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三〇二
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「相手が霊体ならやれることはあるわよ」
オレコがそう言って、ポーチから何やら取り出した。
「じゃーん」
そう言って取り出したのはスクロールだった。
オレコはスクロールを両手に持つと、こちらへ向けて一気に広げた。
ショオアアアア……
スクロールから光が放たれる。
いったい何のスクロールか。
「霊を実体化させるエクソシスト用のスクロールよ」
オレコがそう言うと、今度はレイスが声を上げた。
「む……なんだこれは……!?」
レイスは自分の体の異変に気付いた。
自らの両手を見ている。
「これで直接殴れるわよ」
あらゆる敵を想定して準備しているのか。
さすがはブラックナイト級のレンジャー、いやソルジャーだ。
「よおし!だったら俺が!」
カルタスが腕をグルグル回して前に出る。
「ちょっと!アンタの為にやったんじゃないのよ!」
「うるせえな。良いじゃねえか誰がやってもよ!」
オレコのブーイングをカルタスは受け流す。
「いくぜ!」
カルタスが剣を横薙ぎに払う。
レイスはそれをヒラリとかわした。
実体化したとは言え、レイスのモンスターレベルはかなり高い筈だ。
ブラックナイトクラスの腕を持つカルタスの剣であっても、そう簡単に勝てる相手でもない。
「ちっ!ちょこまかと!」
カルタスが更に踏み込んで剣を振るう。
レイスはその全てを巧みにかわした。
「ふふふふ。当たらんな」
レイスが不敵に笑った。
「どうか……なッ!」
カルタスは突然ケープをはだけると、左腕を延ばす。
「!?」
レイスが一瞬動揺した。
ドシュッ!
腕から小型の矢が発射された。
それがレイスの胸に突き刺さる。
隠しボウガン。
腕に取り付けられた小型のボウガンだ。
射程もたいして長くないし、矢も一発しか放てないが、至近距離から突然不意を突くのには最適だ。
しかも剣の届かない微妙な距離なら尚更である。
「グッ……!貴様ッ!」
レイスが自分の胸に刺さった矢を見た。
「今だ!」
カルタスはレイスに突進すると肩からぶつかっていく。
どかっ!
そしてそのままレイスの体を押していった。
「ぐぬ……ッ!ぬうッ!」
「くたばれ!」
うめくレイスを突き放すと、カルタスはそのまま剣を振り下ろす。
「ぐぅ……うう」
レイスの断末魔のような声が漏れ聞こえた。
「へっ!どんなもんよ」
カルタスが余裕でレイスを圧倒した。
さすがにやるな。
「どれ、ツラを拝んでやる。誰も見たことのないレイスのご尊顔をな」
そう言ってカルタスはレイスの顔を自分に向けた。
「!?」
カルタスが言葉に詰まった。
「どうした?」
俺はカルタスに歩み寄って、背後からレイスの顔を覗きこんだ。
「こ……これは」
そこにはもう一人のカルタスがいた。
オレコがそう言って、ポーチから何やら取り出した。
「じゃーん」
そう言って取り出したのはスクロールだった。
オレコはスクロールを両手に持つと、こちらへ向けて一気に広げた。
ショオアアアア……
スクロールから光が放たれる。
いったい何のスクロールか。
「霊を実体化させるエクソシスト用のスクロールよ」
オレコがそう言うと、今度はレイスが声を上げた。
「む……なんだこれは……!?」
レイスは自分の体の異変に気付いた。
自らの両手を見ている。
「これで直接殴れるわよ」
あらゆる敵を想定して準備しているのか。
さすがはブラックナイト級のレンジャー、いやソルジャーだ。
「よおし!だったら俺が!」
カルタスが腕をグルグル回して前に出る。
「ちょっと!アンタの為にやったんじゃないのよ!」
「うるせえな。良いじゃねえか誰がやってもよ!」
オレコのブーイングをカルタスは受け流す。
「いくぜ!」
カルタスが剣を横薙ぎに払う。
レイスはそれをヒラリとかわした。
実体化したとは言え、レイスのモンスターレベルはかなり高い筈だ。
ブラックナイトクラスの腕を持つカルタスの剣であっても、そう簡単に勝てる相手でもない。
「ちっ!ちょこまかと!」
カルタスが更に踏み込んで剣を振るう。
レイスはその全てを巧みにかわした。
「ふふふふ。当たらんな」
レイスが不敵に笑った。
「どうか……なッ!」
カルタスは突然ケープをはだけると、左腕を延ばす。
「!?」
レイスが一瞬動揺した。
ドシュッ!
腕から小型の矢が発射された。
それがレイスの胸に突き刺さる。
隠しボウガン。
腕に取り付けられた小型のボウガンだ。
射程もたいして長くないし、矢も一発しか放てないが、至近距離から突然不意を突くのには最適だ。
しかも剣の届かない微妙な距離なら尚更である。
「グッ……!貴様ッ!」
レイスが自分の胸に刺さった矢を見た。
「今だ!」
カルタスはレイスに突進すると肩からぶつかっていく。
どかっ!
そしてそのままレイスの体を押していった。
「ぐぬ……ッ!ぬうッ!」
「くたばれ!」
うめくレイスを突き放すと、カルタスはそのまま剣を振り下ろす。
「ぐぅ……うう」
レイスの断末魔のような声が漏れ聞こえた。
「へっ!どんなもんよ」
カルタスが余裕でレイスを圧倒した。
さすがにやるな。
「どれ、ツラを拝んでやる。誰も見たことのないレイスのご尊顔をな」
そう言ってカルタスはレイスの顔を自分に向けた。
「!?」
カルタスが言葉に詰まった。
「どうした?」
俺はカルタスに歩み寄って、背後からレイスの顔を覗きこんだ。
「こ……これは」
そこにはもう一人のカルタスがいた。
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