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「話がそれちゃったわね。改めて、魔族のリュイルよろしくね」

「わたくしもリュイルと同じ魔族で、リーリエといいます。よろしくお願いしますね」

「こちらこそよろしく。リーリエは気軽な言葉使いでいいのだが」

「リリィは普段からこの話し方だから」

「話し方は癖のようなものです。それから、ヒロさんわたくしの事はリリィでかまいませんよ」


 リリィはどこかの良い所のお嬢様なのだろうか。
 本人が話しやすいならそれでかまわないだろう。


「次は」


 リュイルはアイシェラの方を見る。


「私」

「そうね」

「私は銀狼族のアイシェラ」

「銀狼族?獣人族とは違うのか?」

「それは私の様な特徴を持つ者の事。その中で私は銀狼族」


 獣人が特徴を持つ者全体でその中で特徴でさらに別れてる感じか。
 アイシェラの耳と尻尾はモフりたいな。


「アイシェラの耳と尻尾って触らせてもらうことはできるか?」

「乱暴にしなければ良い。けどまだだめ」

「そのうち触らせてくれるってことか」

「そう、私が触っても良いと思ったら言う。でもいつになるかは分からない」


 アイシェラが俺に対しての信頼がそこまでないか。
 出会ってまだその日だからあたりまえだな。


「そのときはよろしく」

「ん」


 アイシェラはうなずいてくれる。
 一緒に行動しているうちに触らせてくれるか分からないが可能性はでた。
 どんな感じか分からないが沢山モフらせてもらおう。
 ペット用のブラシを買っておくか。
 
 
「次は私達ね、私はラムリアこの耳を見て分かるようにエルフね」

「私はレスティナ、ラムリアと同じエルフよ」

「エルフか森人とは違う?」

「人が私達をの事をそう呼んでいるから違いはないわね」

「私達の中でもハイエルフ、ダークエルフなどいるんだけど人はまとめて森人って言ってるのよ」

「なるほど街で話を聞いたがエルフとは聞かなかったな」

「森に住んでるからそう呼ばれているんだろうけどね」

「それとヒロさんには話していた方がいいかな。旅するなら出会う事もあるかもしれないし」

「私達のようなパーティを受け入れてくれる人はそうはいないからね」

「何のことだ」


 レスティナの話しておいたほうが良いとの提案にラムリアが肯定しそのほかのメンバーも話を聞きながらうなずいている。


「それは私が話しをしよう。私がパーティのリーダーをやっている理由でもある」

「リュイル以外ではだめなのか?」

「だめというわけではないよ。この国では見かけないがそういうパーティもいるし」

「これからする話にもかかわるのですが、交渉などはわたくしかリュイルが出来るだけするようにしていますね」

 リリィが話に補足を入れてくる。
 リュイルとリリィが交渉役引き受けいるということは他の3人はあまりそういったことに向いていない。
 俺と話した限りではそんな事ないな。
 アイシェラは話しが苦手なのかもしれないが、ラムリアとレスティナは話しやすいし。
 となると見た目か。


「種族差別?」

「そう、ヒロが分からなかったように私とリリィは耳を見られることが無ければ人と変わらないから。面倒ごとが格段に減る、この国では特にね」

「ギルドも?」

「中立ではあるのだけどその国の人がギルド員をやってるとどうしても個人の思想が入ってくるからね」

「なるほど」


 確かにギルドの理念に個人が賛同するかは別だしな。
 この国の王様からして差別派だろうし国民もそっちの傾向に傾くのは当然か。


「注意してほしいのが亜人排斥派。もし見かけたり聞いたりした時には気をつけて」

「亜人?」

「亜人排斥派から見ると私達も亜人ってことになる。簡単に言うと人族意外は認めないっていう過激な思想を持った集団ね」

「何処にでも極端な考えを持つ者はいるのか」

「一般的に亜人はゴブリンとかオークなどの人型魔物の事ね。私達の様な容姿の種族を見かけて亜人って言うと差別的な事になるから注意してね。国によっては呼んでいることもあると聞けど」


 過激すぎるだろ考え方が。
 そんな連中が種族とか宗教戦争の引き金になるんだろうが。
 そんな集団と関わりあいになりたいとは思わん。
 見かけたり聞いたりしたら逃げよう。


「わかった。それとは逆の集団もしくは国は?」

「そこまで過激な集団は聞いたことはないけどあるわね。その種族が王じゃない国はどこも同じような感じかしらね。ある程度は聞けば国境でおしえてくれたりはするはずよ」

「種族が違えどそういった集団がいるのは同じか。いいやつもいれば悪いやつもいるってことだな」

「そうね。ちなみこれから向かうセレスフィア国は人が王だけど違う種族も受け入れている国よ」

「そっか、色々な種族がいるんだよなどんな国なのか楽しみだ」

「ヒロさえよければ街についたら街中案内するわよ」

「ぜひ」

 
 この国ではゆっくり街中見る事もなかったし。
 新しい国の街に着いたらゆっくりするのもいいかもしれない。
 どんな国なのか楽しみにしている俺をみる5人の女性は嬉しそうだった。
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