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一一九
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「令子、やるか?」
オオムカデンダルが令子に聞いた。
「いやよ。百足君が言い出したことでしょ?」
令子は即答した。
「ま、そりゃそうだ。判った。俺がやろう」
自分で名乗っておいて他人にやらせるつもりだったのか。
俺は呆れた。
「よっと」
軽く掛け声をかけて、オオムカデンダルは飛び降りた。
飛び降りたと言っても普通の人間には無理だ。
一っ飛びにライエルの前まで跳んだのだ。
ザッ
何事もなかったように着地するとオオムカデンダルが両手を後ろに組んだ。
「さあ、来るがいい」
周りからどよめきが起こる。
将軍相手に掛かってこいでは当然の反応だ。
しかも両手を後ろに組んだままとは。
「世間知らずか馬鹿なのか。それとも両方か?」
ライエルがおかしそうに言う。
まさか舐められてるとは夢にも思うまい。
「お前より強いから、かもしれんぞ?」
オオムカデンダルが答える。
この一言でライエルの目付きが変わった。
「……いいだろう。武器を取れ」
ライエルが吠える。
この状況でも、あくまで相手にも平等に機会を与える。
如何にも武人らしい。
「武器?そんなもんない。使ったらイジメになるだろうが」
「……貴様、そんな甲冑を着込んでおいて、武道家なのか?」
「いや、ただの科学者だ」
ライエルが眉をひそめる。
「カガクシャ?なんだそれは?」
オオムカデンダルのデカい態度がさらにデカくなる。
「ふふん。『頭の良い人』って事さ。この世の真理を探求する者だ」
「なんだ。メイジの類いか……」
どうも会話が噛み合っていない。
「違うがどうでも良い。これ以上は面倒だから教えない」
オオムカデンダルはそう言うとライエルを手招きした。
「もう良いだろう?こいよ」
オオムカデンダルが言い終わるよりも先に、ライエルが飛び出した。
かなりの体格だ。
オオムカデンダルよりも一回り大きいか。
ぶんっ!
右腕で顔面を殴り付ける。
風切り音がここまで聞こえた。
しかし、当たらない。
オオムカデンダルは余裕でかわしている。
恐らく食らったところでダメージなどないだろうが、触れられることをプライドが許さないのか全てよけきっている。
「どうした、当たらんな?遠慮しないで武器を使えよ」
「貴様が使わんのなら俺が使えるか!」
ライエルもまたプライドの塊だった。
しかし明らかにライエルは動揺している。
将軍と呼ばれる実力者だ。
例え素手でも、負けるだなどとは少しも考えていない筈だ。
しかし、実際にはかすりもしない。
「かなりの素早さだな。素直に認めよう。称賛に価する」
「お前もデカい図体の割には中々良い動きだ」
オオムカデンダルの言葉にライエルが笑みを見せた。
「ふ。よく言う。だが、素早いだけでは俺に傷ひとつ付ける事はできんぞ」
オオムカデンダルが令子に聞いた。
「いやよ。百足君が言い出したことでしょ?」
令子は即答した。
「ま、そりゃそうだ。判った。俺がやろう」
自分で名乗っておいて他人にやらせるつもりだったのか。
俺は呆れた。
「よっと」
軽く掛け声をかけて、オオムカデンダルは飛び降りた。
飛び降りたと言っても普通の人間には無理だ。
一っ飛びにライエルの前まで跳んだのだ。
ザッ
何事もなかったように着地するとオオムカデンダルが両手を後ろに組んだ。
「さあ、来るがいい」
周りからどよめきが起こる。
将軍相手に掛かってこいでは当然の反応だ。
しかも両手を後ろに組んだままとは。
「世間知らずか馬鹿なのか。それとも両方か?」
ライエルがおかしそうに言う。
まさか舐められてるとは夢にも思うまい。
「お前より強いから、かもしれんぞ?」
オオムカデンダルが答える。
この一言でライエルの目付きが変わった。
「……いいだろう。武器を取れ」
ライエルが吠える。
この状況でも、あくまで相手にも平等に機会を与える。
如何にも武人らしい。
「武器?そんなもんない。使ったらイジメになるだろうが」
「……貴様、そんな甲冑を着込んでおいて、武道家なのか?」
「いや、ただの科学者だ」
ライエルが眉をひそめる。
「カガクシャ?なんだそれは?」
オオムカデンダルのデカい態度がさらにデカくなる。
「ふふん。『頭の良い人』って事さ。この世の真理を探求する者だ」
「なんだ。メイジの類いか……」
どうも会話が噛み合っていない。
「違うがどうでも良い。これ以上は面倒だから教えない」
オオムカデンダルはそう言うとライエルを手招きした。
「もう良いだろう?こいよ」
オオムカデンダルが言い終わるよりも先に、ライエルが飛び出した。
かなりの体格だ。
オオムカデンダルよりも一回り大きいか。
ぶんっ!
右腕で顔面を殴り付ける。
風切り音がここまで聞こえた。
しかし、当たらない。
オオムカデンダルは余裕でかわしている。
恐らく食らったところでダメージなどないだろうが、触れられることをプライドが許さないのか全てよけきっている。
「どうした、当たらんな?遠慮しないで武器を使えよ」
「貴様が使わんのなら俺が使えるか!」
ライエルもまたプライドの塊だった。
しかし明らかにライエルは動揺している。
将軍と呼ばれる実力者だ。
例え素手でも、負けるだなどとは少しも考えていない筈だ。
しかし、実際にはかすりもしない。
「かなりの素早さだな。素直に認めよう。称賛に価する」
「お前もデカい図体の割には中々良い動きだ」
オオムカデンダルの言葉にライエルが笑みを見せた。
「ふ。よく言う。だが、素早いだけでは俺に傷ひとつ付ける事はできんぞ」
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