にゃこがやってきた

冴條玲

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猫の結婚相談所

【鬼畜の所業】ぱぱんはしょた

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【閲覧注意】
 人によってはトラウマになるかもしれません。
 こわいもの見たさで、猫のショッキングな生態をあえて知りたい方のみ、閲覧は自己責任でお願いします。

 **――*――**

 さいふぁ様、生後12週。


 さいふぁ様が最初になついたのは、なんと、ままん(エトランジュ)をさし置いて飼い主でした。
 だって、エトランジュときたら授乳の時間以外は、産箱の隅っこにさいふぁ様を放置して、構ってあげないのです。
 だいぶ、寒くなってきているのに、ダンボールのすみっこにぽつんとうずくまって震えているさいふぁ様。
 可哀相に思った飼い主がだっこすると――

 エトランジュ、大激怒。
 怒り狂ったままんがさいふぁ様を喰い殺そうとするので、やむなく、さいふぁ様は生後4週間ほど、ゆたんぽがお友達でした。


 そんなんじゃ、やはり寒かったらしく、目が開く前に結膜炎にかかってしまい、あわや、失明の危機。
 たいへんだと動物病院に連れて行き、眼軟膏を塗ってもらって、ようやく、目が開いたさいふぁ様が生まれて初めて見たものは。
 すなわち、動物のお医者さんと飼い主だったのです。涙。
 
 不憫な幼猫時代を過ごしたさいふぁ様でしたが、生後6週ほどで、よちよちと走り回れるようになると、兄弟代わりに、エトランジュが遊び相手をしてくれるようになりました。
 兄弟猫がいない子猫って社会性どうなるのかと心配でしたが、一安心。


 生後8週ほどで、雪ばぁちゃんともなかよしに。


 だけど、オス同士だからなのか、ぱぱんとはまったく絡まず。
 メス同士のエトランジュと雪ばぁちゃんも、ほとんど絡まないので、親子でも同性に用はないのかなぁと残念に思っていたところ、生後12週になって、ようやく、冒頭の写真のような、なかよし姿を見られるようになりました。
 さいふぁ様の毛づくろいなんかも、してあげるぱぱん。

 めでたしめでた―― し!?


 エトランジュがあわやFIPで虹の橋を渡るところだった、魔の生後13週。
 ぱぱんがさいふぁ様を襲う。
 何のスイッチが入ったというのか、何度、引きはがしても、しつこくぼうやを襲うぱぱん。
 カーテン裏に隠れてみるさいふぁ様。 


 いやがってミーミー鳴くものの、爪切りほどの抵抗ではなく、逃げ方も「重いよパパ、じゃま」という感じで、下から逃げたら、それ以上は逃げないんだよね…。
 夜にはまたなかよく寝てたし…。
 毛づくろいもしてた…。

 お嫁さんがいるのにぼうやをマークするぱぱん。
 ドアホウのぱぱんは、「だいじなことだから!」って、ぼうやに子猫のつくり方を教えてるつもりなのかなぁ?

 鬼畜の所業とはこのことだけど、猫は文字通りの畜生だもんね…。
 コンチクショウだね…。
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