魂盗り

冴條玲

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壱 魂留離

第1話 魂留離伝説

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 由良の一族は、森の奥でひっそりと暮らしていた。呪いを受けた一族。

 昔、一人の女が死んだ。
 食うに困り、身を売ったあげく、約束の代価をもらえず死んだ。
 身を売ったのが新月。
 ついに餓死したのが満月。
 女は最期に言った。

“ ……あな、恨めしや……。末代まで呪われるがいい! 一族まとめて呪われるがいい! 我が一族に、欲望と絶望の呪いを……! ”

 女の怨念は、よほど深かったのだろう。その言葉の通り、一族は呪われた。
 新月に一族の女が処女を奪われると、女は必ず次の満月に死に、その寿命まで奪ったように、男が長生きした。
 噂はまたたくまに広まり、彼らは「魂留離たまとり」と呼ばれるようになった。
 呪いは「魂留離伝説」として呪いであったことを忘れられた。

 そして悲劇は起こる。

 女が「欲望と絶望の呪いを」そう言った通りになった。
 一族の女を、心ない男たちが次々襲った。まだ十に満たない少女まで、容赦なく襲われた。
 そして、「真・魂留離伝説」が生まれる。
 悲劇の直後の満月、死んだ女は半数だった。あと半数は生き残り、逆に男が死んだ。

 どんな秘密があったのか。

 以来、魂留離の女を抱いて、長寿を得た男は一人もいない。
 逆に女の方が男の分まで生きた。

 それは死んだ女の復讐だったのか。

 「真・魂留離伝説」を恐れ、魂留離を襲う男はいなくなった。
 一族は束の間の安息を得て、今でも、森の奥にひっそりと隠れ住んでいる――
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