739 / 826
七三八
しおりを挟む
そんな事言われても集中なんか出来るか。
俺、死んでるの?
「ゴチャゴチャうるさい!火器管制!」
珍しくオオムカデンダルが怒鳴る。
ああ、だったらあんな事今言わなくても良いだろ。
俺はモヤモヤしたままスイッチを入れる。
「ガーディアンハンマー!」
インフィニティーの背中から巨大なハンマーが伸びた。
バトルハンマーにしては頭が小さいな。
「あんなの見掛けばっかりで使いにくいだろ。物を破壊するならこの比率で良いんだよ」
ガーディアンはハンマーを手にすると、そのまま横からフルスイングする。
ドンッ!
ヴアアアアアァァァォムッ!
ズズーンッ
プニーフタールは堪らず地面に突っ伏した。
「な?コンクリートハンマーをそのまま巨大化しただけなんだが。これが効くんだ」
オオムカデンダルはそう言うと嬉しそうに手を叩いて喜んだ。
コンクリートが何なのかはともかく、確かに威力抜群だ。
もっとも、インフィニティーが振るえば何でも破壊力抜群だろうが。
「バカヤロー。普通に鉄で造ったら曲がっちまうだろ。わざわざ特殊合金と特別な構造で壊れないように造ってあるってのに……これだから無知なヤツは」
オオムカデンダルがため息を吐いた。
悪かったな無知で。
そりゃアンタらから見れば、この世界の大部分が無知なんだろうよ。
ヴオオオオオオォォォンッ!
プニーフタールがすぐに立ち上がった。
まったくへこたれてないな。
本当に効いているのか。
「さあね」
さあねって、あんなに偉そうに言っておきながら判らないって言うのか。
無責任な。
「俺の責任問題なんかどうでも良いだろ。悪いのはアッチ。俺たちは守ろうとしてる側だ。責められる筋合いなんか無いね」
そりゃあ確かにそうだが。
「オオムカデンダル、こっちは退避できた。ただウロコフネタマイトはまだヴァルキリーとやり合ってる」
オニヤンマイザーの声が割り込んできた。
「令子だけなら問題ないだろ。死にゃあしない」
「待て、ヴァルキリーも居る」
「女神様なんだから自分で何とかするだろうよ。行くぞ」
オニヤンマイザーが慌てた風な声を出したが、オオムカデンダルは無視してインフィニティーを動かす。
何だか怪しい雲行きだが、大丈夫か。
こう言う時は、だいたいとんでもない事を企んでいる時だ。
「管理人、フェンスを頼む」
「了解しました」
オオムカデンダルが管理人に何やら頼むと、それは急に始まった。
きいいいぃぃんっ
かかかかかかかかかかかかかかっ!
突然空から光が降り注ぐ。
目の前に一筋の光。
それが途中で幾条かに別れて、縦横と縦横無尽に駆け回る。
なんだこれは。
まるで格子状に光が走り回り、あっと言う間に光の檻が出来た。
「これは……エクスキューション・ジェイル!」
「前に帝国の魔導士たちが集団魔法とやらで俺を閉じ込めたアレだ」
オオムカデンダルが魔法を!?
「いいや、これはアレを真似て作ったネオジョルト特製のフェンスだ。もちろん効果はアレより強力だぜ。空気さえ遮断するからな」
空気も遮断する?
何の為に。
「爆風が漏れないようにだよ。決まってるだろ」
オオムカデンダルが面倒くさそうに言う。
「説明するのが面倒だから黙って見てろ。見りゃあ判る」
判るだろうか。
判らんと思うが。
「オオムカデンダル様、完成しました。二〇秒以内でお願いします」
「判った。任せておけ、俺に失敗は無い」
管理人の声にオオムカデンダルは余裕たっぷりに答えた。
俺、死んでるの?
「ゴチャゴチャうるさい!火器管制!」
珍しくオオムカデンダルが怒鳴る。
ああ、だったらあんな事今言わなくても良いだろ。
俺はモヤモヤしたままスイッチを入れる。
「ガーディアンハンマー!」
インフィニティーの背中から巨大なハンマーが伸びた。
バトルハンマーにしては頭が小さいな。
「あんなの見掛けばっかりで使いにくいだろ。物を破壊するならこの比率で良いんだよ」
ガーディアンはハンマーを手にすると、そのまま横からフルスイングする。
ドンッ!
ヴアアアアアァァァォムッ!
ズズーンッ
プニーフタールは堪らず地面に突っ伏した。
「な?コンクリートハンマーをそのまま巨大化しただけなんだが。これが効くんだ」
オオムカデンダルはそう言うと嬉しそうに手を叩いて喜んだ。
コンクリートが何なのかはともかく、確かに威力抜群だ。
もっとも、インフィニティーが振るえば何でも破壊力抜群だろうが。
「バカヤロー。普通に鉄で造ったら曲がっちまうだろ。わざわざ特殊合金と特別な構造で壊れないように造ってあるってのに……これだから無知なヤツは」
オオムカデンダルがため息を吐いた。
悪かったな無知で。
そりゃアンタらから見れば、この世界の大部分が無知なんだろうよ。
ヴオオオオオオォォォンッ!
プニーフタールがすぐに立ち上がった。
まったくへこたれてないな。
本当に効いているのか。
「さあね」
さあねって、あんなに偉そうに言っておきながら判らないって言うのか。
無責任な。
「俺の責任問題なんかどうでも良いだろ。悪いのはアッチ。俺たちは守ろうとしてる側だ。責められる筋合いなんか無いね」
そりゃあ確かにそうだが。
「オオムカデンダル、こっちは退避できた。ただウロコフネタマイトはまだヴァルキリーとやり合ってる」
オニヤンマイザーの声が割り込んできた。
「令子だけなら問題ないだろ。死にゃあしない」
「待て、ヴァルキリーも居る」
「女神様なんだから自分で何とかするだろうよ。行くぞ」
オニヤンマイザーが慌てた風な声を出したが、オオムカデンダルは無視してインフィニティーを動かす。
何だか怪しい雲行きだが、大丈夫か。
こう言う時は、だいたいとんでもない事を企んでいる時だ。
「管理人、フェンスを頼む」
「了解しました」
オオムカデンダルが管理人に何やら頼むと、それは急に始まった。
きいいいぃぃんっ
かかかかかかかかかかかかかかっ!
突然空から光が降り注ぐ。
目の前に一筋の光。
それが途中で幾条かに別れて、縦横と縦横無尽に駆け回る。
なんだこれは。
まるで格子状に光が走り回り、あっと言う間に光の檻が出来た。
「これは……エクスキューション・ジェイル!」
「前に帝国の魔導士たちが集団魔法とやらで俺を閉じ込めたアレだ」
オオムカデンダルが魔法を!?
「いいや、これはアレを真似て作ったネオジョルト特製のフェンスだ。もちろん効果はアレより強力だぜ。空気さえ遮断するからな」
空気も遮断する?
何の為に。
「爆風が漏れないようにだよ。決まってるだろ」
オオムカデンダルが面倒くさそうに言う。
「説明するのが面倒だから黙って見てろ。見りゃあ判る」
判るだろうか。
判らんと思うが。
「オオムカデンダル様、完成しました。二〇秒以内でお願いします」
「判った。任せておけ、俺に失敗は無い」
管理人の声にオオムカデンダルは余裕たっぷりに答えた。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
穢れた救世主は復讐する
大沢 雅紀
ファンタジー
吾平正志はクラスメイトたちから虐められ、家族からも無視されていた。追い詰められた彼は自殺を計るが、死の寸前に現れた大魔王サタンと契約を結び、新人類となる。復活した正志は仲間を増やし、家族、学校、そして社会全体を破壊していく。すべては人類の救済のために
余命宣告を受けた僕が、異世界の記憶を持つ人達に救われるまで。
桐山じゃろ
ファンタジー
剣と魔法の世界にて。余命宣告を受けたリインは、幼馴染に突き放され、仲間には裏切られて自暴自棄になりかけていたが、心優しい老婆と不思議な男に出会い、自らの余命と向き合う。リインの幼馴染はリインの病を治すために、己の全てを駆使して異世界の記憶を持つものたちを集めていた。
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
組長様のお嫁さん
ヨモギ丸
BL
いい所出身の外に憧れを抱くオメガのお坊ちゃん 雨宮 優 は家出をする。
持ち物に強めの薬を持っていたのだが、うっかりバックごと全ロスしてしまった。
公園のベンチで死にかけていた優を助けたのはたまたまお散歩していた世界規模の組を締め上げる組長 一ノ瀬 拓真
猫を飼う感覚で優を飼うことにした拓真だったが、だんだんその感情が恋愛感情に変化していく。
『へ?拓真さん俺でいいの?』
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
【完結】契約結婚は閃きの宝庫
つくも茄子
恋愛
アリックス・リードは二十三歳になる子爵令嬢。若い頃、婚約に失敗して行き遅れになった彼女は、王妃付きの女官をしていた。結婚願望ゼロの彼女にとある人物との結婚話が舞い込む。そのお相手とは、社交界きっての貴公子であるオエル・ブリトニー伯爵。両親を早くに亡くし、爵位を若くして継いだ彼は、超有望物件。ただし遊び人として有名だった。だからと言う訳ではないが伯爵は未だに独身。結婚する気配すらなかった。それもそのはず、伯爵本人が結婚する気が全くないのだから。
そんな伯爵との結婚に疑問を感じるアリックス。実はこの結婚は彼女の兄が持ってきたもの。実は、兄と伯爵は学友。色々な思惑アリの結婚話。一見、アリックスには全くメリットのない結婚と思われた。だが、彼女はこの結婚を承諾する。契約結婚として・・・。
何故、彼女は契約結婚を承諾したのか?
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる