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乾杯

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 夕方になり、披露宴披露パーティはそろそろ終了。
 お仲人である青山様が、開宴の時と同様に乾杯してくださって、お開きになった。

 私も、ワイングラスを渡され、給仕の方がなみなみとジュースを注いでくれる。
 青山様の「おふたりの末長い幸せを祝して」という言葉で、招待客全員が「乾杯」と大声で祝ってくださった。

 私は緊張で、くたくただった。昨夜、あまり眠れなかったせいもあるが。
「文子さん、お疲れ様」
 利晴様が労ってくれる。それだけで元気が出てくる気がした。

 招待客の皆様が私たちの前に来て、順繰りに「おめでとう」や「お幸せに」と言ってくださる。
 全部のお客様をお見送りして、私たちもホテルの建物のほうへ移動した。

「本当にお疲れ様でした。明日もよろしく」
「あ、はい!」
 別れ際に利晴様に言われ、私は元気よく返事する。

 明日は合原家のお宅で、親戚ご一同との披露宴である。そちらが本番、と利晴様は言っていたが、今日の宴もとても大事なものだったはずだ。恙無くつつがなく終えることが出来て、ほっと肩の荷が降りた。

 ホテルの控室で普段着に着替えてから、家に帰ることになっている。私は給仕の方に連れられて控室に戻った。
 控室では、既に千代と婆やが待っていてくれた。

「お嬢様、利晴様から伺いました。合原家当主の奥様としての最初のお仕事、見事にお勤めされたそうで良うございました」
 婆やもほっとしたようである。

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