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四一八
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「さあの。そこまでは判らんが、誰でも欲しがるのは無理も無いことよ。売って巨万の富、使って一生安泰、どのように使っても恩恵しか無いわい」
なるほどな。
マイヤードはもうある程度財を成してはいるが、もっと欲しがっても別に不思議はない。
退魔の力はどうだろうか。
ひょっとして俺をモンスターと思ってたりするのだろうか。
「蜻蛉洲!蜻蛉洲来いよ!早く!走れえー!」
突然黒猫が叫んだ。
絶叫と言ってもいい。
これはオオムカデンダルの声だ。
サルバスの横で叫んでいるようだが、声のあまりのボリュームに黒猫が絶叫しているように聞こえる。
「今度はなんだ?」
カルタスがおっかなびっくりで黒猫を見る。
「おお!蜻蛉洲、早く!早くこっちだ!これ!これを見ろ!」
あのオオムカデンダルがここまで取り乱すのは記憶に無い。
いったい何だと言うのか。
黒猫はさっきから宝箱の中の一点を、ずうっと見つめていた。
「これだ」
黒猫が箱の中のガラクタを、前足でチョイチョイと触ってみる。
それはさっき、何だか判らない不思議な鉱石だとキロの姉が言ったあの欠片らしきものだ。
「なんでえ、ただの鉱石の欠片じゃねえか」
カルタスが鼻で笑う。
いや、だがオオムカデンダルがこれだけ騒ぐのだ。
何かあるに違いない。
「……これは!」
蜻蛉洲の声が聞こえてくる。
「な?そうだろ?そうだよな?」
「ううむ。しかし何故ここに……」
「そんな事は後から考えろよ!おい!小僧!」
オオムカデンダルが小僧を呼んだ。
誰だよ小僧は。
黒猫を見ると、キロの姉を見ている。
なるほど、小僧か。
「な、なんだよ。金なら返さねえぞ!」
キロの姉が羊皮袋を抱き抱える。
「違う、もっと払おう。その欠片を譲ってくれ」
は?
なんだと?
今度はこんなガラクタに金を払うと言うのか。
俺は目眩がしてきた。
「……これか?」
キロの姉が金属の欠片を取り上げた。
「そうだ、それだ」
「これが高価な物なのか……?」
キロの姉が不思議そうに手にした欠片を光にかざす。
「……で、いくら払う?」
なんだと?
「あと五十枚払おう」
「!?」
キロの姉でなくても驚いた。
俺も驚いた。
いくらなんでも、もう滅茶苦茶だ。
「アンタ、ずいぶん羽振りが良いな。何者だよ」
キロの姉がオオムカデンダルを値踏みする。
「そのうち世界を支配する組織の幹部だよ」
オオムカデンダルはそう言ったが、これが本気だといったい何名の者に伝わるか。
キロの姉は、案の定鼻で笑らった。
「また大きく出たな。だったら高く買ってもらおうか。金貨二百枚だ!」
なんだと!
コイツ、足下見やがったな。
「おい、調子に乗るな」
俺はキロの姉をたしなめた。
なるほどな。
マイヤードはもうある程度財を成してはいるが、もっと欲しがっても別に不思議はない。
退魔の力はどうだろうか。
ひょっとして俺をモンスターと思ってたりするのだろうか。
「蜻蛉洲!蜻蛉洲来いよ!早く!走れえー!」
突然黒猫が叫んだ。
絶叫と言ってもいい。
これはオオムカデンダルの声だ。
サルバスの横で叫んでいるようだが、声のあまりのボリュームに黒猫が絶叫しているように聞こえる。
「今度はなんだ?」
カルタスがおっかなびっくりで黒猫を見る。
「おお!蜻蛉洲、早く!早くこっちだ!これ!これを見ろ!」
あのオオムカデンダルがここまで取り乱すのは記憶に無い。
いったい何だと言うのか。
黒猫はさっきから宝箱の中の一点を、ずうっと見つめていた。
「これだ」
黒猫が箱の中のガラクタを、前足でチョイチョイと触ってみる。
それはさっき、何だか判らない不思議な鉱石だとキロの姉が言ったあの欠片らしきものだ。
「なんでえ、ただの鉱石の欠片じゃねえか」
カルタスが鼻で笑う。
いや、だがオオムカデンダルがこれだけ騒ぐのだ。
何かあるに違いない。
「……これは!」
蜻蛉洲の声が聞こえてくる。
「な?そうだろ?そうだよな?」
「ううむ。しかし何故ここに……」
「そんな事は後から考えろよ!おい!小僧!」
オオムカデンダルが小僧を呼んだ。
誰だよ小僧は。
黒猫を見ると、キロの姉を見ている。
なるほど、小僧か。
「な、なんだよ。金なら返さねえぞ!」
キロの姉が羊皮袋を抱き抱える。
「違う、もっと払おう。その欠片を譲ってくれ」
は?
なんだと?
今度はこんなガラクタに金を払うと言うのか。
俺は目眩がしてきた。
「……これか?」
キロの姉が金属の欠片を取り上げた。
「そうだ、それだ」
「これが高価な物なのか……?」
キロの姉が不思議そうに手にした欠片を光にかざす。
「……で、いくら払う?」
なんだと?
「あと五十枚払おう」
「!?」
キロの姉でなくても驚いた。
俺も驚いた。
いくらなんでも、もう滅茶苦茶だ。
「アンタ、ずいぶん羽振りが良いな。何者だよ」
キロの姉がオオムカデンダルを値踏みする。
「そのうち世界を支配する組織の幹部だよ」
オオムカデンダルはそう言ったが、これが本気だといったい何名の者に伝わるか。
キロの姉は、案の定鼻で笑らった。
「また大きく出たな。だったら高く買ってもらおうか。金貨二百枚だ!」
なんだと!
コイツ、足下見やがったな。
「おい、調子に乗るな」
俺はキロの姉をたしなめた。
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