トーメイさんは生産者

yukami

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第11話

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魔王種襲撃まで後5分…

という上空に現れた表示…
あれはNPCには見えておらずプレイヤーのみのようで、みんなそわそわしてる。
にゃこたんさんとかに聞いたけど、強い魔物?とかが現れて難題突きつけて来るらしい。または襲って来る。

第二陣の人たちも楽しみなのかワクワクした顔してる。ドラゴンも誰も倒せなかったらしい…私倒せたけど…まあ、私は今日もいつも通り、カランおばあちゃんのお店手伝って、アマンサさんの食堂手伝って、自宅(お店)の売り上げとかみたりで暇を潰そう。魔王種は…遭遇したら相手しよう。
目立つ行為はなるべく避けなければ…

[少し休憩するか、アマンサのところにご飯を食べに行こう。今ならまだ空いているだろうから。]
『そうですね。行きましょう。』

食堂へ着く前に、上のカウンターがゼロとなる。そして表示が変わり…

~~魔王種襲撃!魔王種襲撃!今回のお題は…人質を救出し守りきれ!人質救出を失敗した場合、人質は死亡、復活しませんのでご注意ください。魔王種の数残り…五体!制限時間は残り6時間!!~~


「キター!!!」
「なんだ?人質?」
「誰か誘拐されてんの?」
「誰が?」


『悪いが違うぞ、異界人ども…誘拐されるのはこれからだ!』

なんか来た。人の形をしているけど、顔は山羊?

『ヒッ。魔王種じゃと!?』
おばあちゃんが怯えている。

『まずはそこのババアだ。』

は?
……カランおばあちゃん?
なぜ?隣に女の子NPCが腰抜かしているのに見向きもしないで?


[おばあちゃん、動かないで、魔王種倒して来ます。側に戻ったら鈴をまた鳴らすので…]
『っ!じゃが!』
[大丈夫。信じて。おばあちゃんは私が守ります。]
『……わかった。』

『逃げないでいいのかババア?』
『……フン。私の護衛を甘くみたら痛い目にあうよ。』
『は?護衛?どこに……っぎゃあ?!うでがぁ!!』

まずは一本。
おばあちゃんを攫う?
放送では人質が死ぬと…とあった。最終的には殺す気か…許さない。

『出てこい!!どこにいる!』

他のプレイヤーも意味がわからない顔をして慌てている。漁夫の利も考えてたりしそうな人もいる。その視線を感じ、焦った魔王種は…

『くそっ!連れて行くまでもねぇ!ここで殺してやる!』
『っ。』

おばあちゃんに手を向けて魔法陣を展開した!
させない!…二本目!

『うぎゃあああ!!!ぐぅあ!!ダーク…』
詠唱させるわけないだろ!
最後!!

首を思いっきり跳ねて胴体は蹴り飛ばす!

『……が…。』

シーン
石壁に死体がぶつかり粒子となって消えた魔王種。
プレイヤーは何が起こったか理解できず固まる。
そんなところに放送…

~~魔王種が1体討伐されました。残り4体。残り時間05:55 ~~

ふぅ、まずは私の家と考えたけど家よりもアマンサさんの食堂の方が近いからそっちにおばあちゃんを避難させよう。

リィーン
[おばあちゃん立てる?アマンサさんのところに避難しよう。]
『………メイちゃん、あんた…。』

[ん?どうかした?まさか、怪我した?!]
『いや……アマンサのところに行こう。』
[うん。]

肩に手を置くとビクッとしたが私だと確認したのか。すぐに落ち着く。怖かったんだろうな。背中をさすってあげながらアマンサさんの食堂に…


『イヤァー!!!』
「俺たちのアイドルを離しやがれ!牛野郎!」
「アマンサさーん!!!」

『ヤギューンがやられた…まさかそんなに強い奴がいるのか?確か、あいつの担当は調薬のババアだったはず…近いな。急いで他のやつと合流を…』

『アマンサ!』
『!カランおばあちゃん!!』
『む?アレは確か、ヤギューンの…グモウ?!!』

空飛んでるな、そこらへんにある石を顔めがけて飛ばして当てたけどダメージはなしか!牛のくせに…アマンサさんを離せ!
しょうがない、屋根に上がって!
闇狼召喚!

【アイツを落とせばいいんだね!!】
お願いっ!

ウルウが、屋根から飛び移り脚に齧り付く!
『なんだ!なぜ闇狼がここにいる?!ぐっ!落ちる!』

まずはアマンサさんを返せ!後ろからシルバーファングを装備して腕を切り落とす!これならアマンサさんを斬らずにいける!
『グモ?!』
『きゃ?!』
まだ、地面とは少し離れたところからアマンサさんが落ちる!
銀狼召喚!
ラルお願いっ!
【承った!】

『ひゃ。た、助かった?』

『グゥ!!モオォーウ!!!』
何か紫のオーラ?みたいなものを纏い、筋肉が盛り上がる牛男。

ラルにアマンサさんをおばあちゃんのとこに運んだら戻ってくるように伝え、ウルウの方は武器に戻ってもらい、構える。

『見えない敵ならば!ここら周辺吹き飛ばせばいいことだ!!ワイルドスタンプゥ!!!」
地面に向かって両手を突き出そうとする!

地面に着く前に仕留める!
まずはスラッシュ!!

大きな白い斬撃が牛男を後ろから襲う!
仰け反り、アーツ?を中断させられる牛男!

『グモッ?!小癪な!そこだ!!』
スラッシュが飛んできた方向にすごいスピードで、来る!そして、大きな斧を振り回すが空振り。
誰がそこに止まるか!空振りして、隙だらけの牛男の内側に滑り込み、下から!

スラッシュ!!
『なんだと?!下ぁ?!グボァ!!』

すぐに場所を移動!そして、いつも通り!腕…と行きたいところだけどまずは足!
『俺の足がァア!!』

これで高く跳躍した後のワイルドスタンプというアーツは使えないはず!
そして!頭から下へ縦に!

『…ッァーーー…』

白目むいて真っ二つになりながら粒子に変わる牛男。
~~魔王種が1体討伐されました。残り3体。残り時間05:45 ~~

『…わぁーお。』
『メイちゃん強すぎじゃ。』

ふぅ。疲れました。筋肉が案外硬かった。ウルウ、後で研いであげるね。
【うん!おねがーい!】
【私もな!】
わかった~。
2人を撫でて、アマンサさんとおばあちゃんと共にアマンサさんの食堂にとりあえず入る。

『ありがとっ!メイちゃん!』
『強いのぅ。魔王種を1人で倒すとは…』
『まるで勇者みたいだよ!』

[いえいえ、ただの護衛ですよ。]
しまった、目立ってしまう…。プレイヤーが遠巻きに見て来るし…まあ、私は見えてないだろうけど…浮いてる紙は目立つ。
おっと?1人プレイヤーがやってきたぞ?

「カランばあちゃん、アマンサさんそこにいるのはメイとかいう奴か?」

『なんだ、ガークかい。そうだよ。メイが助けてくれたんだ。』
『すごーっくかっこよかったよね!』

「……おい。メイ。お前から見た今回の魔王種の狙われたNPC特定なんかわかるか?」

…突っかかってこないので、調子が狂いますが…
[恐らく、この国の重要人物…生産系のだと思われますよ。私が心配なのは大将さんとかしか…あとは思いつかないのですが…他の…木工とか、細工の人が心配ですかね。]

「何故そう思う。」

[始まる前に言っていたでしょう?人質が死んだら失敗。復活しないと。それらの各職人がいなくなってしまったら、これ以上生産系のスキルについて教えてもらえないし…強化してもらうこともできなくなるでしょう。新しい発展とかクエストも受けられなくなるでしょうし。]

「……そういうことか。……お前、これからどうするんだ。」

[……とりあえずギルドメンバーにチャットで様子を聞きます。それまで、ここは動かないつもりです。]

「……わかった。…キーン!ギーン!お前らはここに残れ、他の魔王種が2人をさらいに来る可能性がある!」
「「りょー!」」
銀髪と銀髪の双子プレイヤーが群衆から出てきた。

「他の奴らは他の魔王種の捜索!生産系のNPCを探せ!いなくなったやつの確認!急げ!フリーダムに全部取られる前に!!」

“アイアイサー!!”

おぉ。なかなかの指導者ぶり。ギルマスなだけはある。

「キーン、ギーン。ここに透明人間プレイヤーがいるからお前らは見張り。どこかに行こうとしたらついていけ、獲物の場所が分かったらチャットで知らせろ!」
「「さらにりょー!って、どこにいんの!」」
[一応、ここにいます。まあ、どこか行くときはお知らせするので慌てなくていいですよ?]

「「…心霊現象…ってマジだったのか。」」
[いや、霊じゃないですよ?]

「「え、いや、君もだけど…後ろ。」」
[?]

『どうも。』

振り返ってみるとそこには笑顔ですぐ近くにいるアルがいた。

[アル、ビックリするから急に出てこないで。]
『えぇー…後ろからハグしようかと思っていたのに…』
[声が出ちゃうでしょう。]
『あ、それは失礼しました。というか、メイ様暴れすぎです。それと、精霊全員から魔法を使ってと懇願されました。』

あ。
[謝っとかないと…]
《むぅ。なかなか熟練度上がんないでしょっ!めっ!》
《そうですよ?メイ様、ソフィーのしか上がってないんですからね?》
《ボクらもつかってー。》
《私どももお役立ちしたいのですから…》

[みんないたのか…ごめんね?]

《…ハグしてくれたら許す。》
《《》》

むむぅ…
[あとでね?]
《やったぁ!》
《おっしゃあ!》
《イェーイ!》


約2名ほどおかしな感じが…ソフィーとライトは仲がいいですね。

「「いやいや、精霊多くね?!」」
「…剣だけでも厄介なのに…」

『メイちゃんさすがね!』
『怖いもの知らずじゃな。』

さて、みんなと連絡を取ってみました。
すると、やはり大将さんがターゲットにされているようで、顔が狼の魔王種に狙われているらしく、ケンジさんがどうにか抑え込んでいるとのこと…他のみんなも戦闘中またはサポート中のようだ。応援に駆けつけたほうがいいかと聞くと、戦わなくていいからサポート役でお願いされた。
いや、戦う気はもうないのだけどね?

[あの、キーンさん、ギーンさん。大将さんのところに応援頼まれたのですが、行きます?]

「おっ!マジか!場所どこ?!」
「行くに決まってんじゃん!どこどこ?」

場所は大将さんの店近くの空き地…

『メイちゃん、行ってらっしゃい。私たちはここを動かないし、隠れているからね。』
『メイちゃん頑張って!』

[私はサポートしに行くだけですよ。戦わないです。では、行ってきます。]

そう書いたあと、気づかれないように2人に一応、無属性魔法バリアを張る。熟練度が低いため、一撃しか守れないが、壊れたらすぐにわかるようになっている。

よし、行こう。あ、そうそう。
[鈴を鳴らしながら行くのでそれについてきてください。キーンさんギーンさん。]

「「りょー!!」」

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