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第六章

大がかりな仕掛け

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 刻々と時間が過ぎていく……。



 ――時間との闘い。泪とグレイフェズ……ムドルとベルべスクは、あれから着々と厄災の魔法陣を撤去していった。だが残ってる魔法陣の数が多く、まだ全て消し終わっていない。

 時間が迫ってくる。それでも泪たちは、ひたすら魔法陣を探し消していく……。



 ――ルべルスト城ではシュウゼルが、描かれた魔法陣をみつめ、時がくるのを今か今かと待っている……。



 ――その頃アクロマスグにいるティハイドは笑みを浮かべながら、魔法陣が描かれた祭壇の上の箱をみていた。祭壇の南側ではカロムが待機している……。



 ここはバールドア城。そしてその時がきた。

 泪たちが、ひたすら魔法陣を撤去するも間に合わず……残りの魔法陣は眩い光を放ち展開されていく。

 広場の民衆は、何が起きたのかと……ただ呆然とみていた。

 魔法陣が展開されるのをみてグレイは、間に合わなかったと思い悔しがる。

 泪はどうしたら良いのか分からなくなり、泣きそうになっていた。

 そんな中ムドルとベルべスクは、なぜか冷静である。そして二人は、泪とグレイが居る東側へと向かう。



 ――場所は、ルべルスト城へと移る――


 城の地下では、血で描かれた魔法陣が光って浮かび上がった。そして魔法陣が、展開されていく。数名の魔導師たちは、その魔法陣に目掛け魔力を注いでいる。

 そんな中シュウゼルは、魔法陣に黒い水晶を掲げ、魔族語で詠唱していた。

 《他の地とランイロ現の地デノンイ 異のヒン空間ムフマノ 一つからシロマタ無数のクユフンヒロ ナネ命じるテヒビツ それらをヨネタヌ繋げルワデられたし!!タネラリ

 そう唱え終える。

 すると魔法陣が黒く光を放ち、更に展開されていく。



 ――場所は変わり、ティハイドの屋敷に隣接している教会風の建物――


 祭壇の上に描かれた魔法陣が発光する。

 それを確認したカロムは、詠唱し始めた。

 《別次元と現次元 封印されし厄 我、命ず その封印を解き それらを他の地へ解き放たれたし!!》

 そう言い放つ。すると描かれた魔法陣が赤黒く光る。それと同時に、祭壇の上の箱が光を放った。

 その箱の蓋が開く。箱を覆うように、描かれた魔法陣が浮かび上がり展開される。

 次いで、開いた箱から黒い光が放たれ魔法陣が展開されていく。と同時に箱を覆っていた魔法陣は、更に光を強めた。

 箱から現れた魔法陣から黒いものが解き放たれる。それらは祭壇の魔法陣へと吸い込まれていく。



 ――その箱から解き放たれた黒いもの……厄災は、ここアクロマスグの祭壇の魔法陣を通りルべルスト城の祭壇の魔法陣へ移動した。

 その後、厄災はルべルスト城の魔法陣を通り……バールドア城に仕掛けられた魔法陣から外に解き放たれる――
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