14 / 139
第一章 舞い降りた天使
第13話 伝説のゴリラ
しおりを挟む
「サイファ、ジャイロが納得するまで殴って」
やっぱり、殴らないと駄目なのかな。
気が進まないな。
「サイファ、おまえが今まで、誰も殴れなかったから、今のは油断してたんだかんな! オレが本気出したら、おまえなんかに殴られねぇ!」
あ。
ジャイロがそう言うのを聞いたら、初めて、殴れるか殴れないか、試してみたいと思って。
殴っちゃった。
殴れるみたい。
ジャイロ、がっかりしたかと思ったけど、オレはまだ本気出してないって、すごく嬉しそう。
ジャイロが楽しそうだから、僕も、訓練の成果を試すのが、なんだか楽しくなってきたみたい。
誰かに喜んでもらえることがあるのって、殴り合いでも、胸が高鳴るんだ。知らなかった。
そっか、ジャイロは殴り合いの、この高揚感が好きなんだね。
「おまえの攻撃なんざ、軽いんだよ! そんな、へなちょこパンチでオレを倒せるもんか! よけんな、この!」
「サイファ、思いっきりいって。サイファのへなちょこパンチじゃ、打ちどころが悪くてもジャイロが死んじゃったりしないから」
わ、デゼル!
笑わせないでよ、今、真面目にケンカしてるのに!
――あ、よかった。
ジャイロも肩を震わせてて、殴られなかった。
僕のパンチって、そんなにへなちょこなのかな。
ジャイロとデゼルが二人ともそう言うならそうなのかな。
じゃあ、思いっきりいってみる?
そうだよね、デゼルに殴られても、全然、痛くなさそうだし。
僕のパンチもあんなものなのかも。
思いっきりいったら、完璧に入って、ガッて、結構、重い音がした。
これ、ほんとに痛くないのかな。
信じられないって顔でジャイロが僕を見た。
「マジかよ……」
「ジャイロ、十発殴られっぱなしで、まだ、負けを認めないとか見苦しい」
「チッ、クショ」
最初に座っていた木箱をジャイロが蹴り飛ばしたから、念のため、デゼルを庇ったんだ。
デゼルを守るのは、闇主になった僕の役目だからね。デゼル、僕のことカッコいいと思ってくれたかな。
僕だって、デゼルにはカッコいいと思われたいから。
ジャイロ、悔しかったろうな。
ジャイロだってデゼルを可愛いと思って、好きだからプレゼントしたはずなのに、怒られて、泣かせて、嫌われて。
あげく、枝を折ったのがデゼルのせいになったんじゃ、つらいよね。
「じゃあ、サイファが勝ったから聞くけど、ジャイロ、たまに怪我をして学校に来るよね。誰にやられてるの」
「あぁ!? 知るか!」
「それで、クラスの弱い子に八つ当たりせずにいられないんだから吐きなさいよ! どうせ、家族の誰かでしょう」
「~! ゴリラだよ!」
「わかった。じゃあ、今度、ゴリラにやられそうになったら、サイファの家に逃げてきていいから。クラスで暴れるのはやめて」
えぇ!?
よく、わからない。
ジャイロの家の近くに野生のゴリラがいて、ジャイロでさえ敵わないとしたら、僕の家に逃げてこられて、母さんが襲われたら困るな。
「そんなの、サイファなんかに倒せるようなゴリラなら、オレだって黙ってやられてねぇ!!」
そうだよね。
数えてなかったけど、デゼルが数えてたみたいで十発殴ったらしいのに、ジャイロ、全然、平気そうなんだ。
やっぱり、ジャイロは強いよ。
「ゴリラの相手をサイファにさせたりしないよ。マリベル様に頼んで、きちんとした護衛を派遣してもらうから」
「マジかよ……」
そっか、そうなんだ。
それなら安心かな。
だけど、ジャイロは激しく首を横に振った。
「オレが逃げたら姉ちゃんが酷い目に遭わされるんだよ!」
「お姉さんも一緒に逃げてきていいよ」
ジャイロも大変なんだね。どこに住んでるんだろう。
公国の首都に野生のゴリラが出る危険地帯があるなんて、僕、知らなかった。
「お姉さん、なんていうの?」
「――ユリシーズ」
「え、あれ!? ジャイロってカーペンターだっけ!? お姉さん、ユリシーズ・カーペンター!?」
「? だったら、なんだよ」
「えぇ、じゃあ、ゴリラってゲイル・カーペンター!?」
――えっ!!?
「なんで、デゼルが親父の名前知って……」
――えぇえっ!!?
あれ、ジャイロのお父さんが、野生のゴリラなの!?
スニールがジャイロに殴られてたの、ジャイロのことゴリラって言ったからなんだ。ジャイロのお父さんがゴリラだなんて、僕は知らなかったけど、スニールは知ってた??
どういうことなんだろう、ジャイロ、人間にしか見えない……。
お父さんがゴリラでも、お母さんが人間なら、ちゃんと人間に生まれてくるものなのかな……。
ジャイロが自分で、お父さんが野生のゴリラだなんて嘘をつく必要はないよね。
デゼルも、ジャイロが野生のゴリラに襲われてるのはわかってたみたいな言い方してたし、名前の方に驚いてるみたいだったよね。
えぇと、つまり。
ゲイル・カーペンターって、人間と結婚したことで有名な野生のゴリラなのかな?
やっぱり、殴らないと駄目なのかな。
気が進まないな。
「サイファ、おまえが今まで、誰も殴れなかったから、今のは油断してたんだかんな! オレが本気出したら、おまえなんかに殴られねぇ!」
あ。
ジャイロがそう言うのを聞いたら、初めて、殴れるか殴れないか、試してみたいと思って。
殴っちゃった。
殴れるみたい。
ジャイロ、がっかりしたかと思ったけど、オレはまだ本気出してないって、すごく嬉しそう。
ジャイロが楽しそうだから、僕も、訓練の成果を試すのが、なんだか楽しくなってきたみたい。
誰かに喜んでもらえることがあるのって、殴り合いでも、胸が高鳴るんだ。知らなかった。
そっか、ジャイロは殴り合いの、この高揚感が好きなんだね。
「おまえの攻撃なんざ、軽いんだよ! そんな、へなちょこパンチでオレを倒せるもんか! よけんな、この!」
「サイファ、思いっきりいって。サイファのへなちょこパンチじゃ、打ちどころが悪くてもジャイロが死んじゃったりしないから」
わ、デゼル!
笑わせないでよ、今、真面目にケンカしてるのに!
――あ、よかった。
ジャイロも肩を震わせてて、殴られなかった。
僕のパンチって、そんなにへなちょこなのかな。
ジャイロとデゼルが二人ともそう言うならそうなのかな。
じゃあ、思いっきりいってみる?
そうだよね、デゼルに殴られても、全然、痛くなさそうだし。
僕のパンチもあんなものなのかも。
思いっきりいったら、完璧に入って、ガッて、結構、重い音がした。
これ、ほんとに痛くないのかな。
信じられないって顔でジャイロが僕を見た。
「マジかよ……」
「ジャイロ、十発殴られっぱなしで、まだ、負けを認めないとか見苦しい」
「チッ、クショ」
最初に座っていた木箱をジャイロが蹴り飛ばしたから、念のため、デゼルを庇ったんだ。
デゼルを守るのは、闇主になった僕の役目だからね。デゼル、僕のことカッコいいと思ってくれたかな。
僕だって、デゼルにはカッコいいと思われたいから。
ジャイロ、悔しかったろうな。
ジャイロだってデゼルを可愛いと思って、好きだからプレゼントしたはずなのに、怒られて、泣かせて、嫌われて。
あげく、枝を折ったのがデゼルのせいになったんじゃ、つらいよね。
「じゃあ、サイファが勝ったから聞くけど、ジャイロ、たまに怪我をして学校に来るよね。誰にやられてるの」
「あぁ!? 知るか!」
「それで、クラスの弱い子に八つ当たりせずにいられないんだから吐きなさいよ! どうせ、家族の誰かでしょう」
「~! ゴリラだよ!」
「わかった。じゃあ、今度、ゴリラにやられそうになったら、サイファの家に逃げてきていいから。クラスで暴れるのはやめて」
えぇ!?
よく、わからない。
ジャイロの家の近くに野生のゴリラがいて、ジャイロでさえ敵わないとしたら、僕の家に逃げてこられて、母さんが襲われたら困るな。
「そんなの、サイファなんかに倒せるようなゴリラなら、オレだって黙ってやられてねぇ!!」
そうだよね。
数えてなかったけど、デゼルが数えてたみたいで十発殴ったらしいのに、ジャイロ、全然、平気そうなんだ。
やっぱり、ジャイロは強いよ。
「ゴリラの相手をサイファにさせたりしないよ。マリベル様に頼んで、きちんとした護衛を派遣してもらうから」
「マジかよ……」
そっか、そうなんだ。
それなら安心かな。
だけど、ジャイロは激しく首を横に振った。
「オレが逃げたら姉ちゃんが酷い目に遭わされるんだよ!」
「お姉さんも一緒に逃げてきていいよ」
ジャイロも大変なんだね。どこに住んでるんだろう。
公国の首都に野生のゴリラが出る危険地帯があるなんて、僕、知らなかった。
「お姉さん、なんていうの?」
「――ユリシーズ」
「え、あれ!? ジャイロってカーペンターだっけ!? お姉さん、ユリシーズ・カーペンター!?」
「? だったら、なんだよ」
「えぇ、じゃあ、ゴリラってゲイル・カーペンター!?」
――えっ!!?
「なんで、デゼルが親父の名前知って……」
――えぇえっ!!?
あれ、ジャイロのお父さんが、野生のゴリラなの!?
スニールがジャイロに殴られてたの、ジャイロのことゴリラって言ったからなんだ。ジャイロのお父さんがゴリラだなんて、僕は知らなかったけど、スニールは知ってた??
どういうことなんだろう、ジャイロ、人間にしか見えない……。
お父さんがゴリラでも、お母さんが人間なら、ちゃんと人間に生まれてくるものなのかな……。
ジャイロが自分で、お父さんが野生のゴリラだなんて嘘をつく必要はないよね。
デゼルも、ジャイロが野生のゴリラに襲われてるのはわかってたみたいな言い方してたし、名前の方に驚いてるみたいだったよね。
えぇと、つまり。
ゲイル・カーペンターって、人間と結婚したことで有名な野生のゴリラなのかな?
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】悪役だった令嬢の美味しい日記
蕪 リタ
ファンタジー
前世の妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生した主人公、実は悪役令嬢でした・・・・・・。え?そうなの?それなら破滅は避けたい!でも乙女ゲームなんてしたことない!妹には「悪役令嬢可愛い!!」と永遠聞かされただけ・・・・・・困った・・・・・・。
どれがフラグかなんてわかんないし、無視してもいいかなーって頭の片隅に仕舞い込み、あぁポテサラが食べたい・・・・・・と思考はどんどん食べ物へ。恋しい食べ物達を作っては食べ、作ってはあげて・・・・・・。あれ?いつのまにか、ヒロインともお友達になっちゃった。攻略対象達も設定とはなんだか違う?とヒロイン談。
なんだかんだで生きていける気がする?主人公が、豚汁騎士科生たちやダメダメ先生に懐かれたり。腹黒婚約者に赤面させられたと思ったら、自称ヒロインまで登場しちゃってうっかり魔王降臨しちゃったり・・・・・・。もうどうにでもなれ!とステキなお姉様方や本物の乙女ゲームヒロインたちとお菓子や食事楽しみながら、青春を謳歌するレティシアのお食事日記。
※爵位や言葉遣いは、現実や他作者様の作品と異なります。
※誤字脱字あるかもしれません。ごめんなさい。
※戦闘シーンがあるので、R指定は念のためです。
※カクヨムでも投稿してます。
ざまぁ対象の悪役令嬢は穏やかな日常を所望します
たぬきち25番
ファンタジー
*『第16回ファンタジー小説大賞【大賞】・【読者賞】W受賞』
*書籍化2024年9月下旬発売
※書籍化の関係で1章が近日中にレンタルに切り替わりますことをご報告いたします。
彼氏にフラれた直後に異世界転生。気が付くと、ラノベの中の悪役令嬢クローディアになっていた。すでに周りからの評判は最悪なのに、王太子の婚約者。しかも政略結婚なので婚約解消不可?!
王太子は主人公と熱愛中。私は結婚前からお飾りの王太子妃決定。さらに、私は王太子妃として鬼の公爵子息がお目付け役に……。
しかも、私……ざまぁ対象!!
ざまぁ回避のために、なんやかんや大忙しです!!
※【感想欄について】感想ありがとうございます。皆様にお知らせとお願いです。
感想欄は多くの方が読まれますので、過激または攻撃的な発言、乱暴な言葉遣い、ポジティブ・ネガティブに関わらず他の方のお名前を出した感想、またこの作品は成人指定ではありませんので卑猥だと思われる発言など、読んだ方がお心を痛めたり、不快だと感じるような内容は承認を控えさせて頂きたいと思います。トラブルに発展してしまうと、感想欄を閉じることも検討しなければならなくなりますので、どうかご理解いただければと思います。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる