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七四五
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何とも後味がよろしくない。
しかし、これはどうしようも無かったと思う。
人間を愛していないのなら、ましてや大量に殺戮しても『間引く』と言う認識なのであれば、それは人類にとってモンスターと変わらない。
神から見てどんな理由があるにせよ、今更滅ぼされて堪るか。
俺たちは抵抗するしかないのだ。
辺りに不審な反応が無いのを確認すると、俺たちはアジトへと帰還した。
だが、これほどの騒ぎがあったのだ。
近隣諸国も含めて、このまま何事も無かったように行くとは思えなかった。
帝国と王国。
少なくともここは何かしらの動きを見せる筈だ。
うちは人知を超えた力を持つとは言え、ただの秘密結社だ。
大丈夫なのだろうか。
漠然と不安だ。
翌日。
俺はオオムカデンダルに呼び出された。
「なんだ」
俺は広間に入ると、座っているオオムカデンダルに声を掛けた。
「来たか」
オオムカデンダルは俺を一瞥すると、読み掛けの何かをテーブルの脇へと置いた。
何を読んでいるんだ。
「別に。退屈だから街で噂のニュースペーパーなる物を読んでいたんだが……まあ、酷いもんだな」
オオムカデンダルが肩をすくめて鼻を鳴らす。
紙切れ一枚にびっしりと文章が書かれている。
一番目だつ所へ、絵も書き添えられてあった。
何だか良く判らないモンスターの絵だ。
なんだこりゃ。
「どうも市井では、昨日のアレがこう言う風に伝わっているらしい」
「これ、誰が書いているんだ?」
「さあな。官報じゃないようだから、どこかにこう言うゴシップ記事を飯のタネにしてるヤツが居るんだろ。どこの世界もそう変わらんな」
そうなのか。
俺もあんまり知らなかったな。
だが、それが俺と何か関係があるのか?
「いや、無いよ」
おい。
「お前さ、しばらく緑の谷へ行け」
俺はキョトンとした。
「緑の谷へ?なぜ」
「留守番だ」
なんだと。
今まで散々走り回らせて、突然閑職だと。
俺に左遷されるような事があったか?
考えてみたが、思い当たるような、当たらないような、ハッキリしない。
「……クビにでもしようってのか?」
俺はオオムカデンダルを困惑した目で見た。
「はっはっはっはっ。一応何らかの自覚は有るって訳か」
「そうじゃない。そうじゃないが……いったいどう言う事か、説明してくれんと納得できん」
俺は思わず否定するように口を開いた。
これではまるで図星のようで余計に決まりが悪い。
「別に左遷て訳じゃ無いが、ここに居てもする事が無い。それに……まあこれは、行けば判る」
行けば判るだと。
なぜそんな、持って回ったような言い方をするのか。
「息抜きを兼ねて屋敷を管理して来いと言っているのだ。ペンションのオーナー気分でも味わって来いよ」
また訳の判らん事を。
一つ一つ意味を尋ねていたらキリが無い。
俺は深くため息を吐いて頷いた。
「判ったよ。いつからいつまでだ?」
「今日から適当で」
だよな。
アンタが細かく指示する事なんて無かったのを思いだしたぜ。
「判った、じゃあ適当にやって来る。なんかあったら連絡してくれ」
「もちろんだ。お前はうちの大事な行動隊長だからな」
何言ってやがる。
ただの便利屋だろ。
俺は肩をすくめると、そのまま部屋を後にした。
しかし、これはどうしようも無かったと思う。
人間を愛していないのなら、ましてや大量に殺戮しても『間引く』と言う認識なのであれば、それは人類にとってモンスターと変わらない。
神から見てどんな理由があるにせよ、今更滅ぼされて堪るか。
俺たちは抵抗するしかないのだ。
辺りに不審な反応が無いのを確認すると、俺たちはアジトへと帰還した。
だが、これほどの騒ぎがあったのだ。
近隣諸国も含めて、このまま何事も無かったように行くとは思えなかった。
帝国と王国。
少なくともここは何かしらの動きを見せる筈だ。
うちは人知を超えた力を持つとは言え、ただの秘密結社だ。
大丈夫なのだろうか。
漠然と不安だ。
翌日。
俺はオオムカデンダルに呼び出された。
「なんだ」
俺は広間に入ると、座っているオオムカデンダルに声を掛けた。
「来たか」
オオムカデンダルは俺を一瞥すると、読み掛けの何かをテーブルの脇へと置いた。
何を読んでいるんだ。
「別に。退屈だから街で噂のニュースペーパーなる物を読んでいたんだが……まあ、酷いもんだな」
オオムカデンダルが肩をすくめて鼻を鳴らす。
紙切れ一枚にびっしりと文章が書かれている。
一番目だつ所へ、絵も書き添えられてあった。
何だか良く判らないモンスターの絵だ。
なんだこりゃ。
「どうも市井では、昨日のアレがこう言う風に伝わっているらしい」
「これ、誰が書いているんだ?」
「さあな。官報じゃないようだから、どこかにこう言うゴシップ記事を飯のタネにしてるヤツが居るんだろ。どこの世界もそう変わらんな」
そうなのか。
俺もあんまり知らなかったな。
だが、それが俺と何か関係があるのか?
「いや、無いよ」
おい。
「お前さ、しばらく緑の谷へ行け」
俺はキョトンとした。
「緑の谷へ?なぜ」
「留守番だ」
なんだと。
今まで散々走り回らせて、突然閑職だと。
俺に左遷されるような事があったか?
考えてみたが、思い当たるような、当たらないような、ハッキリしない。
「……クビにでもしようってのか?」
俺はオオムカデンダルを困惑した目で見た。
「はっはっはっはっ。一応何らかの自覚は有るって訳か」
「そうじゃない。そうじゃないが……いったいどう言う事か、説明してくれんと納得できん」
俺は思わず否定するように口を開いた。
これではまるで図星のようで余計に決まりが悪い。
「別に左遷て訳じゃ無いが、ここに居てもする事が無い。それに……まあこれは、行けば判る」
行けば判るだと。
なぜそんな、持って回ったような言い方をするのか。
「息抜きを兼ねて屋敷を管理して来いと言っているのだ。ペンションのオーナー気分でも味わって来いよ」
また訳の判らん事を。
一つ一つ意味を尋ねていたらキリが無い。
俺は深くため息を吐いて頷いた。
「判ったよ。いつからいつまでだ?」
「今日から適当で」
だよな。
アンタが細かく指示する事なんて無かったのを思いだしたぜ。
「判った、じゃあ適当にやって来る。なんかあったら連絡してくれ」
「もちろんだ。お前はうちの大事な行動隊長だからな」
何言ってやがる。
ただの便利屋だろ。
俺は肩をすくめると、そのまま部屋を後にした。
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