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五〇〇
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「撃ち方止め!」
俺は二人に攻撃を止めるように言った。
俺も敵にあえて背を向けると、民家の間へと走って身を隠す。
退却していた敵が、俺が逃げたのを見て立ち止まる。
「逃げた?」
「逃げたぞ!」
「追え!追うんだ!」
打って変わって兵士たちは、また反転すると城門から走り出してきた。
「出てきたわよ」
「まだだ。もっと十分にひきつけろ」
俺は民家の路地を曲がり、裏道を反対側へと走った。
走りながら、家と家の間から見える敵の位置を確認した。
隊列が伸びている。
しかも整然としていた最初と比べて、明らかに散らかっていた。
恐怖と怒りが彼らを駆り立てているのだ。
「よし!今だ!」
俺は二人に攻撃再開を指示した。
それと同時に路地を曲がって、俺も再び大通りへと飛び出す。
「居たぞ!向こうだ!」
誰かが叫んだ。
それと同時に兵士たちは急ブレーキで踏みとどまる。
それから方向を変えて、俺目掛けて走り寄ってきた。
ひょおっ!ひょおっ!ひょおっ!
ドォンッ!ドォンッ!
オレコの矢とカルタスの砲撃が、再び敵の隊列を分断する。
「うおああ!」
「わあああっ!」
砲撃を受けて数人の敵が吹き飛んだ。
それを避けて四方に逃げ出す兵士たちを、まるで蟻を一匹ずつ潰すように、オレコが的確に仕留めていく。
俺は取り残された隊の先頭集団を、まとめてぶっ飛ばす。
そろそろ俺の動きに目が慣れてきたヤツが現れ始めた。
ジグザグに動き回っても、食らいついてくる。
さすがは厳しい訓練を積んだ帝国の正規兵だ。
「とお!」
俺はジャンプすると空中で宙返りして、上から襲い掛かる。
動きに慣れさせない。
慣れてきた所で違うパターンを織り混ぜる。
思惑通り、敵は再び混乱に陥った。
敵の数が再び減り始めた。
俺はわざと動きを鈍らせて、攻撃をかすらせた。
食らっても大したことの無い攻撃は、あえて受けたりもした。
「さすがにこの人数では体力が持つまい!疲れてきているぞ!押せ!押すんだ!」
隊長が声をあげて指揮をする。
おおっ!と声をあげて兵士たちが押し寄せた。
ここまで、十分に敵のヘイトを一身に受けている。
少し下がりながら防戦すると、敵は嵩にかかって押し寄せた。
「もう一発いくぞ?」
カルタスの声がした。
「ああ、やってくれ」
ドォンッ!ドォンッ!
俺が返事をするとほぼ同時に、砲撃音が轟いた。
「うおああっ!」
密集して固まっていた兵士たちが、砲撃をモロに食らって吹き飛んだ。
逃げ出す兵士は確実にオレコが矢で仕留める。
もう、既に千人は倒している。
場所を気にせず暴れられれば、このくらいなら何と言う事は無かった。
オレコとカルタスの援護が、更に結果に拍車を掛けている。
俺は二人に攻撃を止めるように言った。
俺も敵にあえて背を向けると、民家の間へと走って身を隠す。
退却していた敵が、俺が逃げたのを見て立ち止まる。
「逃げた?」
「逃げたぞ!」
「追え!追うんだ!」
打って変わって兵士たちは、また反転すると城門から走り出してきた。
「出てきたわよ」
「まだだ。もっと十分にひきつけろ」
俺は民家の路地を曲がり、裏道を反対側へと走った。
走りながら、家と家の間から見える敵の位置を確認した。
隊列が伸びている。
しかも整然としていた最初と比べて、明らかに散らかっていた。
恐怖と怒りが彼らを駆り立てているのだ。
「よし!今だ!」
俺は二人に攻撃再開を指示した。
それと同時に路地を曲がって、俺も再び大通りへと飛び出す。
「居たぞ!向こうだ!」
誰かが叫んだ。
それと同時に兵士たちは急ブレーキで踏みとどまる。
それから方向を変えて、俺目掛けて走り寄ってきた。
ひょおっ!ひょおっ!ひょおっ!
ドォンッ!ドォンッ!
オレコの矢とカルタスの砲撃が、再び敵の隊列を分断する。
「うおああ!」
「わあああっ!」
砲撃を受けて数人の敵が吹き飛んだ。
それを避けて四方に逃げ出す兵士たちを、まるで蟻を一匹ずつ潰すように、オレコが的確に仕留めていく。
俺は取り残された隊の先頭集団を、まとめてぶっ飛ばす。
そろそろ俺の動きに目が慣れてきたヤツが現れ始めた。
ジグザグに動き回っても、食らいついてくる。
さすがは厳しい訓練を積んだ帝国の正規兵だ。
「とお!」
俺はジャンプすると空中で宙返りして、上から襲い掛かる。
動きに慣れさせない。
慣れてきた所で違うパターンを織り混ぜる。
思惑通り、敵は再び混乱に陥った。
敵の数が再び減り始めた。
俺はわざと動きを鈍らせて、攻撃をかすらせた。
食らっても大したことの無い攻撃は、あえて受けたりもした。
「さすがにこの人数では体力が持つまい!疲れてきているぞ!押せ!押すんだ!」
隊長が声をあげて指揮をする。
おおっ!と声をあげて兵士たちが押し寄せた。
ここまで、十分に敵のヘイトを一身に受けている。
少し下がりながら防戦すると、敵は嵩にかかって押し寄せた。
「もう一発いくぞ?」
カルタスの声がした。
「ああ、やってくれ」
ドォンッ!ドォンッ!
俺が返事をするとほぼ同時に、砲撃音が轟いた。
「うおああっ!」
密集して固まっていた兵士たちが、砲撃をモロに食らって吹き飛んだ。
逃げ出す兵士は確実にオレコが矢で仕留める。
もう、既に千人は倒している。
場所を気にせず暴れられれば、このくらいなら何と言う事は無かった。
オレコとカルタスの援護が、更に結果に拍車を掛けている。
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