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五四二
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どさっ
顔面から地面に倒れ混む。
だがそんな事はどうでも良い。
体が、何だかおかしい。
不調と言えば不調だが、何だか変な感じがする。
「……はあ!?違う、俺じゃねえ!レオだ!レオ!そうだ!」
オオムカデンダルがさっきから叫んでいるな。
くそ、ミーアを助けないと。
頭が回らない、何だって言うんだ。
俺はもがきながらミーアの下へと這った。
「……お前のかけたプロテクトだろう!嘘じゃねえよ!本当だ!外れかかってるぞ!」
オオムカデンダルは男もミーアもそっちのけでわめき散らしていた。
男も何事か判らずに、驚いた顔でオオムカデンダルを見ていた。
今だ。
今しかない。
ミーアを救い出す千載一遇のチャンスだ。
俺は死ぬ気で手足を動かした。
シューッ!
突然体から白い蒸気が噴き出した。
物凄い量と勢いだ。
「熱っつ!あちぃーっ!」
蒸気を浴びて、カルタスが慌てて離れた。
くそ、どうした、壊れたのか。
俺は自分の体が限界を越えて、遂に壊れ始めたのだと悟った。
だったらせめて、最後にミーアだけは。
「くそ……駄目だ。あれはもう外れるぞ……外れたらどうなるんだ?」
オオムカデンダルが何かを諦めたように言った。
「……まったく。この忙しい場面で問題を起こすかね、この問題児は」
呆れたように言うと、オオムカデンダルは下へと飛び降りて来た。
「おい、レオ。聞こえるか」
聞こえているが、体の自由はほぼ利かない。
返事したいのもやまやまだが、それさえも余裕がない。
「ミ……ミー……ア」
俺の口からそれだけがこぼれた。
「おい、動くなよ。ちょっと待っていろ」
オオムカデンダルは俺の肩を掴まえてそう言った。
だが待つ事など出来ない。
もうそこに、手の届きそうな所に妹が居るのだ。
このチャンスを逃したら、もう駄目かも知れない。
俺はオオムカデンダルを押し退けて前へと進んだ。
「お、おい!くそ……実力行使しかないか」
オオムカデンダルはそう言って、後ろから俺の両肩を捕まえる。
がっしっ!
強い力で俺をねじ伏せようとする。
相変わらずの馬鹿力だ。
「おとなしくしろっての」
「ミー……ア……!アアッ!」
離せ、頼む離してくれ。
俺は必死にオオムカデンダルを振りほどく。
「……何だか判らんが、そっちは緊急事態のようだな。それでは、我々はここらで失礼しよう」
男はそう言うと、余裕を見せてミーアへ近付いた。
この野郎ッ!
妹に触るんじゃねええっ!
「うおあっ!?」
オオムカデンダルが驚きの声を上げる。
俺はオオムカデンダルをぶら下げたまま、やおら立ち上がった。
「なんだと!?」
オオムカデンダルが声を漏らす。
「ウオアアアアアッ!」
ブシューッ!
俺は全身から蒸気と火花を振り撒きながら、猛然と走り出した。
「くそ、馬鹿かお前はあああ!」
オオムカデンダルが全力でブレーキを掛ける。
くそ、あくまでも俺の邪魔をする気か。
離せ!
「うおっ!?」
オオムカデンダルが声を上げてひっくり返る。
俺はオオムカデンダルを投げ飛ばしていた。
顔面から地面に倒れ混む。
だがそんな事はどうでも良い。
体が、何だかおかしい。
不調と言えば不調だが、何だか変な感じがする。
「……はあ!?違う、俺じゃねえ!レオだ!レオ!そうだ!」
オオムカデンダルがさっきから叫んでいるな。
くそ、ミーアを助けないと。
頭が回らない、何だって言うんだ。
俺はもがきながらミーアの下へと這った。
「……お前のかけたプロテクトだろう!嘘じゃねえよ!本当だ!外れかかってるぞ!」
オオムカデンダルは男もミーアもそっちのけでわめき散らしていた。
男も何事か判らずに、驚いた顔でオオムカデンダルを見ていた。
今だ。
今しかない。
ミーアを救い出す千載一遇のチャンスだ。
俺は死ぬ気で手足を動かした。
シューッ!
突然体から白い蒸気が噴き出した。
物凄い量と勢いだ。
「熱っつ!あちぃーっ!」
蒸気を浴びて、カルタスが慌てて離れた。
くそ、どうした、壊れたのか。
俺は自分の体が限界を越えて、遂に壊れ始めたのだと悟った。
だったらせめて、最後にミーアだけは。
「くそ……駄目だ。あれはもう外れるぞ……外れたらどうなるんだ?」
オオムカデンダルが何かを諦めたように言った。
「……まったく。この忙しい場面で問題を起こすかね、この問題児は」
呆れたように言うと、オオムカデンダルは下へと飛び降りて来た。
「おい、レオ。聞こえるか」
聞こえているが、体の自由はほぼ利かない。
返事したいのもやまやまだが、それさえも余裕がない。
「ミ……ミー……ア」
俺の口からそれだけがこぼれた。
「おい、動くなよ。ちょっと待っていろ」
オオムカデンダルは俺の肩を掴まえてそう言った。
だが待つ事など出来ない。
もうそこに、手の届きそうな所に妹が居るのだ。
このチャンスを逃したら、もう駄目かも知れない。
俺はオオムカデンダルを押し退けて前へと進んだ。
「お、おい!くそ……実力行使しかないか」
オオムカデンダルはそう言って、後ろから俺の両肩を捕まえる。
がっしっ!
強い力で俺をねじ伏せようとする。
相変わらずの馬鹿力だ。
「おとなしくしろっての」
「ミー……ア……!アアッ!」
離せ、頼む離してくれ。
俺は必死にオオムカデンダルを振りほどく。
「……何だか判らんが、そっちは緊急事態のようだな。それでは、我々はここらで失礼しよう」
男はそう言うと、余裕を見せてミーアへ近付いた。
この野郎ッ!
妹に触るんじゃねええっ!
「うおあっ!?」
オオムカデンダルが驚きの声を上げる。
俺はオオムカデンダルをぶら下げたまま、やおら立ち上がった。
「なんだと!?」
オオムカデンダルが声を漏らす。
「ウオアアアアアッ!」
ブシューッ!
俺は全身から蒸気と火花を振り撒きながら、猛然と走り出した。
「くそ、馬鹿かお前はあああ!」
オオムカデンダルが全力でブレーキを掛ける。
くそ、あくまでも俺の邪魔をする気か。
離せ!
「うおっ!?」
オオムカデンダルが声を上げてひっくり返る。
俺はオオムカデンダルを投げ飛ばしていた。
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