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宝箱探索編
安全を求めるなら
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ポータルの前で、一旦周囲を安全にして少しだけ休憩した。
「B級魔石は拾わないでいくの?」
「うーん、予備の分だけ持っていこうか」
僕の分を4つと莉乃の1つをカバンに入れてポータルに入ってスキルを使う。
ポトリと上からトカゲが落ちて、続けて僕の背中に莉乃が乗った。
とりあえずトカゲを踏み潰してスキルを切る。
「それじゃ、今回は生命力吸収を極力使わない方向で」
「ドラゴンバスターを使ったら、20分休憩ね」
「他に気になるとこってありますか?」
「特にはないかな。あ、そういえば、MAP機能が付いたって言ってなかった?」
「そういえば、装備を受け取った時に言ってましたね。耳のダイヤルだったかな?」
僕は耳についている突起をカチカチと回転させると、フェイスガードに半透明の地図が映し出された。
「前回の場所まで網羅されてますね」
「休憩ポイントまで記してあるよ。探索が楽になるね!」
「僕は莉乃さんの位置が確認できるのがいいと思いましたよ。これでスキル範囲にみんなが巻き込まれないか心配せずに済みます」
「これってリアルタイムで更新されるのかな?」
「僕らの歩幅で距離を計算しているのみたいですね。戦闘中は計測できないかもしれない」
「戦闘中はMAPは見ないから問題ないけどね」
僕らは僕の加重が十分な重さになったのを確認して探索を始める。
「・・・よかった。カバがいた」
安定のスモモ魔石だ。
「それじゃ、2人で倒そうか!」
「意外と素早いので注意してくださいね」
他のモンスターは、赤いスライムと赤い岩を纏ったトカゲが1匹ずつ。
2人同時に駆け出し、莉乃がカバに、僕はトカゲに向かった。
安易に飛んで踏みつけようとはしない。
生命力吸収が効いているならそれが一番だが、今の相手は動けるのだから。
トカゲも僕を迎え撃とうと、大きく口を開けて突進してきた。
僕はその顎門を避けて、相手の体についた岩を掴もうと手を伸ばすが、トカゲも体を捻って僕の手を避けた。
その捻りを利用して、尻尾が振り回されてきたので、ラッキーと思ってそれを受け止める。
「ガァ!?」
「衝撃は無効なんだ。悪いな!」
尻尾を抱きしめて、僕は体をグルリと一回転する。
トカゲもその力に抗いきれずに、ゴロンと仰向けに転がった。
そのお腹を右足踏みつけると、その重さに耐えきれなかったのか、ベキベキっと音を立てて骨らしきものが折れてぐったりと動かなくなった。
「次はスライム!」
まだ消えていないトカゲの体を持ち上げて、スライムめがけて思いっきり投げる。
スライムは体を大きくしてそれを受け止めた。
避けることも出来たのだろうが、スライムが何を考えて受け止めたのかは分からない。
だが、それを見逃さず、僕は右足のレバーを上げた。
「しっかり食らえ!」
まだ外に出ているトカゲの身体を踵で蹴った。
B級魔石のエネルギーが破壊の力となって放出され、トカゲの体とスライムを貫いて壁に当たって消えていく。
スライムもこの攻撃には耐えれなかったのか、紫の光となってトカゲ共々消えていった。
「スモモ魔石・・・ラッキーだな」
足元に落ちたスモモ魔石とB級魔石を拾って莉乃を見た。
莉乃は壁を蹴ったり天井を蹴ったりしてカバの火を避けながら、隙を見ては槍でその目を狙っていた。
しかし、カバも自分の弱点を理解していて、槍が狙う度に顔を振って額や口で攻撃を受ける。
速さでは莉乃が上だが、カバの防御力に対して彼女の攻撃力が足りなさすぎだ。
「行きます!」
僕が走って飛び蹴りしようとジャンプする。
カバも僕に気づいてその場墓離れようと動いたところで、莉乃が目を突き刺そうと襲い掛かる。
「ゴォォォオオオオオ!」
「ああ! 惜しい!」
槍は刺さらず目の上で弾かれる。
だけど、動きは止まったので飛び蹴りの流れでカバに飛び乗った。
「よし!」
「ゴフォ!」
ゴキンと音がして背骨が折れた感触がした。
完全に動きが止まったので、頭に移動して思いっきり踏み潰した。
「最初の部屋でスモモが2個はいい調子ですね」
完全に消えて残された魔石をバックの中に入れる。
「うー、もうちょっと攻撃力が欲しいよ」
「宝箱に期待しましょう。超レアにも色々な種類があるから、何がくるかも運ですからね」
「本当に宝箱って全部運だから、何がきても文句は言えないよ」
「言えませんね」
ゆっくり話をして、20分しっかり休んでから足の魔石を入れ替えた。
3発連続で撃てないため、カードリッジが3つもいらないと思うが、混戦になった際は、入れ替え作業をする暇が作れない時もあるため必要らしい。
「左は前回行きましたから、今日は右から行ってみますか」
「そうだね。会ったこともないモンスターもいるかもしれないしね」
右の道を選んで2人で進んでいき、時折出てくる精霊やスライム、トカゲ、蝙蝠を倒しながら次の広間についた。
「狼ですね」
「2人で・・・やってみよっか」
向こうも僕らの存在に気づいているようだ。
大狼の周囲には親分を守るかのように、普通の大きさの狼が3匹。
いずれも炎を纏っている。
ブラックドラゴンほどの火力はないはずだから、今の装備でも耐えれるはずだ。
前回は莉乃たちが戦ったしね。
「それじゃ、僕が最初に大狼の相手をするので、あの3匹をお願いします」
「いいの? 多分時間稼ぎなら私の方が相性いいよ?」
「生命力吸収なしで、僕がどれぐらいA級と戦えるか知りたいので」
「分かった。危なくなったら遠慮なくスキル使ってね」
「うん」
まず僕が中に入る。
すると、狼が揃って唸り出した。
僕を威嚇しているのだろうが、全く問題ない。
ゆっくり歩いてくる僕に時れたのか、眷属らしい狼が2匹飛びかかってきた。
「はい、ダメー」
ドスン! と莉乃が横から突っ込んできて、1匹の脇腹に槍を突き刺し、そのまま2匹目に衝突して跳ね飛ばす。
3匹目の注意がそちらに向いたのを確認して、僕も大狼に突撃した。
大狼はまず爪で攻撃してきた。
殺傷能力が高く、斬撃まで発生させる。
僕は大袈裟に避けて、絶対に斬撃の範囲内に入らないように移動する。
莉乃も同じように分かってて、大狼の攻撃のラインに入らないようにしていた。
僕が弧を描くように移動して大狼の腹に一撃を与えようと手を伸ばす。
だが、大狼は飛び跳ねて壁を走り、僕からかなり距離を空けた。
「グルルルルァァァァァァァアアアアアア!」
咆哮が広間を響かせる。
うるさくて思わず耳を手で覆った。
装備があるのではっきりいって意味ない行動なのだが、それだけ強烈な音が鳴り響いた。
「うるさい! 莉乃さん! 大丈夫ですか!」
「くーっ! ジェットを壁に当ててるから大丈夫! 京平くん気をつけて!」
咆哮が途切れた! と思ったら目の前に大狼の牙が迫っていた。
「このっ!」
上と下の牙を掴んで噛まれまいと力を込める。
大狼も、ここで僕を排除するつもりなのだろう、噛む力が一段と増した。
「ふざけるなよ!」
下顎に右足を乗せて加重を利用して下顎を踏みつける。
流石に重すぎたのか、離れようとした大狼の上顎の犬歯を両手で掴んだ。
「離すか。顎を外しやがれ!」
向こうは閉じる力、こっちは開く力。
ギリギリと力が拮抗しているなか、別の力が大狼に襲いかかった。
「私を忘れないで!」
単槍が大狼の目を抉った。
「ギャォォォォォオオオオオオオオ!」
今日一番の叫び声が響いた。
「私も君を一回倒してるのォォォ。無視しないでよォォォ」
単槍を引き抜いて、僕の横に降りた。
「まさかドラゴンバスターをこんなに使うことになるとは」
僕は右足のレバーを上げる。
「普通よ。今の装備があるから倒せるけど、無かったら、確実にやられてるよ、私たち」
僕は大狼が僕らを見るために顔を下ろした瞬間を捉えて、その鼻の頭を蹴った。
大狼の頭の上半分が消し飛んでいく。
その巨体が思い出したかのように倒れて、紫の光に変わるのを確認して、僕らもようやく力を抜いた。
「宝箱が目的ですし、生命力吸収使いますか」
「そだね~」
A級相手はキツイです。
「B級魔石は拾わないでいくの?」
「うーん、予備の分だけ持っていこうか」
僕の分を4つと莉乃の1つをカバンに入れてポータルに入ってスキルを使う。
ポトリと上からトカゲが落ちて、続けて僕の背中に莉乃が乗った。
とりあえずトカゲを踏み潰してスキルを切る。
「それじゃ、今回は生命力吸収を極力使わない方向で」
「ドラゴンバスターを使ったら、20分休憩ね」
「他に気になるとこってありますか?」
「特にはないかな。あ、そういえば、MAP機能が付いたって言ってなかった?」
「そういえば、装備を受け取った時に言ってましたね。耳のダイヤルだったかな?」
僕は耳についている突起をカチカチと回転させると、フェイスガードに半透明の地図が映し出された。
「前回の場所まで網羅されてますね」
「休憩ポイントまで記してあるよ。探索が楽になるね!」
「僕は莉乃さんの位置が確認できるのがいいと思いましたよ。これでスキル範囲にみんなが巻き込まれないか心配せずに済みます」
「これってリアルタイムで更新されるのかな?」
「僕らの歩幅で距離を計算しているのみたいですね。戦闘中は計測できないかもしれない」
「戦闘中はMAPは見ないから問題ないけどね」
僕らは僕の加重が十分な重さになったのを確認して探索を始める。
「・・・よかった。カバがいた」
安定のスモモ魔石だ。
「それじゃ、2人で倒そうか!」
「意外と素早いので注意してくださいね」
他のモンスターは、赤いスライムと赤い岩を纏ったトカゲが1匹ずつ。
2人同時に駆け出し、莉乃がカバに、僕はトカゲに向かった。
安易に飛んで踏みつけようとはしない。
生命力吸収が効いているならそれが一番だが、今の相手は動けるのだから。
トカゲも僕を迎え撃とうと、大きく口を開けて突進してきた。
僕はその顎門を避けて、相手の体についた岩を掴もうと手を伸ばすが、トカゲも体を捻って僕の手を避けた。
その捻りを利用して、尻尾が振り回されてきたので、ラッキーと思ってそれを受け止める。
「ガァ!?」
「衝撃は無効なんだ。悪いな!」
尻尾を抱きしめて、僕は体をグルリと一回転する。
トカゲもその力に抗いきれずに、ゴロンと仰向けに転がった。
そのお腹を右足踏みつけると、その重さに耐えきれなかったのか、ベキベキっと音を立てて骨らしきものが折れてぐったりと動かなくなった。
「次はスライム!」
まだ消えていないトカゲの体を持ち上げて、スライムめがけて思いっきり投げる。
スライムは体を大きくしてそれを受け止めた。
避けることも出来たのだろうが、スライムが何を考えて受け止めたのかは分からない。
だが、それを見逃さず、僕は右足のレバーを上げた。
「しっかり食らえ!」
まだ外に出ているトカゲの身体を踵で蹴った。
B級魔石のエネルギーが破壊の力となって放出され、トカゲの体とスライムを貫いて壁に当たって消えていく。
スライムもこの攻撃には耐えれなかったのか、紫の光となってトカゲ共々消えていった。
「スモモ魔石・・・ラッキーだな」
足元に落ちたスモモ魔石とB級魔石を拾って莉乃を見た。
莉乃は壁を蹴ったり天井を蹴ったりしてカバの火を避けながら、隙を見ては槍でその目を狙っていた。
しかし、カバも自分の弱点を理解していて、槍が狙う度に顔を振って額や口で攻撃を受ける。
速さでは莉乃が上だが、カバの防御力に対して彼女の攻撃力が足りなさすぎだ。
「行きます!」
僕が走って飛び蹴りしようとジャンプする。
カバも僕に気づいてその場墓離れようと動いたところで、莉乃が目を突き刺そうと襲い掛かる。
「ゴォォォオオオオオ!」
「ああ! 惜しい!」
槍は刺さらず目の上で弾かれる。
だけど、動きは止まったので飛び蹴りの流れでカバに飛び乗った。
「よし!」
「ゴフォ!」
ゴキンと音がして背骨が折れた感触がした。
完全に動きが止まったので、頭に移動して思いっきり踏み潰した。
「最初の部屋でスモモが2個はいい調子ですね」
完全に消えて残された魔石をバックの中に入れる。
「うー、もうちょっと攻撃力が欲しいよ」
「宝箱に期待しましょう。超レアにも色々な種類があるから、何がくるかも運ですからね」
「本当に宝箱って全部運だから、何がきても文句は言えないよ」
「言えませんね」
ゆっくり話をして、20分しっかり休んでから足の魔石を入れ替えた。
3発連続で撃てないため、カードリッジが3つもいらないと思うが、混戦になった際は、入れ替え作業をする暇が作れない時もあるため必要らしい。
「左は前回行きましたから、今日は右から行ってみますか」
「そうだね。会ったこともないモンスターもいるかもしれないしね」
右の道を選んで2人で進んでいき、時折出てくる精霊やスライム、トカゲ、蝙蝠を倒しながら次の広間についた。
「狼ですね」
「2人で・・・やってみよっか」
向こうも僕らの存在に気づいているようだ。
大狼の周囲には親分を守るかのように、普通の大きさの狼が3匹。
いずれも炎を纏っている。
ブラックドラゴンほどの火力はないはずだから、今の装備でも耐えれるはずだ。
前回は莉乃たちが戦ったしね。
「それじゃ、僕が最初に大狼の相手をするので、あの3匹をお願いします」
「いいの? 多分時間稼ぎなら私の方が相性いいよ?」
「生命力吸収なしで、僕がどれぐらいA級と戦えるか知りたいので」
「分かった。危なくなったら遠慮なくスキル使ってね」
「うん」
まず僕が中に入る。
すると、狼が揃って唸り出した。
僕を威嚇しているのだろうが、全く問題ない。
ゆっくり歩いてくる僕に時れたのか、眷属らしい狼が2匹飛びかかってきた。
「はい、ダメー」
ドスン! と莉乃が横から突っ込んできて、1匹の脇腹に槍を突き刺し、そのまま2匹目に衝突して跳ね飛ばす。
3匹目の注意がそちらに向いたのを確認して、僕も大狼に突撃した。
大狼はまず爪で攻撃してきた。
殺傷能力が高く、斬撃まで発生させる。
僕は大袈裟に避けて、絶対に斬撃の範囲内に入らないように移動する。
莉乃も同じように分かってて、大狼の攻撃のラインに入らないようにしていた。
僕が弧を描くように移動して大狼の腹に一撃を与えようと手を伸ばす。
だが、大狼は飛び跳ねて壁を走り、僕からかなり距離を空けた。
「グルルルルァァァァァァァアアアアアア!」
咆哮が広間を響かせる。
うるさくて思わず耳を手で覆った。
装備があるのではっきりいって意味ない行動なのだが、それだけ強烈な音が鳴り響いた。
「うるさい! 莉乃さん! 大丈夫ですか!」
「くーっ! ジェットを壁に当ててるから大丈夫! 京平くん気をつけて!」
咆哮が途切れた! と思ったら目の前に大狼の牙が迫っていた。
「このっ!」
上と下の牙を掴んで噛まれまいと力を込める。
大狼も、ここで僕を排除するつもりなのだろう、噛む力が一段と増した。
「ふざけるなよ!」
下顎に右足を乗せて加重を利用して下顎を踏みつける。
流石に重すぎたのか、離れようとした大狼の上顎の犬歯を両手で掴んだ。
「離すか。顎を外しやがれ!」
向こうは閉じる力、こっちは開く力。
ギリギリと力が拮抗しているなか、別の力が大狼に襲いかかった。
「私を忘れないで!」
単槍が大狼の目を抉った。
「ギャォォォォォオオオオオオオオ!」
今日一番の叫び声が響いた。
「私も君を一回倒してるのォォォ。無視しないでよォォォ」
単槍を引き抜いて、僕の横に降りた。
「まさかドラゴンバスターをこんなに使うことになるとは」
僕は右足のレバーを上げる。
「普通よ。今の装備があるから倒せるけど、無かったら、確実にやられてるよ、私たち」
僕は大狼が僕らを見るために顔を下ろした瞬間を捉えて、その鼻の頭を蹴った。
大狼の頭の上半分が消し飛んでいく。
その巨体が思い出したかのように倒れて、紫の光に変わるのを確認して、僕らもようやく力を抜いた。
「宝箱が目的ですし、生命力吸収使いますか」
「そだね~」
A級相手はキツイです。
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