142 / 214
141変わり果てたハナ
しおりを挟む
これは、サヨが鳴紡殿を出て馬車に乗り、西へ向かっていた頃の話である。
どこか、薄暗い場所。ハナは、侍女が持ってきた掌ほどの大きさの姿見を床へ乱暴に叩きつけていた。大きな音を立てて砕け散り、銀色をした細かな刃の雪が床に降り落ちる。
「ハナ様?!」
驚いた侍女が金切り声をあげた。
「それは、お父上が生前くださった大切なものでは」
それでなくとも、姿見というのは大変貴重なものなのだ。ハナのような貴族の娘にしか手に入らない高級品。しかもこれは、帝国製で縁に異国風の紋様が刻まれた優美な品である。
「どうしてこんなことになってしまったのよ?! 私は精一杯やりきったわ。そうでしょ? なのに、こんな顔。こんな境遇。もう、たくさんよ!」
ハナが睨みつけると、侍女は今度こそ怯えたように後退ってしまった。それもそのはず。今のハナは、この世のものとは思えない程醜い。前日、華やかな園遊会の時の姿とは似ても似つかぬ姿だ。
肌という肌が、火傷をしたような爛(ただ)れを引き起こしている。体自体も、老婆のようにぎこちなくしか動いていない。目だけがギョロリと飛び出していて、爛々と輝いていて見えた。
完全に、呪われている。
否、神の祟を受けている。
主の癇癪には慣れているはずの侍女も、こんな化け物じみた者に凄まれては、もはや全てを投げ打って逃げ出したくなってしまった。
事の起こりは、昨年の夏前だった。例年通りに新たな楽師を募り、入団試験が行われ、三人の娘が入ってきた頃。
ハナは、それ以降、王から頻繁に勅書を受け取っている。初めは実家経由だったが、最近では直接彼女に届けられていた。
役人でもあるまいし、ましてや女であり、目の敵にされている楽師にも関わらず、勅書を得るということ。これは、彼女の誇りを著しくくすぐるものであった。
毎度、「王宮内は味方が少なく、頼れるのは愛しいそなただけだ」などと、恋文紛いの同情を誘う文が書き連ねられていて、いつしかハナは、自らこそが王の忠実な下僕であり、自らこそが、クレナの救世主であると信じ込むことになる。
そして、数日前にも届いた勅書には、これが最後の指示だと書かれてあった。ずばり、いよいよコトリを帝国へ遣ることが決定したという内容である。
ハナは、もうこれで王から直接言葉を貰う機会がないのかと思うと落胆した。同時に、この最後の任務さえ完璧に遂行すれば、また次の新たな仕事が下されるのではないか。もしくは、ここまで懇意にしてきた、うら若き乙女を、妻として召し上げてくれるのではないか。と期待してしまったのである。
ハナは、俄然張り切りだした。
コトリは、王女の癖にやたらと図太いところがある。どうすれば、あの平然とした麗らかな顔を敗北や絶望の色に染めることができるだろうか。
あれこれと考え抜いた結果、まずはカヤを呼び出した。そして、コトリ達が演奏する曲の譜面を書かせて、自らの傘下の者へ死に物狂いで叩き込む。さらには王の名を使い、王宮へ実家と縁ある者を送り込んで、女官の役目を与えた。
これで、後は手筈通りに本番を迎え、コトリが悔しがって泣く顔を見る予定だったのに。
事前の仕込みは全て上手く行った。いや、本番その時まで全てが予定通りに運んだ。にも関わらず、あのコトリは、数ある困難をものの見事に乗り越えて、正々堂々と戦いを挑んできたのだ。
そういった潔さが、ハナの目には愚かに映っていたが、最後は正妃の登場で全てが覆されてしまう。さすがのハナも、国中の女の頂点に立つ者を相手にすると、屈することしかできなかった。
そうして、ハナは、約束されていたはずの栄光、首席という座を取り逃がすことになる。
けれど幸い、王はハナを責めることなどしなかった。正妃からの呼び出しから鳴紡殿へ戻る道中、王からの使いの者が渡してきた走り書き。そこには、労りの言葉と、今夜は予定通りに、とあったのだ。
ハナは、以前侍女を通じ、ソラで入手していた帝国の薬を使うことになっていた。そこで、コトリが一人きりなのを確認した上で部屋へ招くと、何の躊躇いもなくやってくる。さらには、毒味されているかも確認せずに、薬の入った茶を甘いと言って飲み干してしまった。あまりの呆気なさに、ハナは笑いすら漏らしたものだ。
その後は実家の者を呼び寄せて、荷箱の中にコトリを詰める。華奢な娘なので、膝を抱くような格好に体を小さく折り畳んでやると、すっぽりと入ってしまった。ついでに、彼女のシェンシャンも重ねて入れる。蓋をしっかりと閉めると、そのまま、園遊会の片付けに追われる下働きの列に潜り込み、王宮外へ運び出してしまった。
ここまで来れば、もうあと一息。
家紋がついていない粗末な荷車へ乗せると、商人のフリをした手の者が引っぱって、一気に都の外へ出る。しばらく街道を進み、完全に人気が無くなったところで、待ち合わせていた帝国の者達に引き渡すのだ。
彼らは、クレナには無いような足腰の強い馬を使っている。コトリの入った箱は、金属製の頑丈な箱馬車の中に積み込まれ、あっという間に去っていった。
という報告を侍女伝手に聞かされたのは、日付が変わった丑三つ時の頃。コトリを実質上葬ることに成功したという達成感で、ハナは興奮のあまり眠れずにいたのだ。
それが油断になってしまったのだろうか。少し、魔が差してしまったのだ。
「そういえば、あの没収した神具はあるかしら?」
ハナは、身体検査を通じてコトリ達から強奪した、神気を見るための神具を、自らの部屋へ運び入れていたのだ。侍女は、命じられるがままに、それらを箱に入れてハナの前へ持ってくる。
どれを取っても、芸術作品とも言える美しい細工が施された装具だった。これらをコトリ達が衣に着けているのを見るのは、本当に忌々しかった、とハナは振り返える。
本来ならば、もっと早くヨロズ屋を手中に収めて、こういった神具に限らず、ハナを飾り立てるための様々な装具を作らせていたのに。
実は、カヤを、かの店に向かわせたのは駄目元だった。実は、別の方法でもヨロズ屋を掌握すべく動いていたのだが、どこぞの貴族の力が強く働き、さらには手の者が攻撃的な神具の餌食となって数を減らしたため、諦めざるをえなかったのだ。
「でも、コトリはもういない」
上客がいなくなれば、ヨロズ屋も態度を変えるだろうか。ハナはいやらしい笑みを浮かべながら、目の前にある神具の一つを手に取った。
そういえば、どうやって使うのだろうか。首を傾げながらも、ひとまず「神気を見たい」と心の中で唱えてみる。
それは、もう、あっという間の事だった。
神具から煙が吹き、何かが飛び出してきた。細長いもの。どこか、見覚えがある。そうだ。以前、ソラの王子がやってきた際にワタリ王子へ絡みついた黒い蛇のようなもの。
叫び声を上げる。
しかし、間もなくハナは気絶してしまった。それ程に、その煙は高熱で、さらには毒性が高かったのだ。
意識の無いハナの体は、黒蛇もどきに絡み取られ、あっという間に蝕まれていく。あまりの恐ろしさに逃げてしまっていた侍女が、忍び足で近づいていくと、そこには変わり果てたハナの姿があった。
そして、周囲の部屋で休んでいた、ハナの傘下の楽師達が次々に現場へ雪崩れこんできたのだ。
「ハナ様、どうかされました?!」
「叫び声が聞こえました」
しかし、そんな心配する声も、それを目にした途端に消えてしまう。ハナの今が、あまりにも酷すぎて、誰ももはや言葉にならなかった。
周囲のざわめきが刺激になったのか、ハナはゆっくりと目を開ける。身体全てが焼けるように熱く、経験したことのない痛みに覆われている。そして、人の気配がある方向へ首を振った。
「見たわね?」
ハナの視界には、ガタガタと震える仲間達がいる。その反応だけで、現在の自分の姿が、簡単に想像することができた。
「道連れにしてやる!」
ハナは、残りの神具を楽師達に投げつけ始める。もう怒りが頂点に達して収集がつかない。侍女はおろおろしながらも、ハナを背後から羽交い締めにし、その耳元で叫びをあげた。
「おやめください、ハナ様! ひとまず、ここを離れて傷を癒しましょう! 皆様も事情を知ってしまったからには、ご一緒に!」
どこか、薄暗い場所。ハナは、侍女が持ってきた掌ほどの大きさの姿見を床へ乱暴に叩きつけていた。大きな音を立てて砕け散り、銀色をした細かな刃の雪が床に降り落ちる。
「ハナ様?!」
驚いた侍女が金切り声をあげた。
「それは、お父上が生前くださった大切なものでは」
それでなくとも、姿見というのは大変貴重なものなのだ。ハナのような貴族の娘にしか手に入らない高級品。しかもこれは、帝国製で縁に異国風の紋様が刻まれた優美な品である。
「どうしてこんなことになってしまったのよ?! 私は精一杯やりきったわ。そうでしょ? なのに、こんな顔。こんな境遇。もう、たくさんよ!」
ハナが睨みつけると、侍女は今度こそ怯えたように後退ってしまった。それもそのはず。今のハナは、この世のものとは思えない程醜い。前日、華やかな園遊会の時の姿とは似ても似つかぬ姿だ。
肌という肌が、火傷をしたような爛(ただ)れを引き起こしている。体自体も、老婆のようにぎこちなくしか動いていない。目だけがギョロリと飛び出していて、爛々と輝いていて見えた。
完全に、呪われている。
否、神の祟を受けている。
主の癇癪には慣れているはずの侍女も、こんな化け物じみた者に凄まれては、もはや全てを投げ打って逃げ出したくなってしまった。
事の起こりは、昨年の夏前だった。例年通りに新たな楽師を募り、入団試験が行われ、三人の娘が入ってきた頃。
ハナは、それ以降、王から頻繁に勅書を受け取っている。初めは実家経由だったが、最近では直接彼女に届けられていた。
役人でもあるまいし、ましてや女であり、目の敵にされている楽師にも関わらず、勅書を得るということ。これは、彼女の誇りを著しくくすぐるものであった。
毎度、「王宮内は味方が少なく、頼れるのは愛しいそなただけだ」などと、恋文紛いの同情を誘う文が書き連ねられていて、いつしかハナは、自らこそが王の忠実な下僕であり、自らこそが、クレナの救世主であると信じ込むことになる。
そして、数日前にも届いた勅書には、これが最後の指示だと書かれてあった。ずばり、いよいよコトリを帝国へ遣ることが決定したという内容である。
ハナは、もうこれで王から直接言葉を貰う機会がないのかと思うと落胆した。同時に、この最後の任務さえ完璧に遂行すれば、また次の新たな仕事が下されるのではないか。もしくは、ここまで懇意にしてきた、うら若き乙女を、妻として召し上げてくれるのではないか。と期待してしまったのである。
ハナは、俄然張り切りだした。
コトリは、王女の癖にやたらと図太いところがある。どうすれば、あの平然とした麗らかな顔を敗北や絶望の色に染めることができるだろうか。
あれこれと考え抜いた結果、まずはカヤを呼び出した。そして、コトリ達が演奏する曲の譜面を書かせて、自らの傘下の者へ死に物狂いで叩き込む。さらには王の名を使い、王宮へ実家と縁ある者を送り込んで、女官の役目を与えた。
これで、後は手筈通りに本番を迎え、コトリが悔しがって泣く顔を見る予定だったのに。
事前の仕込みは全て上手く行った。いや、本番その時まで全てが予定通りに運んだ。にも関わらず、あのコトリは、数ある困難をものの見事に乗り越えて、正々堂々と戦いを挑んできたのだ。
そういった潔さが、ハナの目には愚かに映っていたが、最後は正妃の登場で全てが覆されてしまう。さすがのハナも、国中の女の頂点に立つ者を相手にすると、屈することしかできなかった。
そうして、ハナは、約束されていたはずの栄光、首席という座を取り逃がすことになる。
けれど幸い、王はハナを責めることなどしなかった。正妃からの呼び出しから鳴紡殿へ戻る道中、王からの使いの者が渡してきた走り書き。そこには、労りの言葉と、今夜は予定通りに、とあったのだ。
ハナは、以前侍女を通じ、ソラで入手していた帝国の薬を使うことになっていた。そこで、コトリが一人きりなのを確認した上で部屋へ招くと、何の躊躇いもなくやってくる。さらには、毒味されているかも確認せずに、薬の入った茶を甘いと言って飲み干してしまった。あまりの呆気なさに、ハナは笑いすら漏らしたものだ。
その後は実家の者を呼び寄せて、荷箱の中にコトリを詰める。華奢な娘なので、膝を抱くような格好に体を小さく折り畳んでやると、すっぽりと入ってしまった。ついでに、彼女のシェンシャンも重ねて入れる。蓋をしっかりと閉めると、そのまま、園遊会の片付けに追われる下働きの列に潜り込み、王宮外へ運び出してしまった。
ここまで来れば、もうあと一息。
家紋がついていない粗末な荷車へ乗せると、商人のフリをした手の者が引っぱって、一気に都の外へ出る。しばらく街道を進み、完全に人気が無くなったところで、待ち合わせていた帝国の者達に引き渡すのだ。
彼らは、クレナには無いような足腰の強い馬を使っている。コトリの入った箱は、金属製の頑丈な箱馬車の中に積み込まれ、あっという間に去っていった。
という報告を侍女伝手に聞かされたのは、日付が変わった丑三つ時の頃。コトリを実質上葬ることに成功したという達成感で、ハナは興奮のあまり眠れずにいたのだ。
それが油断になってしまったのだろうか。少し、魔が差してしまったのだ。
「そういえば、あの没収した神具はあるかしら?」
ハナは、身体検査を通じてコトリ達から強奪した、神気を見るための神具を、自らの部屋へ運び入れていたのだ。侍女は、命じられるがままに、それらを箱に入れてハナの前へ持ってくる。
どれを取っても、芸術作品とも言える美しい細工が施された装具だった。これらをコトリ達が衣に着けているのを見るのは、本当に忌々しかった、とハナは振り返える。
本来ならば、もっと早くヨロズ屋を手中に収めて、こういった神具に限らず、ハナを飾り立てるための様々な装具を作らせていたのに。
実は、カヤを、かの店に向かわせたのは駄目元だった。実は、別の方法でもヨロズ屋を掌握すべく動いていたのだが、どこぞの貴族の力が強く働き、さらには手の者が攻撃的な神具の餌食となって数を減らしたため、諦めざるをえなかったのだ。
「でも、コトリはもういない」
上客がいなくなれば、ヨロズ屋も態度を変えるだろうか。ハナはいやらしい笑みを浮かべながら、目の前にある神具の一つを手に取った。
そういえば、どうやって使うのだろうか。首を傾げながらも、ひとまず「神気を見たい」と心の中で唱えてみる。
それは、もう、あっという間の事だった。
神具から煙が吹き、何かが飛び出してきた。細長いもの。どこか、見覚えがある。そうだ。以前、ソラの王子がやってきた際にワタリ王子へ絡みついた黒い蛇のようなもの。
叫び声を上げる。
しかし、間もなくハナは気絶してしまった。それ程に、その煙は高熱で、さらには毒性が高かったのだ。
意識の無いハナの体は、黒蛇もどきに絡み取られ、あっという間に蝕まれていく。あまりの恐ろしさに逃げてしまっていた侍女が、忍び足で近づいていくと、そこには変わり果てたハナの姿があった。
そして、周囲の部屋で休んでいた、ハナの傘下の楽師達が次々に現場へ雪崩れこんできたのだ。
「ハナ様、どうかされました?!」
「叫び声が聞こえました」
しかし、そんな心配する声も、それを目にした途端に消えてしまう。ハナの今が、あまりにも酷すぎて、誰ももはや言葉にならなかった。
周囲のざわめきが刺激になったのか、ハナはゆっくりと目を開ける。身体全てが焼けるように熱く、経験したことのない痛みに覆われている。そして、人の気配がある方向へ首を振った。
「見たわね?」
ハナの視界には、ガタガタと震える仲間達がいる。その反応だけで、現在の自分の姿が、簡単に想像することができた。
「道連れにしてやる!」
ハナは、残りの神具を楽師達に投げつけ始める。もう怒りが頂点に達して収集がつかない。侍女はおろおろしながらも、ハナを背後から羽交い締めにし、その耳元で叫びをあげた。
「おやめください、ハナ様! ひとまず、ここを離れて傷を癒しましょう! 皆様も事情を知ってしまったからには、ご一緒に!」
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
あの子を好きな旦那様
はるきりょう
恋愛
「クレアが好きなんだ」
目の前の男がそう言うのをただ、黙って聞いていた。目の奥に、熱い何かがあるようで、真剣な想いであることはすぐにわかった。きっと、嬉しかったはずだ。その名前が、自分の名前だったら。そう思いながらローラ・グレイは小さく頷く。
※小説家になろうサイト様に掲載してあります。
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる