上 下
34 / 79
第一章

ep.34 疑われると話し合い

しおりを挟む
 ここは城下町のハルリア達が泊っている宿屋。そしてハルリアの部屋である。
 夜になり、すっかり暗くなっていた。
 ここにはハルリアの他、ルミカとカールディグスとメイミルがいる。

 あれからハルリア達は、結果をみたあと話しをしていた。
 そこにセリアーナとシャルルカーナが来たため、みんなでお祝いをしようという事になる。……勿論、セリアーナとシャルルカーナも受かった。
 そのため城下町の少し高めの食事処に向かう。
 その後ハルリア達は食事をすませると、また学園でという事になり別れた。

 そして現在ハルリアとルミカとカールディグスとメイミルは、真剣な表情で話をしている。

「とりあえず……みんな受かって良かったな」
「師匠、そうですね。でもこれからが大変だと思いますよ」
「ああ……そうなると寮生活になる。隊長は、女性と同じ部屋に……」

 そう言いカールディグスは、ジト目でハルリアをみた。

「そうそう……でも学園長は、師匠のこと気づいてるんだよね?」
「メイミル、ああ……知っている。そうなると、悔しいが……一人部屋にされるな」

 それを聞きルミカとカールディグスとメイミルは、ハルリアを犯罪者をみるように視線を送る。

「当然です。馬鹿なことを考えないでくださいよ!」
「そうそう、ルミカの言う通りです! 隊長が、女子寮に入るだけでも犯罪行為なんですからね」
「ウンウン……中身は男なんだから、覗きなんかしちゃ駄目だよ」

 そう言われハルリアは、ムスッとした。

「……オレが、そんなことをするようにみえるのか?」

 そうハルリアが問いかけると三人は、思い切り首を縦に振る。

「……」

 それをみたハルリアは、絶句した。そう、そこまでハッキリ頷かれ何も言い返せなくなったのである。
 それに自分でも否定できなかったからだ。

「やっぱり、なんかよからぬことを考えてましたね」
「ルミカ……いや……そうだな……分かった。なるべく用がないのに部屋から出ないようにする」
「本当にそんなことができますか? ハァー……まぁ、恐らくその点は学園長が考えてくれるでしょう。それよりも、今後のことです」

 そうカールディグスが言うと三人は頷いた。

「明日は、ここを発つ」
「ええ、師匠。とりあえずは、家に戻って待機でしたよね」
「ああ……ルミカ、まだいつから通えるか分からんからな」

 そう言いハルリアは、三人を順にみる。

「そうですね……確か、書類が家に送られてくるんですよね?」
「カール、そうなる。その時に、いつから寮に入り学園に通うことができるのか分かる」
「そうだね……ああ、なんか楽しみだなぁ」

 そうメイミルが発言すると三人の顔は青ざめた。

「メイミル……そういえば、よくお前が教員試験受かったな」
「師匠……それって酷いですよぉ。私だって、ある程度のことなら分かりますっ!」

 そう言いメイミルはジタバタ暴れる。……いや恐らく七光り的な誰かの計らいだろうな。
 そしてその後もハルリア達は、これからのことを話していたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

偽勇者扱いされて冤罪をかぶせられた俺は、ただひたすらに復讐を続ける

大沢 雅紀
ファンタジー
勇者の血を引きながら、戦闘力がないせいで偽勇者扱いされ、照明師として新たに召喚された勇者光司にこきつかわれていたライト。やっとの思いで魔王を倒し、国に凱旋したとき、身に覚えのない冤罪をかけられて奴隷に落とされてしまう。偽勇者として国中を引き回された後、故郷の村にもどされるが、そこには新たなダンジョンができていた……。勇者が魔王に転生するとき、すさまじい復讐の嵐が王国を襲う。魔王になってしまった勇者による復讐記 目次 連載中 全53話 2022年11月15日 08:51 更新 冤罪編

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

新しい自分(女体化しても生きていく)

雪城朝香
ファンタジー
明日から大学生となる節目に突如女性になってしまった少年の話です♪♪ 男では絶対にありえない痛みから始まり、最後には・・・。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

とある元令嬢の選択

こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

TSしちゃった!

恋愛
朝起きたら突然銀髪美少女になってしまった高校生、宇佐美一輝。 性転換に悩みながら苦しみどういう選択をしていくのか。

処理中です...