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第一章
ダグル迷宮地下二階層……期待外れ
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エルとシルフィアは、グリモエステルスからもらった魔道具をみていた。
「この魔道具って、名前なんだろう……武器にも名前あるのかな?」
「そういえば、俺の武器も名前なかったような気がする」
そう言い考えていると、グリモエステルスは二人に話しかける。
”そうだったな……すまない、忘れていた”
(忘れてたって……あり得ないよな、普通)
”エル、そうだな……その通りだ”
グリモエステルスはいつになく低姿勢だ。
(って……まぁいい。それで名前は?)
”エルの大剣の名前は、魔剣グリモエステルスでそのままだ。それでシルフィアの武器は、エステルス キャットクロー。それとその魔道具は、察知して危険難易度を色で教えてくれる。名前は、感知宝石箱ってところかな”
(……なんか、取って付けたような名称だな)
そう言いエルは呆れた表情になる。
”……いつもならここで、怒るところだ。しかし今回は、儂が言い忘れたから……やめておこう。じゃあ、頼むぞ“
(あ、待て……って、反応がない)
それを聞きシルフィアは苦笑した。
「ねぇ、じゃあこの感知宝石箱どうする?」
「そうだな……常に持ってた方がいいだろう」
「うん、でもずっと持ってる訳にはいかないわ」
そう言いシルフィアは感知宝石箱をみる。
「んー、ちょっとみせてくれないか?」
シルフィアはそう言われ感知宝石箱をエルに渡した。
そしてエルは、感知宝石箱を調べ始める。
「……小さいから首に下げられそうだな」
「じゃあ、何か紐か鎖があれば」
「ん? 丁度、両脇に通せそうな穴がある」
そう言いエルはシルフィアにその部分をみせた。
「ホントだ。これなら、大丈夫だね。だけど……紐か鎖がないと」
「確かバッグの中に……」
エルは自分のバッグの中を調べる。そしてバッグの中から、鎖が付いたペンダントを取り出した。それはエメラルドグリーン色の宝石が埋め込まれたペンダントである。
「エル、それもしかして……マルセの」
「ああ、母さんがいつも身に付けていた物だ。そうだな、このペンダント……シルフィアにやる」
そう言いエルは、シルフィアの眼前にペンダントを差し出した。
「えぇっ!? でも、これマルセの形見だよね」
「ああ、そうだな。でも……持ってても仕方ない」
「そうだとしても……」
シルフィアはそう言い眉を下げエルをみやる。
「それに、鎖が付いているのってこれしかない」
「……ねぇ、エル? ただそれだけ」
「ん? ああ、それだけだが……他に何かあるのか」
そう言いエルは首を傾げた。
片やシルフィアは何かを期待していたらしく、ガッカリする。
「そ、そうだね……ハハハ……。うん、分かったわ……ペンダントの方は宝石箱に入れとく」
そう言いシルフィアは、エルの手からペンダントを取った。すると、ペンダントから鎖を外して感知宝石箱に付ける。
その後、鎖を付け終えると感知宝石箱の中にペンダントを入れた。
その様子をエルはみている。
(……シルフィアは、なんだと思ったんだ?)
そう思いエルは首を傾げシルフィアをみていた。
「この魔道具って、名前なんだろう……武器にも名前あるのかな?」
「そういえば、俺の武器も名前なかったような気がする」
そう言い考えていると、グリモエステルスは二人に話しかける。
”そうだったな……すまない、忘れていた”
(忘れてたって……あり得ないよな、普通)
”エル、そうだな……その通りだ”
グリモエステルスはいつになく低姿勢だ。
(って……まぁいい。それで名前は?)
”エルの大剣の名前は、魔剣グリモエステルスでそのままだ。それでシルフィアの武器は、エステルス キャットクロー。それとその魔道具は、察知して危険難易度を色で教えてくれる。名前は、感知宝石箱ってところかな”
(……なんか、取って付けたような名称だな)
そう言いエルは呆れた表情になる。
”……いつもならここで、怒るところだ。しかし今回は、儂が言い忘れたから……やめておこう。じゃあ、頼むぞ“
(あ、待て……って、反応がない)
それを聞きシルフィアは苦笑した。
「ねぇ、じゃあこの感知宝石箱どうする?」
「そうだな……常に持ってた方がいいだろう」
「うん、でもずっと持ってる訳にはいかないわ」
そう言いシルフィアは感知宝石箱をみる。
「んー、ちょっとみせてくれないか?」
シルフィアはそう言われ感知宝石箱をエルに渡した。
そしてエルは、感知宝石箱を調べ始める。
「……小さいから首に下げられそうだな」
「じゃあ、何か紐か鎖があれば」
「ん? 丁度、両脇に通せそうな穴がある」
そう言いエルはシルフィアにその部分をみせた。
「ホントだ。これなら、大丈夫だね。だけど……紐か鎖がないと」
「確かバッグの中に……」
エルは自分のバッグの中を調べる。そしてバッグの中から、鎖が付いたペンダントを取り出した。それはエメラルドグリーン色の宝石が埋め込まれたペンダントである。
「エル、それもしかして……マルセの」
「ああ、母さんがいつも身に付けていた物だ。そうだな、このペンダント……シルフィアにやる」
そう言いエルは、シルフィアの眼前にペンダントを差し出した。
「えぇっ!? でも、これマルセの形見だよね」
「ああ、そうだな。でも……持ってても仕方ない」
「そうだとしても……」
シルフィアはそう言い眉を下げエルをみやる。
「それに、鎖が付いているのってこれしかない」
「……ねぇ、エル? ただそれだけ」
「ん? ああ、それだけだが……他に何かあるのか」
そう言いエルは首を傾げた。
片やシルフィアは何かを期待していたらしく、ガッカリする。
「そ、そうだね……ハハハ……。うん、分かったわ……ペンダントの方は宝石箱に入れとく」
そう言いシルフィアは、エルの手からペンダントを取った。すると、ペンダントから鎖を外して感知宝石箱に付ける。
その後、鎖を付け終えると感知宝石箱の中にペンダントを入れた。
その様子をエルはみている。
(……シルフィアは、なんだと思ったんだ?)
そう思いエルは首を傾げシルフィアをみていた。
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