食用のスープからなので手早く仕込む。
夕食は何にするか。
ビックボアの肉は使い切ってしまいたい。
時間あるし煮込むか、味付けはビーフシチューの素にするか。
出来上がりはビーフではなくボアになるが分からないだろうし。
少し大き目に切った肉、玉ねぎ、ジャガイモ、人参を鍋にい入れる。
そこに水、酒をいれて火にかける。
ビックボアの肉だけでは足り無そうだったのでファンボアの肉も追加で投入。
彼女達何気に肉が多いと喜ぶんだよな。
あくを取りながら彼女達の話に耳をかたむける。
どうやら国境までは近いようだ。
近いといっても歩きだから何日かかることやら。
鍋の方は火が十分に通ったら少しのだしの素とビーフシチューの素を入れ弱火でコトコト焦げないように混ぜながら煮込めば出来上がりだ。
「夕食できたぞ」
ビーフシチューならぬボアシチュー鍋をテーブルの真ん中に置きその横にパンをだす。
「パンはそのままでもいいがシチューをつけて食べてくれ」
「途中からいい匂いがしてきたのよね」
「途中から話が夕食の話でしたからね」
「美味しい、これは初めて」
「初めての味だけど本当に美味しいわね」
「シチューも、シチューをつけたパンも美味しいわよ」
みんな気に入ってくれたようで何よりだ。
さすが食品会社のビーフシチューの素だ。
談話しながら美味しそうに食べる彼女達に囲まれて食べるシチューは特別な感じがした。
5人の美女と食事は向こうじゃ考えられなかったと思いながら食べていると、横からいきなり声をかけられた。
「今食べているそれ、私も食べたいのだけど」
声のしたほうを向くとそこには見事な膨らみがあった。
「胸がしゃべるのか」
「そんなわけ無いでしょう。もっと上よ」
見上げるとそこには俺を見ているのか手元のシチューを見ているのか分からないがこちらを見下ろす巨乳美女がいた。
リュイル達の方を見るといきなり現れた巨乳美女をみて固まっている。
「珍しい組み合わせなのね。魔族に銀狼族それにエルフと人間」
俺が視線をリュイル達に向けたのを見て現れた巨乳美女も視線をそちらに向けた後に俺をみて言ってくる。
リュイルとリリィの種族を知っている。
耳は髪に隠れているので見ただけでは分からないはずなのに。
種族を見極められたせいなのか2人は動揺している。
「それで、どうなのかしら」
俺は座っていた席を立ち現れた巨乳美女に座るよう促す。
座った巨乳美女は目の前にあった俺の食べかけのシチューを一口にする。
「!」
驚愕した表情を浮かべたがその後はすぐに平らげた。
「美味しいのだけど足りないわ」
巨乳美女に皿を差し出されたので鍋に入っているシチューをよそって目の前に置く。
「うむ」
巨乳美女が皿を差し出すたびよそって目の前に置いてやること数度。
満足したのかイスにもたれかかりくつろいでいる。
鍋に半分以上残っていたシチューは突然現れた巨乳美女に食い尽くされた。
どれだけ食べるんだよ。
「あなたは何者なんですか」
一息ついた所でリュイルが巨乳美女に対して尋ねる。
「警戒しなくてもいいわよ、貴女達に危害を加えるつもりはないわ。貴女達が敵対しなければね」
「敵対するつもりはありません」
リュイルがこたえると他のメンバーもコクコクとうなずいている。
「私が何者か貴女いえ貴女達なら予想くらいはつくのではないかしらね」
「推測でよければ」
「別に間違ったとしても何もしないわよ」
「幻神族」
「正解。どうやら全員分かってたみたいね。博識なのね貴女達」
「話の途中で悪いんだが、幻神族どんな種族なんだ?」
たずねたら6人の美女に驚かれた。
しらないのって表情で見られても困るよ。
こっちの住人じゃないから知らんよそんな種族。
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