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三五二
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宛もなく大通りを西へ歩く。
プライベートでもこんな事は久しぶりだ。
それをまさか任務でやる事になるとは。
だんだんと闇が濃くなる。
夜が来る。
一番の賑やかな辺りに来ると、俺は辺りを見渡した。
「こんな賑やかじゃ、如何にもな悪党は堂々と歩けないよな……」
俺は一人ごちると、再び力なく歩き出した。
さて、どっちへ行くべきか。
ここはやはりもっと西か。
店の数も減ってくれば、怪しいヤツも増えてくるかもしれない。
がっ
突然腕を捕まれる。
俺はゆっくりと自分の腕を見た。
「ね!お兄さん!遊んでいかない?」
派手な化粧の女が馴れ馴れしく腕にぶら下がっている。
たぶん見た目よりも本当はもっと若いのだろう。
精一杯露出の多い服装に、派手な化粧でごまかしてはいるが、どう見ても十代前半だ。
「遊んでいる暇などない」
俺は女の腕を振り払う。
「遊んでる暇ないのに、こんな所をうろつかないでしょ!ね?寄ってってよー」
諦めずに女が再びまとわりつく。
「やめないか。俺は子供に用はない」
俺はもう一度彼女の腕を振り払った。
「きゃっ!」
女は勢い余って尻餅を突いた。
!?
俺は彼女の胸元を見た。
いや、不可抗力だが問題はそこじゃない。
彼女の胸元からアザが見えたのだ。
それも目新しいアザだ。
それがいくつも見えたのだ。
俺は彼女の腕を取り、引き上げた。
「きゃあ!」
また女が悲鳴をあげる。
「な、なに!?」
俺は女の着ている服の袖を捲りあげた。
やっぱり。
そこにもアザがあった。
どうやら日常的に痛め付けられているようだ。
「これはどうした?」
女は恥ずかしそうに袖を直すと、ニコリと笑った。
「これは、あたしの出来が悪いから叱られたんです。いっつもドジばっかりで皆みたいに仕事が出来ないから……」
皆みたいに仕事が出来ないから。
こんな子供に客の相手をさせて、上手くやれだと?
「……お前の店はどこだ」
女が俺の顔を見た。
みるみる笑顔になっていく。
「こっち!」
元気に指を指す。
その先には看板の掛かっていない店があった。
飲み屋か?
彼女は俺の手を取ると引っ張った。
「あたし精一杯おもてなししますので!」
そう言う彼女の笑顔は明るかったが、どうしても袖口から覗くアザに目がいく。
店の入り口を開けると中は薄暗かった。
数本のロウソクの灯りに照らされて店内は妖しい雰囲気に包まれている。
辺りを見回す。
客席が多いな。
それもそこそこに埋まっている。
看板もないのにこれだけ客入りがあると言う事は、ほとんどが常連客だな。
「ここです。ここに座ってて!」
店の雰囲気に合わない明るい声で、彼女が席に案内した。
プライベートでもこんな事は久しぶりだ。
それをまさか任務でやる事になるとは。
だんだんと闇が濃くなる。
夜が来る。
一番の賑やかな辺りに来ると、俺は辺りを見渡した。
「こんな賑やかじゃ、如何にもな悪党は堂々と歩けないよな……」
俺は一人ごちると、再び力なく歩き出した。
さて、どっちへ行くべきか。
ここはやはりもっと西か。
店の数も減ってくれば、怪しいヤツも増えてくるかもしれない。
がっ
突然腕を捕まれる。
俺はゆっくりと自分の腕を見た。
「ね!お兄さん!遊んでいかない?」
派手な化粧の女が馴れ馴れしく腕にぶら下がっている。
たぶん見た目よりも本当はもっと若いのだろう。
精一杯露出の多い服装に、派手な化粧でごまかしてはいるが、どう見ても十代前半だ。
「遊んでいる暇などない」
俺は女の腕を振り払う。
「遊んでる暇ないのに、こんな所をうろつかないでしょ!ね?寄ってってよー」
諦めずに女が再びまとわりつく。
「やめないか。俺は子供に用はない」
俺はもう一度彼女の腕を振り払った。
「きゃっ!」
女は勢い余って尻餅を突いた。
!?
俺は彼女の胸元を見た。
いや、不可抗力だが問題はそこじゃない。
彼女の胸元からアザが見えたのだ。
それも目新しいアザだ。
それがいくつも見えたのだ。
俺は彼女の腕を取り、引き上げた。
「きゃあ!」
また女が悲鳴をあげる。
「な、なに!?」
俺は女の着ている服の袖を捲りあげた。
やっぱり。
そこにもアザがあった。
どうやら日常的に痛め付けられているようだ。
「これはどうした?」
女は恥ずかしそうに袖を直すと、ニコリと笑った。
「これは、あたしの出来が悪いから叱られたんです。いっつもドジばっかりで皆みたいに仕事が出来ないから……」
皆みたいに仕事が出来ないから。
こんな子供に客の相手をさせて、上手くやれだと?
「……お前の店はどこだ」
女が俺の顔を見た。
みるみる笑顔になっていく。
「こっち!」
元気に指を指す。
その先には看板の掛かっていない店があった。
飲み屋か?
彼女は俺の手を取ると引っ張った。
「あたし精一杯おもてなししますので!」
そう言う彼女の笑顔は明るかったが、どうしても袖口から覗くアザに目がいく。
店の入り口を開けると中は薄暗かった。
数本のロウソクの灯りに照らされて店内は妖しい雰囲気に包まれている。
辺りを見回す。
客席が多いな。
それもそこそこに埋まっている。
看板もないのにこれだけ客入りがあると言う事は、ほとんどが常連客だな。
「ここです。ここに座ってて!」
店の雰囲気に合わない明るい声で、彼女が席に案内した。
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