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「あのヒロさんに私からのお願いがあるんですよ」

「そういえばレスティナは言っていたわね」

「なにを頼むおつもりですか」

「気になる」

「何を頼むのかしらね」


 レスティナがどんなお願をするのか、4人は笑顔でレスティナを見ている。
 4人が何を考えて笑顔で見ているのか分からないが、みんなの前でのお願いするんだ無理な事ではないだろう。
 無理な事でもみんなの前でお願いしたんだから聞いてとか………。
 言いそうで怖いな。
 そんな事にはならないだろうが。


「出来る事と出来ない事あるけどそれでもよければ」

「無理なことは言いませんよ。一緒にいるあいだヒロさんと同じでよいので私の食事もお願いできませんか?」

「「「「!」」」」 


 レスティナのお願いを聞いた瞬間、笑顔でレスティナの方を向いていた4人が驚き4人が俺の方を向く。
 こっち向かれても何もないよ。
 やっぱり食事の事だったか、4人は思いつかなかったのか違うことでも考えていたのか。
 ラスティナのお願いについてはなんとなくだが予想がついていた。
 夕食を作ったときの彼女達の様子の中でもラスティナは抜き出て目立ってたな。
 俺と同じもので良いなら、さほど手間にもならないだろう量が増えるだけだし。
 そうなると道中で何とかしないと肉以外の物が尽きるかもしれん。
 もし道中スキルを使う機会が無く食材が切れたときはその時で考えよう。


「だめですか」


 考え事に集中していたためにそれなりに時間がたったようでレスティナが再度聞いてくる。
 期待に目を輝かせ首をかしげて見つめてくるレスティナ。
 その表情はずるくね。
 断れないよ。


「いや、それくらいならかまわない」

「本当ですか、ありがとうございます。良かったです、楽しみですよ」


 食事を喜んでくれるならまぁいいか。
 レスティナ凄く嬉しそうだし。


「レスティナの期待に応えるようには………」

 
 感じた圧力に言葉が詰まる。
 みればレスティナ以外の4人が何もいわないが期待をこめてこちらを見てる。
 レスティナは笑顔でうれしそうにしていて気づいていないが、それ以外の4人から無言の威圧を感じる。
 俺に女性4人からうける威圧に耐えるそんな精神はないよ。
 

「わかったから、俺に威圧するのやめてくれ」


 4人が気がつき俺に対する圧力が消える。
 俺の精神が持たないよ、大丈夫かな。
 無言だけど他の4人もレスティナ同様に食事をお願いしたいのだろう。
 素直に言えばいいのに何かいえない理由でもあるのだろうか。


「明日の朝からみんなの食事は俺が作る事にするから」

「本当ありがとう」

「よろしくおねがいします」

「うれしい」

「楽しみだわ」


 しかし、5人からお願いされたらもうお願いという名の強制じゃん。
 4人は無言の圧力だったけど
 断れる胆力は俺にはないよ。
 まぁ、5人が嬉しそうなら良いか。
 美女5人に頼られるのも悪くない。
 


「レスティナ。ヒロにお願い聞いてもらったわけだけど報酬はどうするの?」

「食事作ってもらうようお願いしたのだから報酬は必要ですよね」

「ヒロに証言してもらうことで護衛だから食事は別の頼みごとになるしね」

 
 リュイルがレスティナと報酬の事を話しあっているが報酬とか貰うつもりも無いんだが。
 食事で道中が安全ならそれで良いし。
 戦闘しなくてすむならなおさらだ。


「別に報酬とか無くてもいいぞ。貰う事も考えなかったし」

「そういってもらえるのはありがたいのですが」

「ヒロはちゃんと報酬を求めるべき」

「私達だから言ってくれたのかもしれませんが他の冒険者にそのような事を言ったら大変な事になりますよ」

「そうなのか?」

「そうね、利用できるだけ利用してポイって感じかしら。報酬なしって言っているからそうなるわね」

「ヒロさんのスキルなのですから見合った報酬求めるようにしてくださいね」

「わかった、気をつける」


 リリィ、アイシェラ、ラムリアが警告してくれる。
 スキルの無料奉仕をするとろくなことが無いってことか。
 料理はスキルではないのだが。
 もし料理がスキルになったら恩恵あるのだろうかね。


「そういうことなら、さっきの夕食も報酬を貰うべきなのか」


 聞いたら3人とも目をそらしたよ。
 まぁ、いいけどさ。


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