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第二章
忍者服の男と小指用の指輪
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ここはカロムの屋敷の泪とメーメルの部屋。夜になり二人は、眠っていた。
辺りは暗く月明かりが部屋に差し込んでいる。
泪はぐっすりと寝ていた。枕の右側にはトラットが丸まって眠っている。
すると黒装束……如何にも忍者のような姿の男が、スッと音を立てずにどこからともなく現れた。
その忍者服を着た男は、泪の傍までくる。
(寝ているな。それにしても、可愛い。ハッ!? 見惚れている場合じゃなかった。気づかれて、騒がれるのは面倒だ。これだけ置いて、サッサと行くか)
そう考えながら忍者服の男は、左側の枕元に封筒と何かが入っている小さな袋を置いた。その後、スッと音もなく消える。
泪はそのことに気づかず寝ている。
そのことにトラットは気づくも、狸寝入りをしていた。
(……あの匂いは、なんでアイツあんな格好でここに来たんだ。それに何をおいていった? 匂いからして、食べもんじゃないな。ホットクかぁ……ふあ~、眠い……寝る)
そう思いトラットは再び眠る。
一方メーメルは、忍者服の男の匂いと気配に気づくも目を閉じ様子を伺っていた。
(……なんのつもりじゃ? 何を考えている。うむ、まぁ……危害を加えるつもりじゃないようじゃのう。それなら、やり易いかもしれぬ)
そう考えメーメルは再び眠ることにする。
▼△★▽▲☆▼△
翌朝になり私は、起きると枕元に何かあることに気がついた。
「……これなんだろう?」
上体を起こすと私は、枕元に置かれている物を取る。
「手紙と袋……何か入ってるみたいだけど、なんだろう?」
そう言い袋を開け中を覗いてみた。
「ルイ、それはなんだ?」
そう言いメーメルは、私の方にくる。
「んー……なんだろう。起きたら、枕元にあったの」
私はそう言い袋から出した。
それはピンク色の魔石が埋め込まれている、小指用の指輪である。
「うわぁー、可愛い。誰がくれたのかな?」
「本当に誰がそんな可愛い指輪を……いいなぁ」
そう言いメーメルは、羨ましそうに指輪をみた。
私は手紙に何か書かれているかもと思い封筒を開ける。そして手紙を取りだし黙読した。
そこには……。
【――袋の中の指輪は、俺を呼ぶためのアイテムだ。もし何かあったらこれに魔力を注ぎ助けてと念じてくれ。さすれば俺が即座に駆け付ける。ただ、ヤツラの尻尾を掴んでからだ。――――」
そう書かれている。
私はそれを読み首を傾げた。その後その手紙を、メーメルに渡しみせる。
「うむ、何を考えているんだ?」
「ん? メーメル知ってるの。これをくれた人が誰か」
「あ……ううん、知らない。ただ昨晩、誰か来てたみたいだからな」
そう言いメーメルは苦笑した。
メーメル、どうしたのかな? 何か誤魔化しているようにみえる。でも……いいか、これをくれた人は悪い人じゃないみたいだしね。
そう思い指輪をみる。
「この指輪、鎖に通して首にぶら下げておくね」
「その方がよいな。女性にとっての指輪は、特別な意味をもっている」
そう言われ私は、ウンっと頷いた。
指輪に鎖を通すと首にぶら下げる。
それから私はその後も、メーメルと話をしていた。
辺りは暗く月明かりが部屋に差し込んでいる。
泪はぐっすりと寝ていた。枕の右側にはトラットが丸まって眠っている。
すると黒装束……如何にも忍者のような姿の男が、スッと音を立てずにどこからともなく現れた。
その忍者服を着た男は、泪の傍までくる。
(寝ているな。それにしても、可愛い。ハッ!? 見惚れている場合じゃなかった。気づかれて、騒がれるのは面倒だ。これだけ置いて、サッサと行くか)
そう考えながら忍者服の男は、左側の枕元に封筒と何かが入っている小さな袋を置いた。その後、スッと音もなく消える。
泪はそのことに気づかず寝ている。
そのことにトラットは気づくも、狸寝入りをしていた。
(……あの匂いは、なんでアイツあんな格好でここに来たんだ。それに何をおいていった? 匂いからして、食べもんじゃないな。ホットクかぁ……ふあ~、眠い……寝る)
そう思いトラットは再び眠る。
一方メーメルは、忍者服の男の匂いと気配に気づくも目を閉じ様子を伺っていた。
(……なんのつもりじゃ? 何を考えている。うむ、まぁ……危害を加えるつもりじゃないようじゃのう。それなら、やり易いかもしれぬ)
そう考えメーメルは再び眠ることにする。
▼△★▽▲☆▼△
翌朝になり私は、起きると枕元に何かあることに気がついた。
「……これなんだろう?」
上体を起こすと私は、枕元に置かれている物を取る。
「手紙と袋……何か入ってるみたいだけど、なんだろう?」
そう言い袋を開け中を覗いてみた。
「ルイ、それはなんだ?」
そう言いメーメルは、私の方にくる。
「んー……なんだろう。起きたら、枕元にあったの」
私はそう言い袋から出した。
それはピンク色の魔石が埋め込まれている、小指用の指輪である。
「うわぁー、可愛い。誰がくれたのかな?」
「本当に誰がそんな可愛い指輪を……いいなぁ」
そう言いメーメルは、羨ましそうに指輪をみた。
私は手紙に何か書かれているかもと思い封筒を開ける。そして手紙を取りだし黙読した。
そこには……。
【――袋の中の指輪は、俺を呼ぶためのアイテムだ。もし何かあったらこれに魔力を注ぎ助けてと念じてくれ。さすれば俺が即座に駆け付ける。ただ、ヤツラの尻尾を掴んでからだ。――――」
そう書かれている。
私はそれを読み首を傾げた。その後その手紙を、メーメルに渡しみせる。
「うむ、何を考えているんだ?」
「ん? メーメル知ってるの。これをくれた人が誰か」
「あ……ううん、知らない。ただ昨晩、誰か来てたみたいだからな」
そう言いメーメルは苦笑した。
メーメル、どうしたのかな? 何か誤魔化しているようにみえる。でも……いいか、これをくれた人は悪い人じゃないみたいだしね。
そう思い指輪をみる。
「この指輪、鎖に通して首にぶら下げておくね」
「その方がよいな。女性にとっての指輪は、特別な意味をもっている」
そう言われ私は、ウンっと頷いた。
指輪に鎖を通すと首にぶら下げる。
それから私はその後も、メーメルと話をしていた。
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