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三七〇
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人気の店ねぇ。
確かに人で賑わっている。
店内に入りきらずに、外にも椅子とテーブルを並べて大盛況だ。
この辺りだと、まだ大通りに近いせいか一般客も多く混じっている。
比較的健全な場所のようだった。
周囲を示す光点を見ると、よりハッキリと取り囲むように俺たちの周りに展開している。
結構な人数だ。
三十名は下らない。
まさか街中で大立ち回りをするつもりは無いと思うが、一応用心はしておくべきか。
外は狙われやすいが暴れやすい。
中は狙われにくいが被害も大きい。
俺はあえて外の席を選んだ。
一般客はなるべく巻き込みたくない。
俺は道路沿いの空いてるテーブルに着いた。
キロと弟たちもそれぞれ席に着く。
「さっきは食い損ねたからな。仕切り直しだ。好きなのを頼めよ」
「はーい!」
弟たちは手をあげて返事した。
俺は給仕を呼び止めて料理を注文した。
人気のある料理から順番に持って来るように伝える。
「あの……お代は大丈夫なんですか?」
キロが不安そうに言った。
「心配ない。お前らの飯代くらいで破産はしない」
そう言うと、キロは笑顔になった。
「こんなに立派なご馳走を食べるのはアタシも初めてなんです!」
「そうか」
俺はそう答えつつ、自分たちの生い立ちを思い出した。
うちも親父は早くに亡くなっている。
母親が女手一つで俺と妹のミーアを育ててくれたのだ。
その母親も俺が十五の時に病で亡くなった。
それからは俺が働いてミーアを養った。
そして、より稼ぎの良い冒険者へと転職したのだ。
幸い俺には冒険者としての素質があったらしい。
剣を学ぶのも性に合っていた。
若くして村の最年少ミラーナイト級冒険者になった俺は、名前も売れ始めて注目度ナンバーワンの若手冒険者になりつつあったのだ。
まあ、その後はご覧の有り様な訳だが。
弟たちを必死で養うキロは、男の俺よりも数倍苦労している。
それが食い物にされるのは、さすがに見逃す事が出来なかった。
敵とおぼしき光点は、一層その輪を小さくしている。
俺は立ち上がると席から離れた。
「レオさま?」
「少し待ってろ」
声を掛けるキロにそう言い残して、俺は広い道の真ん中に立った。
ここからはキロのテーブルが良く見える。
光点たちは一斉に動きを止めた。
ピタリと止まって一歩も動いていない。
やはり警戒しているな。
「おい、お前」
俺は近くに立っている女に声をかけた。
「な、なんでしょうか?」
「お前はどこの手下だ?今叩き出したファズの仲間がもう来たとは考えにくいからな。マイヤードか?それとも別の勢力か?」
言われて女は目を白黒させた。
「あれ全部お前んとこの兵隊だろ?」
確かに人で賑わっている。
店内に入りきらずに、外にも椅子とテーブルを並べて大盛況だ。
この辺りだと、まだ大通りに近いせいか一般客も多く混じっている。
比較的健全な場所のようだった。
周囲を示す光点を見ると、よりハッキリと取り囲むように俺たちの周りに展開している。
結構な人数だ。
三十名は下らない。
まさか街中で大立ち回りをするつもりは無いと思うが、一応用心はしておくべきか。
外は狙われやすいが暴れやすい。
中は狙われにくいが被害も大きい。
俺はあえて外の席を選んだ。
一般客はなるべく巻き込みたくない。
俺は道路沿いの空いてるテーブルに着いた。
キロと弟たちもそれぞれ席に着く。
「さっきは食い損ねたからな。仕切り直しだ。好きなのを頼めよ」
「はーい!」
弟たちは手をあげて返事した。
俺は給仕を呼び止めて料理を注文した。
人気のある料理から順番に持って来るように伝える。
「あの……お代は大丈夫なんですか?」
キロが不安そうに言った。
「心配ない。お前らの飯代くらいで破産はしない」
そう言うと、キロは笑顔になった。
「こんなに立派なご馳走を食べるのはアタシも初めてなんです!」
「そうか」
俺はそう答えつつ、自分たちの生い立ちを思い出した。
うちも親父は早くに亡くなっている。
母親が女手一つで俺と妹のミーアを育ててくれたのだ。
その母親も俺が十五の時に病で亡くなった。
それからは俺が働いてミーアを養った。
そして、より稼ぎの良い冒険者へと転職したのだ。
幸い俺には冒険者としての素質があったらしい。
剣を学ぶのも性に合っていた。
若くして村の最年少ミラーナイト級冒険者になった俺は、名前も売れ始めて注目度ナンバーワンの若手冒険者になりつつあったのだ。
まあ、その後はご覧の有り様な訳だが。
弟たちを必死で養うキロは、男の俺よりも数倍苦労している。
それが食い物にされるのは、さすがに見逃す事が出来なかった。
敵とおぼしき光点は、一層その輪を小さくしている。
俺は立ち上がると席から離れた。
「レオさま?」
「少し待ってろ」
声を掛けるキロにそう言い残して、俺は広い道の真ん中に立った。
ここからはキロのテーブルが良く見える。
光点たちは一斉に動きを止めた。
ピタリと止まって一歩も動いていない。
やはり警戒しているな。
「おい、お前」
俺は近くに立っている女に声をかけた。
「な、なんでしょうか?」
「お前はどこの手下だ?今叩き出したファズの仲間がもう来たとは考えにくいからな。マイヤードか?それとも別の勢力か?」
言われて女は目を白黒させた。
「あれ全部お前んとこの兵隊だろ?」
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