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阿蘇ダンジョン攻略編
嫉妬を隠して
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地下7階のボスと木下が対峙している。
今の時間は18時40分付近。
地下6階ほど広くはなかったが、各所に罠が点在していたようで、ここに来るまでに木下に何度か教えられた。
僕が先行していたらもっと時間が掛かっていただろう。
「くっ! 捕まらねぇ!」
大狼の強化版が広間を縦横無尽に駆けている。
大きさはA級と同じなのだが、頭・胴・足に金属の装備が付いている。
木下は縄によるバインドにこだわっているのか、赤い炎の線が時々現れてはいるが、全て食い千切られるか引き千切られていた。
まず、立ち位置が悪い。
遠距離戦ならなるべく避けやすい広間の中央に立つのはアリなのだが、スピードが明らかに得意としているモンスターを相手に駆けやすい空間を与えるのは間違っている。
僕なら何処かの壁に背を預けて、飛びかかって来たらスキルの範囲内に入れるかな。
「こぉのぉ!」
炎の縄で上手く誘導させたのか、向かって来た。
木下はタイミングを合わせて大剣を振るうが、狙っていた左前足の金属の装備に阻まれた。
これで木下に不利な条件が一つ増えた。
狼はより警戒して戦いを慎重に進めるだろう。
・・・長期戦か・・・。
僕は閉まっている扉に背を預けた。
ここに入る前に、危機的状況にならない限り手を出さないと木下と約束をしているため、移動もせずに状況が変わるのを待っていた。
動物系は危機察知能力が高いため、僕が移動するだけで注意がこちらに向いてしまう。
木下のおかげで時間を短縮は出来ているのだから、その分の時間を木下のために使うのはアリなのだろうが・・・、
「もう少し・・・もうちょっと・・・」
壁に寄れば、次に狼が飛びかかって来た時に避けて、即座に攻撃に移って相手の空間を削ることができる!
だが木下はその場から動かずに、炎の槍を幾つも作って間をおかずに撃ち出す。
狼は1・2本は当たるが他の槍は全て避けていく。
壁を走ったり飛び跳ねたり。
僕が動ければあの動きも制限出来るのだが・・・。
そう考えていると、木下が彼自身を囲むように槍を作り出した。
数が多すぎて木下の姿が隠れてしまった。
って!
アイツからも狼の姿見えないだろ!
一歩前に出ようとして・・・炎の中から木下の目が見えた。
動くなと・・・言っている気がして、足を戻す。
そして、炎の槍が僕を避けた全方位に発射された!
全方位攻撃を単体の敵に対して使う理由。
もしその理由があるとするなら、確実に敵に攻撃を与えたいとき。
「よーし。成功だ」
狼が大縄に縛られている。
口と胴と足を縛られ僅かに前足だけが動くのみ。
・・・なぜこの狼は木下の槍に擬態した縄をまともに受けた?
全方位攻撃とはいえ、狼も当たりそうなのは撃ち落とすことが出来たはずだ。
「ブラフって言うのかな? 間違った情報って致命的だよな。俺も気をつけねーと」
木下が身をブル! と震わせて背筋を曲げる。
ブラフ?
誤情報?
考えられるのは・・・全方位の前に撃ち続けていた炎の槍か!
足や体に当たっても痛くも痒くもないと思わせたのか!
「京平、止めは頼んでいいか?」
「分かった。身を守っている炎や熱の操作を頼む」
「任せろ」
僕は狼の胴体の金属の上に飛び乗ってその強度を確認する。
確かに木下だと、それなりに力を込めないとこの装備を突破することは難しいだろう。
ギギギギギっと金属が歪む音が響き出した。
狼の目が僕を見る。
僕は気にせず右足を上げて、気合を入れて思いっきり踏んだ。
ガコーン! と金属同士が打ち合って音が広間に響き渡る。
それを何度か繰り返すと、狼が血を吐きボキバキと骨が何本か折れた。
足を止めることなく蹴り続けていると、骨が折れるのとは別にグチャっと何かを潰した感触がして狼の体が光に変わり始めた。
金属の装備は歪ませることは出来たが、破壊までには至らなかったのが残念だ。
落ちた魔石はメロンタイプ。
一度それを持ち上げ、木下は渋い顔をして投げ捨てた。
荷物になるものは捨てる。
如月さんを見つけるまでは、手持ちは少なくしなければならない。
木下は陽炎を出して・・・なぜか止まった。
「どうした?」
木下が壁の方を見た。
僕も釣られてその方向を見ると、それは過去僕が見た中で一番小さいサイズで存在していた。
ふらふらと木下はそれに・・・宝箱に近づき・・・蓋を開けた。
木下が中から取り出したのは、小さな瓶だった。
中には赤紫の液体が入っていて、僕はそれが何なのか気づいて指をさす。
「木下・・・」
「何だこれ?」
木下が小瓶を乱暴に振った。
馬鹿タレ!
「木下! 丁寧に扱え!」
「うわ! ビックリした!」
「落とすな! 落とすなよ・・・」
僕の剣幕に、木下はようやく今手に持っているものが大切なものだと理解してしっかりと両手で握った。
「ポーションだ。それも欠損再生も可能とされている紫色の上、赤紫色。それがあれば、例え如月さんがどんな状態でも生きている限り回復できるぞ!」
「こ・・・こいつで!」
この映像と声がオペレーター室に届いているのなら、おそらく彼らも喜んでいるだろう。
とてつもない強運。
僕なら見過ごしていた。
それほど小さな宝箱。
本当に・・・木下を助けようとするかのようなタイミングだ。
・・・3人は助けてくれなかったのに?
グッと奥歯を噛む。
人一人救えるんだ。
喜ばなくては・・・。
「大事に持ってなよ。入れ物はガラスと一緒の強度しかないってネットには書いてたから」
「・・・京平のバッグに入れて」
「魔石とぶつかって割れるぞ。他にもお香とか食べ物とかいろんな物が入っているんだから、それを入れるのは勘弁して」
海外では奇跡の水として高額で取引されていたはずだ。
バッグの中でこぼしたとか、全く笑えないから絶対に入れたくない。
木下としっかりと話をして、木下がしっかり持つことに決まった。
彼女の運命はお前が守れよ! と言ったのが効いたようだ。
「くっ! ここでいいかな? 京平はどう思う!?」
胸に燃えない炎でガッチリと固定しているが、今までみたいに物理無効だからと攻撃を受けることが出来なくなった。
「しっかり守れよ。どんな攻撃が来ても全部受ければ大丈夫だ」
「日和子の命がここにあると思えば、絶対守れる。全部受け切る」
「お前なら出来るよ」
僕は今・・・上手く受け答えしているだろうか?
挙動不審な態度をとっていないだろうか?
・・・何でダンジョンはこんなタイミングでポーションを出したんだろう?
・・・あの時も、同じように探せば何処かに宝箱があったんだろうか?
「8階へは・・・階段か。お香を焚いて休憩を取ろう。それからオペレーター室と最後の連絡になると思うから、如月さんの状況を確認して、しっかり寝てから明日は挑もう」
「俺もこの瓶を守りながら移動しないといけないからな・・・体力も精神力も明日は満タンで行くぜ」
木下に周辺の熱を調整してもらってその場に座った。
食事は変わらず簡易バー。
如月さんが8階に居れば、これ以上バーに頼る必要はないのだが・・・。
「どなたか聞こえますか?」
『聞こ・・・わよ。・・・つら・・・なんとか・・・』
すごく途切れていてほぼ何を言っているのかわからなくなってきた。
「鬼木さんですか?」
『? 何かい・・・』
「お・に・き・さ・ん・で」
『そう・・・』
如月さんがいる場所はもっと通信が悪いのだろうか?
「今、7階に来ています。如月さんの電波はもっと悪いですか?」
なるべくゆっくり言って、少しでも言葉が電波に乗るように心がける。
『もっと悪い・・・状況・・・た』
もっと悪いって事は確実だろう。
状況が何なのかは分からないが、そこまで重要な内容ではないだろう。
今推測しなければならないのは、もっと悪いのが6階から7階の電波の差から考えて何階に居るかだ。
「鬼木さんは、如月さんが何階に居ると思いますか?」
『9・・・運・・・良けれ・・・8階』
9階か・・・。
「分かりました。ありがとうございます」
「誰と話をしたんだ?」
僕が通話を終えたタイミングで木下が声をかけてきた。
「元2級の鬼木さん」
「日和子はどこに居そうって?」
「9階。僕の会話の状況から出した答えだから多分正しい」
僕は元リュックの中にある食料を確認する。
1日目をかなり絞ったから残り二箱ある。
バーは8本・・・。
「木下、あと1本食べていいよ。水もコップ2杯までいい」
「大丈夫なのか?」
「お前が動けなくなることの方がまずい。しっかり食べて休んで」
「分かった」
8階がどのくらいの広さかはまだ分からないが、生物は僕が対応してスキルが効かないモンスターは彼に対応してもらわないといけない。
もし8階に1日かけることになるなら・・・9階は4日目だ。
ポーションがある。
木下は運がいい。
その二つに賭けよう。
今の時間は18時40分付近。
地下6階ほど広くはなかったが、各所に罠が点在していたようで、ここに来るまでに木下に何度か教えられた。
僕が先行していたらもっと時間が掛かっていただろう。
「くっ! 捕まらねぇ!」
大狼の強化版が広間を縦横無尽に駆けている。
大きさはA級と同じなのだが、頭・胴・足に金属の装備が付いている。
木下は縄によるバインドにこだわっているのか、赤い炎の線が時々現れてはいるが、全て食い千切られるか引き千切られていた。
まず、立ち位置が悪い。
遠距離戦ならなるべく避けやすい広間の中央に立つのはアリなのだが、スピードが明らかに得意としているモンスターを相手に駆けやすい空間を与えるのは間違っている。
僕なら何処かの壁に背を預けて、飛びかかって来たらスキルの範囲内に入れるかな。
「こぉのぉ!」
炎の縄で上手く誘導させたのか、向かって来た。
木下はタイミングを合わせて大剣を振るうが、狙っていた左前足の金属の装備に阻まれた。
これで木下に不利な条件が一つ増えた。
狼はより警戒して戦いを慎重に進めるだろう。
・・・長期戦か・・・。
僕は閉まっている扉に背を預けた。
ここに入る前に、危機的状況にならない限り手を出さないと木下と約束をしているため、移動もせずに状況が変わるのを待っていた。
動物系は危機察知能力が高いため、僕が移動するだけで注意がこちらに向いてしまう。
木下のおかげで時間を短縮は出来ているのだから、その分の時間を木下のために使うのはアリなのだろうが・・・、
「もう少し・・・もうちょっと・・・」
壁に寄れば、次に狼が飛びかかって来た時に避けて、即座に攻撃に移って相手の空間を削ることができる!
だが木下はその場から動かずに、炎の槍を幾つも作って間をおかずに撃ち出す。
狼は1・2本は当たるが他の槍は全て避けていく。
壁を走ったり飛び跳ねたり。
僕が動ければあの動きも制限出来るのだが・・・。
そう考えていると、木下が彼自身を囲むように槍を作り出した。
数が多すぎて木下の姿が隠れてしまった。
って!
アイツからも狼の姿見えないだろ!
一歩前に出ようとして・・・炎の中から木下の目が見えた。
動くなと・・・言っている気がして、足を戻す。
そして、炎の槍が僕を避けた全方位に発射された!
全方位攻撃を単体の敵に対して使う理由。
もしその理由があるとするなら、確実に敵に攻撃を与えたいとき。
「よーし。成功だ」
狼が大縄に縛られている。
口と胴と足を縛られ僅かに前足だけが動くのみ。
・・・なぜこの狼は木下の槍に擬態した縄をまともに受けた?
全方位攻撃とはいえ、狼も当たりそうなのは撃ち落とすことが出来たはずだ。
「ブラフって言うのかな? 間違った情報って致命的だよな。俺も気をつけねーと」
木下が身をブル! と震わせて背筋を曲げる。
ブラフ?
誤情報?
考えられるのは・・・全方位の前に撃ち続けていた炎の槍か!
足や体に当たっても痛くも痒くもないと思わせたのか!
「京平、止めは頼んでいいか?」
「分かった。身を守っている炎や熱の操作を頼む」
「任せろ」
僕は狼の胴体の金属の上に飛び乗ってその強度を確認する。
確かに木下だと、それなりに力を込めないとこの装備を突破することは難しいだろう。
ギギギギギっと金属が歪む音が響き出した。
狼の目が僕を見る。
僕は気にせず右足を上げて、気合を入れて思いっきり踏んだ。
ガコーン! と金属同士が打ち合って音が広間に響き渡る。
それを何度か繰り返すと、狼が血を吐きボキバキと骨が何本か折れた。
足を止めることなく蹴り続けていると、骨が折れるのとは別にグチャっと何かを潰した感触がして狼の体が光に変わり始めた。
金属の装備は歪ませることは出来たが、破壊までには至らなかったのが残念だ。
落ちた魔石はメロンタイプ。
一度それを持ち上げ、木下は渋い顔をして投げ捨てた。
荷物になるものは捨てる。
如月さんを見つけるまでは、手持ちは少なくしなければならない。
木下は陽炎を出して・・・なぜか止まった。
「どうした?」
木下が壁の方を見た。
僕も釣られてその方向を見ると、それは過去僕が見た中で一番小さいサイズで存在していた。
ふらふらと木下はそれに・・・宝箱に近づき・・・蓋を開けた。
木下が中から取り出したのは、小さな瓶だった。
中には赤紫の液体が入っていて、僕はそれが何なのか気づいて指をさす。
「木下・・・」
「何だこれ?」
木下が小瓶を乱暴に振った。
馬鹿タレ!
「木下! 丁寧に扱え!」
「うわ! ビックリした!」
「落とすな! 落とすなよ・・・」
僕の剣幕に、木下はようやく今手に持っているものが大切なものだと理解してしっかりと両手で握った。
「ポーションだ。それも欠損再生も可能とされている紫色の上、赤紫色。それがあれば、例え如月さんがどんな状態でも生きている限り回復できるぞ!」
「こ・・・こいつで!」
この映像と声がオペレーター室に届いているのなら、おそらく彼らも喜んでいるだろう。
とてつもない強運。
僕なら見過ごしていた。
それほど小さな宝箱。
本当に・・・木下を助けようとするかのようなタイミングだ。
・・・3人は助けてくれなかったのに?
グッと奥歯を噛む。
人一人救えるんだ。
喜ばなくては・・・。
「大事に持ってなよ。入れ物はガラスと一緒の強度しかないってネットには書いてたから」
「・・・京平のバッグに入れて」
「魔石とぶつかって割れるぞ。他にもお香とか食べ物とかいろんな物が入っているんだから、それを入れるのは勘弁して」
海外では奇跡の水として高額で取引されていたはずだ。
バッグの中でこぼしたとか、全く笑えないから絶対に入れたくない。
木下としっかりと話をして、木下がしっかり持つことに決まった。
彼女の運命はお前が守れよ! と言ったのが効いたようだ。
「くっ! ここでいいかな? 京平はどう思う!?」
胸に燃えない炎でガッチリと固定しているが、今までみたいに物理無効だからと攻撃を受けることが出来なくなった。
「しっかり守れよ。どんな攻撃が来ても全部受ければ大丈夫だ」
「日和子の命がここにあると思えば、絶対守れる。全部受け切る」
「お前なら出来るよ」
僕は今・・・上手く受け答えしているだろうか?
挙動不審な態度をとっていないだろうか?
・・・何でダンジョンはこんなタイミングでポーションを出したんだろう?
・・・あの時も、同じように探せば何処かに宝箱があったんだろうか?
「8階へは・・・階段か。お香を焚いて休憩を取ろう。それからオペレーター室と最後の連絡になると思うから、如月さんの状況を確認して、しっかり寝てから明日は挑もう」
「俺もこの瓶を守りながら移動しないといけないからな・・・体力も精神力も明日は満タンで行くぜ」
木下に周辺の熱を調整してもらってその場に座った。
食事は変わらず簡易バー。
如月さんが8階に居れば、これ以上バーに頼る必要はないのだが・・・。
「どなたか聞こえますか?」
『聞こ・・・わよ。・・・つら・・・なんとか・・・』
すごく途切れていてほぼ何を言っているのかわからなくなってきた。
「鬼木さんですか?」
『? 何かい・・・』
「お・に・き・さ・ん・で」
『そう・・・』
如月さんがいる場所はもっと通信が悪いのだろうか?
「今、7階に来ています。如月さんの電波はもっと悪いですか?」
なるべくゆっくり言って、少しでも言葉が電波に乗るように心がける。
『もっと悪い・・・状況・・・た』
もっと悪いって事は確実だろう。
状況が何なのかは分からないが、そこまで重要な内容ではないだろう。
今推測しなければならないのは、もっと悪いのが6階から7階の電波の差から考えて何階に居るかだ。
「鬼木さんは、如月さんが何階に居ると思いますか?」
『9・・・運・・・良けれ・・・8階』
9階か・・・。
「分かりました。ありがとうございます」
「誰と話をしたんだ?」
僕が通話を終えたタイミングで木下が声をかけてきた。
「元2級の鬼木さん」
「日和子はどこに居そうって?」
「9階。僕の会話の状況から出した答えだから多分正しい」
僕は元リュックの中にある食料を確認する。
1日目をかなり絞ったから残り二箱ある。
バーは8本・・・。
「木下、あと1本食べていいよ。水もコップ2杯までいい」
「大丈夫なのか?」
「お前が動けなくなることの方がまずい。しっかり食べて休んで」
「分かった」
8階がどのくらいの広さかはまだ分からないが、生物は僕が対応してスキルが効かないモンスターは彼に対応してもらわないといけない。
もし8階に1日かけることになるなら・・・9階は4日目だ。
ポーションがある。
木下は運がいい。
その二つに賭けよう。
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