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第2話 皇女様は第二シード 【キャラ紹介/シルク】
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「一回戦で負けたら、母上に一生笑われるよ。ぼくは第二シードで、申請すれば三回戦まで免除なのに、準備運動で負けたら立ち直れない」
「第二シード? ……? シードってなに?」
シードというのは、前評判の高い剣士同士が緒戦でぶつからないよう、主催者側が組み合わせを作ることだ。
「優勝候補の剣士同士が一回戦で当たっちゃったら、盛り上がらないから、そうならないよう、わざと、強い剣士を離れたブロックにふりわけるんだ。それと、優勝したい剣士ばかりじゃなくて、カイトが言ったみたいに、一回戦突破が悲願の人もいるからね。そういう人には、一回戦でいきなり強い人って、悲しいし。できるだけそうならないよう、同じ力量の人とやれるよう、強いってわかってる剣士は、この大会では第二シードで三回戦、第一シードで五回戦からの参加が推奨されてるんだ。でも、ぼくは試合慣れしてないから、練習のつもりで一回戦から出るけど、たった八人の第二シードの一人だよ」
少し得意げに、ささやかな胸を張って見せるシルク。
「ちなみに、第一シードは二人で、先代剣聖の後を継いでカイム・サンドの族長になったメイヴェルと、シグルド王国の王太子サリ。メイヴェルが実力派で本命だけど、もしも、サリ戦でメイヴェルが魔法戦を承服したら、勝敗はわからなくなるって。みんな、決勝はメイヴェル対サリの魔法許可戦だと面白いって、期待してるんだ。ぼくも見たい。サリは魔剣士で、すごく、かっこいいよ。魔法戦のサリは、夢みたいに綺麗なんだ。メイヴェルだって、もちろん負けてないと思うけどね! 魔法戦になったら、カイム・サンドお家芸の『使霊』が披露されるかもしれなくて、剣で魔法を斬り裂けるのなんて、カイム・サンドの剣士くらいのものだから、もう、見逃せない!」
だんだん興奮してきたのか、シルクが桜色に頬を染めて熱弁する。とても愛らしい。
一方、カイトはシルクの愛らしさにどぎまぎしながらも、聞いた内容に、改めて驚いた。
「シルクさん、サリ王子、見たことがあるの?」
「もちろん、あるよ。二つ年上の従兄だもん。手合わせしてもらったこともあるよ。強かったぁ」
メイヴェルとは闘ったことがないから、是非とも当たりたいんだと、またまた、興奮するシルク。
シルクが大帝国カムラの皇女であることをカイトが知るのは、別れ際になってのことなのだった。
===========
◆ 占いの館 ◆
===========
※ 物語を読み進めるにあたって、把握する必要はありません。
※ 『賢者様の仲人事情』を知っていたら、ツッコミどころ満載なヤツですが、知らなくても何の問題もありません。
☆ シルク(16歳) … 物語の主人公。カムラ帝国の第二皇女。
【フルネーム】シルフィランキシィ・ライゼルファン・リフェイア・アド・カムラ
☆ 気になる異性
1.サリ【C】 … 従兄(いとこ)にあたる、シグルド王国の王太子。
2.メイヴェル【C】 … 再従兄(はとこ)にあたる、砂の国カイム・サンドの族長。先代剣聖の後継者。
☆ 信頼する人
1.クリストファ【S】 … 天使憑きの兄皇子。
2.ティリス【B】 … 母皇妃。
3.アルディナン【C】 … 死霊術師な兄皇子。
「第二シード? ……? シードってなに?」
シードというのは、前評判の高い剣士同士が緒戦でぶつからないよう、主催者側が組み合わせを作ることだ。
「優勝候補の剣士同士が一回戦で当たっちゃったら、盛り上がらないから、そうならないよう、わざと、強い剣士を離れたブロックにふりわけるんだ。それと、優勝したい剣士ばかりじゃなくて、カイトが言ったみたいに、一回戦突破が悲願の人もいるからね。そういう人には、一回戦でいきなり強い人って、悲しいし。できるだけそうならないよう、同じ力量の人とやれるよう、強いってわかってる剣士は、この大会では第二シードで三回戦、第一シードで五回戦からの参加が推奨されてるんだ。でも、ぼくは試合慣れしてないから、練習のつもりで一回戦から出るけど、たった八人の第二シードの一人だよ」
少し得意げに、ささやかな胸を張って見せるシルク。
「ちなみに、第一シードは二人で、先代剣聖の後を継いでカイム・サンドの族長になったメイヴェルと、シグルド王国の王太子サリ。メイヴェルが実力派で本命だけど、もしも、サリ戦でメイヴェルが魔法戦を承服したら、勝敗はわからなくなるって。みんな、決勝はメイヴェル対サリの魔法許可戦だと面白いって、期待してるんだ。ぼくも見たい。サリは魔剣士で、すごく、かっこいいよ。魔法戦のサリは、夢みたいに綺麗なんだ。メイヴェルだって、もちろん負けてないと思うけどね! 魔法戦になったら、カイム・サンドお家芸の『使霊』が披露されるかもしれなくて、剣で魔法を斬り裂けるのなんて、カイム・サンドの剣士くらいのものだから、もう、見逃せない!」
だんだん興奮してきたのか、シルクが桜色に頬を染めて熱弁する。とても愛らしい。
一方、カイトはシルクの愛らしさにどぎまぎしながらも、聞いた内容に、改めて驚いた。
「シルクさん、サリ王子、見たことがあるの?」
「もちろん、あるよ。二つ年上の従兄だもん。手合わせしてもらったこともあるよ。強かったぁ」
メイヴェルとは闘ったことがないから、是非とも当たりたいんだと、またまた、興奮するシルク。
シルクが大帝国カムラの皇女であることをカイトが知るのは、別れ際になってのことなのだった。
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◆ 占いの館 ◆
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※ 物語を読み進めるにあたって、把握する必要はありません。
※ 『賢者様の仲人事情』を知っていたら、ツッコミどころ満載なヤツですが、知らなくても何の問題もありません。
☆ シルク(16歳) … 物語の主人公。カムラ帝国の第二皇女。
【フルネーム】シルフィランキシィ・ライゼルファン・リフェイア・アド・カムラ
☆ 気になる異性
1.サリ【C】 … 従兄(いとこ)にあたる、シグルド王国の王太子。
2.メイヴェル【C】 … 再従兄(はとこ)にあたる、砂の国カイム・サンドの族長。先代剣聖の後継者。
☆ 信頼する人
1.クリストファ【S】 … 天使憑きの兄皇子。
2.ティリス【B】 … 母皇妃。
3.アルディナン【C】 … 死霊術師な兄皇子。
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