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第五章 エイセルの街
エリザベートの場合(5)
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「……友人が困っていたから、元を断とうと思ったのよ」
「友人?」
リースがオウム返しに尋ねた。
「そう。最近この街で犯罪が頻繁に起こって、警備兵が足りないっていうから、少し捕まえようと思ってね。手分けして回ってるのよ」
「……他にも貴族の仲間がいるってことかしら?それにその友人ってこの街の上層部よね?」
エリザベートの言葉にリースは矢継ぎ早に尋ねた。
「ええ、正確には私と同じ貴族の子弟が1人に、平民の子どもだけどね」
「子ども!?危険だとわかっているの?」
リースは目を剥いた。
「大丈夫よ。あの子は下手したら私より強いし、一人じゃないもの」
「……まさか貴族の友達?」
「違うわ。ただ、あいつよりも常識がないけどね」
「大丈夫なの?それ」
「防御特化だし、怪我はしないとは思うわよ」
「……なんだか頭痛がしてきたわ」
そう言ってリースは額を押さえた。
「それよりも私のことについては話したんだから、あなたについても教えてくれないのかしら?」
「私?」
「ええ。エルフは殆ど街の外には出ないと聞いたわ。でもなんであなたはここにいるの?」
リースはその質問に言葉を探すように視線を彷徨わせた。
「あなたはエルフってどんな種族だと思う?」
1分ほど経ってから、リースはエリザベートにそう尋ねた。
「えっ?えっと、プライドが高いイメージが強いわね」
急な質問に面食らいながらもそう返した。
リースはその答えに満足気に頷いた。
「その認識で間違いないわ。良く言えばプライドが高い。悪く言えば他種族を見下している。……やっていることは愚かな貴族の方がよっぽどマシよ。里は閉鎖的で弱い者いじめは黙認される。強い者同士の子どもの方が他よりも強い子どもが生まれると信じて疑わない。そのためには本人たちの感情なんて二の次。近親婚だって厭わない。里長なんて6人も奥さんがいるのよ?しかもその内の2人は自分の娘。皆それが普通だと思っているの。それが当たり前のことだと。年頃の娘は、強い男から順に優先権がある。あいつらは女なんて道具だとしか思っていないのよ。美しく強い女を何人妻にしたかが一種のステータスになっているのよ。信じられる?私はそんな里が嫌で嫌で仕方がなかったわ」
リースは淡々と語った。
「友人?」
リースがオウム返しに尋ねた。
「そう。最近この街で犯罪が頻繁に起こって、警備兵が足りないっていうから、少し捕まえようと思ってね。手分けして回ってるのよ」
「……他にも貴族の仲間がいるってことかしら?それにその友人ってこの街の上層部よね?」
エリザベートの言葉にリースは矢継ぎ早に尋ねた。
「ええ、正確には私と同じ貴族の子弟が1人に、平民の子どもだけどね」
「子ども!?危険だとわかっているの?」
リースは目を剥いた。
「大丈夫よ。あの子は下手したら私より強いし、一人じゃないもの」
「……まさか貴族の友達?」
「違うわ。ただ、あいつよりも常識がないけどね」
「大丈夫なの?それ」
「防御特化だし、怪我はしないとは思うわよ」
「……なんだか頭痛がしてきたわ」
そう言ってリースは額を押さえた。
「それよりも私のことについては話したんだから、あなたについても教えてくれないのかしら?」
「私?」
「ええ。エルフは殆ど街の外には出ないと聞いたわ。でもなんであなたはここにいるの?」
リースはその質問に言葉を探すように視線を彷徨わせた。
「あなたはエルフってどんな種族だと思う?」
1分ほど経ってから、リースはエリザベートにそう尋ねた。
「えっ?えっと、プライドが高いイメージが強いわね」
急な質問に面食らいながらもそう返した。
リースはその答えに満足気に頷いた。
「その認識で間違いないわ。良く言えばプライドが高い。悪く言えば他種族を見下している。……やっていることは愚かな貴族の方がよっぽどマシよ。里は閉鎖的で弱い者いじめは黙認される。強い者同士の子どもの方が他よりも強い子どもが生まれると信じて疑わない。そのためには本人たちの感情なんて二の次。近親婚だって厭わない。里長なんて6人も奥さんがいるのよ?しかもその内の2人は自分の娘。皆それが普通だと思っているの。それが当たり前のことだと。年頃の娘は、強い男から順に優先権がある。あいつらは女なんて道具だとしか思っていないのよ。美しく強い女を何人妻にしたかが一種のステータスになっているのよ。信じられる?私はそんな里が嫌で嫌で仕方がなかったわ」
リースは淡々と語った。
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