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第四章 護衛依頼
一日目(2) 門にて
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早朝ということもあり、すぐに手続きをすることができた。
「全員身分証を出せ」
門の兵士がぞんざいな物言いで命令した。エリザベートを筆頭に、王侯貴族組は眉をひそめた。
商人たちは商人ギルド証、マリアたちは冒険者ギルド証を出した。
「ふむ、問題ないな。通行料が1人銀貨1枚だ」
その言葉にアルフォードたちの顔が険しくなった。
「待て!」
言われるままにお金を払おうとした商人たちをアルフォードが止めた。
「何だ?」
兵士が不快気に言った。
「王都で通行料なんて必要がなかった筈だ」
他の街では取っているところもあるが、王都ではそのようなものは存在しない。現にマリアたちは普段東門を利用しているが、そのようなものは求められたことはなかった。
「いつからそのようなことが決まったんだ?」
「確かに王都では通行料は必要ないことになっている」
「なら!」
「だがそれは建前だ。少なくともこの南門では貴族の方々以外からはもらっている。わかったらさっさと金を出せ!痛い目を見ないうちにな」
王侯貴族にばれれば処罰されることはわかっているのだろう。
「サイテーね」
「ああ」
エリザベートが思わずと言ったような感じで呟いた。それにアーティスも頷いた。
「確かこういった時は処罰して良いって言われていたわよね?」
「うん」
「何をごちゃごちゃ言っている!さっさと出せ!」
エリザベートが周りに確認をしている間に兵士が切れた。
「あ、あの、ここは大人しく払って……」
アレキスが払うように言うが、4人にはその気が全くなかった。
「さっきの話は不正行為をしていると認めるということよね?」
エリザベートが無表情に問いかけた。
「あ、ああ」
兵士が何かに気圧されたように後ずさった。
「この門で一番偉い方を呼んで下さい」
エリザベートはさっきまでの無表情が嘘だったかのように満面の笑みを浮かべた。
「そ、そのようなことはできるか!士長はお忙しいのだ!」
「そう」
会わせられないと言われるとマリアたちも大人しく払った。
「フン、最初からそうしてれば良いのだ」
「後で痛い目を見ても知りませんよ。すいません時間を取らせてしまって」
「いえ、これぐらい構いませんよ」
門を出るとマリアは小鳥の召喚獣を呼び出した。
「これを学園長までお願いね」
小鳥は一声鳴くと、手紙を持って飛び立った。
「あの手紙は一体……」
アレキスは訊いたが、誰も答えてくれず、やがて記憶の海に埋没していった。
その日、南門の兵士長、及びその一部の部下たちは不正な金品の要求の疑いで逮捕された。
「全員身分証を出せ」
門の兵士がぞんざいな物言いで命令した。エリザベートを筆頭に、王侯貴族組は眉をひそめた。
商人たちは商人ギルド証、マリアたちは冒険者ギルド証を出した。
「ふむ、問題ないな。通行料が1人銀貨1枚だ」
その言葉にアルフォードたちの顔が険しくなった。
「待て!」
言われるままにお金を払おうとした商人たちをアルフォードが止めた。
「何だ?」
兵士が不快気に言った。
「王都で通行料なんて必要がなかった筈だ」
他の街では取っているところもあるが、王都ではそのようなものは存在しない。現にマリアたちは普段東門を利用しているが、そのようなものは求められたことはなかった。
「いつからそのようなことが決まったんだ?」
「確かに王都では通行料は必要ないことになっている」
「なら!」
「だがそれは建前だ。少なくともこの南門では貴族の方々以外からはもらっている。わかったらさっさと金を出せ!痛い目を見ないうちにな」
王侯貴族にばれれば処罰されることはわかっているのだろう。
「サイテーね」
「ああ」
エリザベートが思わずと言ったような感じで呟いた。それにアーティスも頷いた。
「確かこういった時は処罰して良いって言われていたわよね?」
「うん」
「何をごちゃごちゃ言っている!さっさと出せ!」
エリザベートが周りに確認をしている間に兵士が切れた。
「あ、あの、ここは大人しく払って……」
アレキスが払うように言うが、4人にはその気が全くなかった。
「さっきの話は不正行為をしていると認めるということよね?」
エリザベートが無表情に問いかけた。
「あ、ああ」
兵士が何かに気圧されたように後ずさった。
「この門で一番偉い方を呼んで下さい」
エリザベートはさっきまでの無表情が嘘だったかのように満面の笑みを浮かべた。
「そ、そのようなことはできるか!士長はお忙しいのだ!」
「そう」
会わせられないと言われるとマリアたちも大人しく払った。
「フン、最初からそうしてれば良いのだ」
「後で痛い目を見ても知りませんよ。すいません時間を取らせてしまって」
「いえ、これぐらい構いませんよ」
門を出るとマリアは小鳥の召喚獣を呼び出した。
「これを学園長までお願いね」
小鳥は一声鳴くと、手紙を持って飛び立った。
「あの手紙は一体……」
アレキスは訊いたが、誰も答えてくれず、やがて記憶の海に埋没していった。
その日、南門の兵士長、及びその一部の部下たちは不正な金品の要求の疑いで逮捕された。
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