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五三七
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「レオ!無事か!」
カルタスの声が聞こえる。
近いな。
俺はモニター越しに辺りを見渡した。
居た。
オレコとトラゴスも一緒か。
こんなややこしい現場に来なくても良いのに。
俺はため息を吐いた。
「これ……例の」
オレコがセンチピーダーを見上げて呟く。
以前話して聞かせたセンチピーダーだが、見るのは初めてか。
「おい、レオ!」
カルタスが叫ぶ。
悪いな、返事したくても声も出ない。
辛うじて気を失わないだけ俺も成長したって訳だ。
トラゴスがオオムカデンダルに気が付いた。
カルタスにそれを伝えている。
「オオムカデンダル様……!」
オレコが思わず名前を呼んだ。
「ああ、お前たちか。レオならそのセンチピーダーの中だ。センチピーダー、開けてやれ」
オオムカデンダルがそう言うとセンチピーダーの入り口が開いた。
人の言葉も解するのか。
月明かりが射し込む。
モニター越しでは無い、生でオオムカデンダルと女が見えた。
「お、おい、大丈夫か?」
カルタスがよじ登って来て、俺を心配した。
お前は簡単に登って来るな。
さすがは肉体派。
いや、筋肉派か。
「だいぶ消耗しているな……話せないのか」
俺は頷こうとしたが、それさえ無駄だった。
「まあ、いい。ここに居れば安全なんだろう?オオムカデンダルは俺たちに任せろ」
カルタスはそう言うと笑顔を見せて、センチピーダーを降りて言った。
顔に似合わず優しいヤツだな。
「オオムカデンダル様!アタシたちも加勢します!」
オレコが言った。
「いや、必要ない。レオを見てやれ。こっちはたまの運動だ。時々動いておかないと錆びるからな」
オオムカデンダルが笑って言う。
嘘つきやがって、アンタが錆びる訳ないだろ。
予知だと知ってまだやる気だ。
オオムカデンダルがそれを知っても動揺しなかった事に、俺はオオムカデンダルの勝利を確信していた。
あの女は死ぬな。
いや、プニーフタールの情報を聞き出す為に捕らえるのか。
ひょっとしたら蜻蛉洲がまたサンプルだと騒ぐのかもしれない。
予知能力など、神の能力に等しいのだから。
女がオオムカデンダルを向いたまま後ろに下がった。
「……ふふ。判るのか」
オオムカデンダルが笑った。
ボコオッ!
突然ニーズヘッグの体を突き破って、オオムカデンダルの触手『ムカデンダルヒューイット』が下から現れた。
後ろ手に隠した右腕から腕部装甲が伸びて、ムカデンダルヒューイットになる。
まるで巨大ムカデのような見た目だ。
それを女は事前に察知して避けたと言うのか。
「……無駄だ」
「……そうかな?」
オオムカデンダルがそう答えた瞬間、女の動きが止まった。
「……!」
「さあ、どうする?」
突然女は踵を返して脱兎の如く走り始めた。
まさか、逃げるのか。
カルタスの声が聞こえる。
近いな。
俺はモニター越しに辺りを見渡した。
居た。
オレコとトラゴスも一緒か。
こんなややこしい現場に来なくても良いのに。
俺はため息を吐いた。
「これ……例の」
オレコがセンチピーダーを見上げて呟く。
以前話して聞かせたセンチピーダーだが、見るのは初めてか。
「おい、レオ!」
カルタスが叫ぶ。
悪いな、返事したくても声も出ない。
辛うじて気を失わないだけ俺も成長したって訳だ。
トラゴスがオオムカデンダルに気が付いた。
カルタスにそれを伝えている。
「オオムカデンダル様……!」
オレコが思わず名前を呼んだ。
「ああ、お前たちか。レオならそのセンチピーダーの中だ。センチピーダー、開けてやれ」
オオムカデンダルがそう言うとセンチピーダーの入り口が開いた。
人の言葉も解するのか。
月明かりが射し込む。
モニター越しでは無い、生でオオムカデンダルと女が見えた。
「お、おい、大丈夫か?」
カルタスがよじ登って来て、俺を心配した。
お前は簡単に登って来るな。
さすがは肉体派。
いや、筋肉派か。
「だいぶ消耗しているな……話せないのか」
俺は頷こうとしたが、それさえ無駄だった。
「まあ、いい。ここに居れば安全なんだろう?オオムカデンダルは俺たちに任せろ」
カルタスはそう言うと笑顔を見せて、センチピーダーを降りて言った。
顔に似合わず優しいヤツだな。
「オオムカデンダル様!アタシたちも加勢します!」
オレコが言った。
「いや、必要ない。レオを見てやれ。こっちはたまの運動だ。時々動いておかないと錆びるからな」
オオムカデンダルが笑って言う。
嘘つきやがって、アンタが錆びる訳ないだろ。
予知だと知ってまだやる気だ。
オオムカデンダルがそれを知っても動揺しなかった事に、俺はオオムカデンダルの勝利を確信していた。
あの女は死ぬな。
いや、プニーフタールの情報を聞き出す為に捕らえるのか。
ひょっとしたら蜻蛉洲がまたサンプルだと騒ぐのかもしれない。
予知能力など、神の能力に等しいのだから。
女がオオムカデンダルを向いたまま後ろに下がった。
「……ふふ。判るのか」
オオムカデンダルが笑った。
ボコオッ!
突然ニーズヘッグの体を突き破って、オオムカデンダルの触手『ムカデンダルヒューイット』が下から現れた。
後ろ手に隠した右腕から腕部装甲が伸びて、ムカデンダルヒューイットになる。
まるで巨大ムカデのような見た目だ。
それを女は事前に察知して避けたと言うのか。
「……無駄だ」
「……そうかな?」
オオムカデンダルがそう答えた瞬間、女の動きが止まった。
「……!」
「さあ、どうする?」
突然女は踵を返して脱兎の如く走り始めた。
まさか、逃げるのか。
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