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一二二
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先ほどと同じく、先に動いたのはライエルだった。
だが、その内容は同じではない。
びゅんっ!
あの巨体で信じられない速さだった。
一足飛びにオオムカデンダルの胸元まで迫る。
速すぎる。
振り上げた大剣が、落雷の如く上から落ちた。
しかし、それさえもオオムカデンダルはかわしてみせる。
「馬鹿な……!」
ライエルが驚きの表情を見せた。
今、ライエルには強化魔法が掛かっている。
全ての身体能力は格段に上がった状態だ。
それに加えてフォース・フィールドの恩恵もある。
全力を出し続けてもライエルはほとんど疲労しない。
闘志が消える事はなく、ダメージも継続的に治癒していく。
身体強化されているライエルを、更に筋力増強させてもいる。
スピードもパワーも、さっきまでとは桁が二つは違っている。
それでも、オオムカデンダルが馬鹿力を出せばチャラになると言うのなら、それは互角でも納得できる。
だがフォース・フィールドは、相手にはその反対の効果をしいるのだ。
つまり、相対的にライエルは倍強くなっている。
それなのにオオムカデンダルは難なくライエルの攻撃をかわした。
けっしてライエルの攻撃が手ぬるかった訳ではない。
俺が見てもライエルの攻撃をかわすのは簡単ではなかった。
あのヴァンパイアの攻撃よりも、今のライエルの方が明らかに上だったと断言できる。
これだけ見ても、元々のライエル将軍がどれほど強いのか判る。
将軍の肩書きはブラックナイト級と同等と言われるが、恐らくそれ以上だろう。
「どうした?たった一撃で戦意喪失か?」
オオムカデンダルが挑発する。
「……ふ、ふふ。まさかッ!」
ライエルも戦意を失ってなどいなかった。
「むしろ『やり過ぎだ』などと言われなくて安心したところだ」
それはライエルの偽らざる本心だろう。
ライエルは大剣を握り直すと、再びオオムカデンダルへ襲い掛かった。
「直進直進。単細胞のイノシシめ」
オオムカデンダルは真っ直ぐ突っ込んでくるライエルを笑った。
「!?」
オオムカデンダルの足が不意にもつれた。
「油断大敵ッ!」
ライエルの大剣が、今度こそオオムカデンダルの頭蓋に振り下ろされる。
「おっと」
オオムカデンダルは地面を転がり、ギリギリでこれをかわした。
「逃がさんッ!」
ライエルは矢継ぎ早に大剣を振り下ろす。
それをオオムカデンダルは転がり続けてかわして行く。
まるでライエルが畑を耕しているように見える。
大剣の剣先が、毎回深く地面にめり込む。
どれほどの腕力ならそんな事になるのか。
だが、その内容は同じではない。
びゅんっ!
あの巨体で信じられない速さだった。
一足飛びにオオムカデンダルの胸元まで迫る。
速すぎる。
振り上げた大剣が、落雷の如く上から落ちた。
しかし、それさえもオオムカデンダルはかわしてみせる。
「馬鹿な……!」
ライエルが驚きの表情を見せた。
今、ライエルには強化魔法が掛かっている。
全ての身体能力は格段に上がった状態だ。
それに加えてフォース・フィールドの恩恵もある。
全力を出し続けてもライエルはほとんど疲労しない。
闘志が消える事はなく、ダメージも継続的に治癒していく。
身体強化されているライエルを、更に筋力増強させてもいる。
スピードもパワーも、さっきまでとは桁が二つは違っている。
それでも、オオムカデンダルが馬鹿力を出せばチャラになると言うのなら、それは互角でも納得できる。
だがフォース・フィールドは、相手にはその反対の効果をしいるのだ。
つまり、相対的にライエルは倍強くなっている。
それなのにオオムカデンダルは難なくライエルの攻撃をかわした。
けっしてライエルの攻撃が手ぬるかった訳ではない。
俺が見てもライエルの攻撃をかわすのは簡単ではなかった。
あのヴァンパイアの攻撃よりも、今のライエルの方が明らかに上だったと断言できる。
これだけ見ても、元々のライエル将軍がどれほど強いのか判る。
将軍の肩書きはブラックナイト級と同等と言われるが、恐らくそれ以上だろう。
「どうした?たった一撃で戦意喪失か?」
オオムカデンダルが挑発する。
「……ふ、ふふ。まさかッ!」
ライエルも戦意を失ってなどいなかった。
「むしろ『やり過ぎだ』などと言われなくて安心したところだ」
それはライエルの偽らざる本心だろう。
ライエルは大剣を握り直すと、再びオオムカデンダルへ襲い掛かった。
「直進直進。単細胞のイノシシめ」
オオムカデンダルは真っ直ぐ突っ込んでくるライエルを笑った。
「!?」
オオムカデンダルの足が不意にもつれた。
「油断大敵ッ!」
ライエルの大剣が、今度こそオオムカデンダルの頭蓋に振り下ろされる。
「おっと」
オオムカデンダルは地面を転がり、ギリギリでこれをかわした。
「逃がさんッ!」
ライエルは矢継ぎ早に大剣を振り下ろす。
それをオオムカデンダルは転がり続けてかわして行く。
まるでライエルが畑を耕しているように見える。
大剣の剣先が、毎回深く地面にめり込む。
どれほどの腕力ならそんな事になるのか。
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