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三四五
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「あら、良いじゃないそれ。カルタスソードなら判りやすいわね」
令子がポンと手を打った。
判りやすいからそれで良いと言う事か?
命名ってそんな感じなのか。
「まあ、判りやすさで言えばそうなんだろうが……」
俺はカルタスを見た。
困った顔をしている。
たぶん困った顔なんだと思う。
よく判らんが、そんな感じの表情だった。
嫌だけど断る強い理由が無い。
そんな顔だ。
「カルタスソード……かあ」
カルタスが呟きながら、そのカルタスソードを見た。
いつになくカルタスの背中が小さく見える。
「考えようによっては良いんじゃないか。お前の名前が天下に轟けば、カルタスソードもカッコよく思えてくる筈だ」
俺はそう言ってカルタスを慰めた。
俺にはそのくらいしか言えない。
「じゃあ、この鞭も名前は無いの?」
オレコが令子に尋ねた。
「無いわ。強いて言えば電磁鞭よ」
デンジムチ……
よく判らん。
「じゃあアタシも名前を付けようかしら」
オレコがアゴに手を当てた。
「オレコムチ」
背後からカルタスの声が聞こえた。
そして、何を言っているのか一発で判った。
「い、嫌よ!」
オレコが瞬間的に振り向きざま叫ぶ。
自分の名前だろうにそんなに嫌かね。
「お前の鞭は、オレコムチだ」
「絶対に嫌!」
「俺の武器はカルタスソードだぞ?お前の武器もオレコムチにするべきだ」
カルタスの目が座っている。
巻き込んで仲間にするつもりか。
「お前は自分の名前が、そんなに恥ずかしい名前だと思っているのか?ん?」
カルタスがオレコに詰め寄る。
「ちょ、やめてよ!そんな事を言ってるんじゃないでしょう!」
「じゃあなんなんだ。オレコのムチでオレコムチ。何も間違ってないし、何より……」
カルタスがまた一歩オレコに近付く。
「判りやすい」
カルタスは一際声を低くして、そして力強く言った。
明らかに気にしている。
やはり、オレコも巻き添えにするつもりなのだ。
「良いと思います」
トラゴスが凛とした声で強く肯定する。
悪意が無いだけに否定しにくい。
第一、何も間違った事は言っていないのだから。
まあ、そのネーミングセンスは所詮は山羊と言うしかないが。
「あ、後で!後で付ける事にするわ!よく考えてからっ!」
オレコはたまらずそう宣言した。
逃げたな。
しかし、はっきりそう言うのは大事なことだ。
流されてしまっては元も子も無い。
カルタスのように。
カルタスを見ると恨みがましくオレコを見ている。
自分だけ上手く逃げたことを、裏切り者だとでも思っているのだろう。
しばらくカルタスに近付くのはやめておこう。
令子がポンと手を打った。
判りやすいからそれで良いと言う事か?
命名ってそんな感じなのか。
「まあ、判りやすさで言えばそうなんだろうが……」
俺はカルタスを見た。
困った顔をしている。
たぶん困った顔なんだと思う。
よく判らんが、そんな感じの表情だった。
嫌だけど断る強い理由が無い。
そんな顔だ。
「カルタスソード……かあ」
カルタスが呟きながら、そのカルタスソードを見た。
いつになくカルタスの背中が小さく見える。
「考えようによっては良いんじゃないか。お前の名前が天下に轟けば、カルタスソードもカッコよく思えてくる筈だ」
俺はそう言ってカルタスを慰めた。
俺にはそのくらいしか言えない。
「じゃあ、この鞭も名前は無いの?」
オレコが令子に尋ねた。
「無いわ。強いて言えば電磁鞭よ」
デンジムチ……
よく判らん。
「じゃあアタシも名前を付けようかしら」
オレコがアゴに手を当てた。
「オレコムチ」
背後からカルタスの声が聞こえた。
そして、何を言っているのか一発で判った。
「い、嫌よ!」
オレコが瞬間的に振り向きざま叫ぶ。
自分の名前だろうにそんなに嫌かね。
「お前の鞭は、オレコムチだ」
「絶対に嫌!」
「俺の武器はカルタスソードだぞ?お前の武器もオレコムチにするべきだ」
カルタスの目が座っている。
巻き込んで仲間にするつもりか。
「お前は自分の名前が、そんなに恥ずかしい名前だと思っているのか?ん?」
カルタスがオレコに詰め寄る。
「ちょ、やめてよ!そんな事を言ってるんじゃないでしょう!」
「じゃあなんなんだ。オレコのムチでオレコムチ。何も間違ってないし、何より……」
カルタスがまた一歩オレコに近付く。
「判りやすい」
カルタスは一際声を低くして、そして力強く言った。
明らかに気にしている。
やはり、オレコも巻き添えにするつもりなのだ。
「良いと思います」
トラゴスが凛とした声で強く肯定する。
悪意が無いだけに否定しにくい。
第一、何も間違った事は言っていないのだから。
まあ、そのネーミングセンスは所詮は山羊と言うしかないが。
「あ、後で!後で付ける事にするわ!よく考えてからっ!」
オレコはたまらずそう宣言した。
逃げたな。
しかし、はっきりそう言うのは大事なことだ。
流されてしまっては元も子も無い。
カルタスのように。
カルタスを見ると恨みがましくオレコを見ている。
自分だけ上手く逃げたことを、裏切り者だとでも思っているのだろう。
しばらくカルタスに近付くのはやめておこう。
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