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二三六
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まるで隕石が落ちてきたかの如く、次々とパンチが降り注ぐ。
ドオオンッ!
ドゴオオンッ!
背後でパンチが地面に炸裂していることを、音で知る。
大量の土砂が巻き上がり、それが辺りに撒き散らされる。
カーディナルは何処へ行った。
俺は走りながらカーディナルを探した。
ぶうんっ!
風切り音をたてて大木が目の前に迫る。
「うおっ!」
慌てて転がり、その下をくぐった。
「ううぅぅぅ」
刺々頭が大木を振り回している。
完全に恨みの標的になっている。
ドオオンッ!
ぶうんっ!
ドゴオオンッ!
びょおおっ!
息つくひまもない。
これではカーディナルを探すどころではなかった。
ボッ!
目の前が突然明るくなった。
今度はなんだ。
それが巨大な火球だと気づく。
俺はとっさに両腕をクロスしてそれをガードした。
ボオオオンッ!
爆発が起きる。
俺はそのまま後ろへ押し戻された。
「フレイムアローか……」
カーディナルの攻撃か。
実質、三対一……いや、それ以上だ。
サイクロプスなど一人と数えて良いわけがない。
アイツ一人でいったい兵士何人分だ。
サイクロプスの攻撃をかわすと、そこへフレイムアローが飛んでくる。
カーディナルに近付こうとすると、サイクロプスが邪魔をする。
これでは、ラチがあかない。
俺は何か良い手はないか考えた。
「あれだ。試してみるか」
俺は突然思い出した。
「消えろ……消えるんだ……!」
姿の消し方はまだ慣れない。
消えるように集中するが、周りが慌ただしくて集中出来ない。
声に出して消えるよう試みるが中々消えなかった。
「あー!もう、なんなんだよ!」
思わずかんしゃくを起こしてしまう。
ボオオオンッ!
油断したところにフレイムアローが命中した。
「くそったれ!」
吹っ飛ばされて地面をゴロゴロと転がる。
変身していても、油断している状態でクリーンヒットすると体はビリビリとしびれた。
そう何度も食らって良い攻撃ではなさそうだ。
俺は起き上がって辺りをうかがった。
?
何故か追撃が来ない。
サイクロプスもウロウロしている。
「なんだ?」
俺はゆっくりと注意しながら移動した。
フレイムアローも止んでいる。
俺は何気なく自分の腕を見た。
「あ」
消えている。
何だか判らないが、夢中になっている間に消える事ができたようだ。
「俺を見失っていたのか……」
今のうちにカーディナルを倒す。
早くしないとまた敵が増えるだけだ。
俺はなるべく音を発てないように、静かにカーディナルに近付いていった。
背後を取った。
これでおしまいだ。
カーディナルの後頭部を目掛けて、手刀を叩き込む。
しゅばっ!
手刀を振り下ろした瞬間に、何故かカーディナルは飛び退いた。
バレた?
俺は愕然とした。
ドオオンッ!
ドゴオオンッ!
背後でパンチが地面に炸裂していることを、音で知る。
大量の土砂が巻き上がり、それが辺りに撒き散らされる。
カーディナルは何処へ行った。
俺は走りながらカーディナルを探した。
ぶうんっ!
風切り音をたてて大木が目の前に迫る。
「うおっ!」
慌てて転がり、その下をくぐった。
「ううぅぅぅ」
刺々頭が大木を振り回している。
完全に恨みの標的になっている。
ドオオンッ!
ぶうんっ!
ドゴオオンッ!
びょおおっ!
息つくひまもない。
これではカーディナルを探すどころではなかった。
ボッ!
目の前が突然明るくなった。
今度はなんだ。
それが巨大な火球だと気づく。
俺はとっさに両腕をクロスしてそれをガードした。
ボオオオンッ!
爆発が起きる。
俺はそのまま後ろへ押し戻された。
「フレイムアローか……」
カーディナルの攻撃か。
実質、三対一……いや、それ以上だ。
サイクロプスなど一人と数えて良いわけがない。
アイツ一人でいったい兵士何人分だ。
サイクロプスの攻撃をかわすと、そこへフレイムアローが飛んでくる。
カーディナルに近付こうとすると、サイクロプスが邪魔をする。
これでは、ラチがあかない。
俺は何か良い手はないか考えた。
「あれだ。試してみるか」
俺は突然思い出した。
「消えろ……消えるんだ……!」
姿の消し方はまだ慣れない。
消えるように集中するが、周りが慌ただしくて集中出来ない。
声に出して消えるよう試みるが中々消えなかった。
「あー!もう、なんなんだよ!」
思わずかんしゃくを起こしてしまう。
ボオオオンッ!
油断したところにフレイムアローが命中した。
「くそったれ!」
吹っ飛ばされて地面をゴロゴロと転がる。
変身していても、油断している状態でクリーンヒットすると体はビリビリとしびれた。
そう何度も食らって良い攻撃ではなさそうだ。
俺は起き上がって辺りをうかがった。
?
何故か追撃が来ない。
サイクロプスもウロウロしている。
「なんだ?」
俺はゆっくりと注意しながら移動した。
フレイムアローも止んでいる。
俺は何気なく自分の腕を見た。
「あ」
消えている。
何だか判らないが、夢中になっている間に消える事ができたようだ。
「俺を見失っていたのか……」
今のうちにカーディナルを倒す。
早くしないとまた敵が増えるだけだ。
俺はなるべく音を発てないように、静かにカーディナルに近付いていった。
背後を取った。
これでおしまいだ。
カーディナルの後頭部を目掛けて、手刀を叩き込む。
しゅばっ!
手刀を振り下ろした瞬間に、何故かカーディナルは飛び退いた。
バレた?
俺は愕然とした。
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