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Brand New Day
第4話 安心できる人
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風呂から上がると、蹴翔と駆は部屋に行き一緒にベッドに入った。
博は夕食の前すでに風呂に入ったので、ひとり遅めの食事を摂った。
食後、子どもたちの様子を見に子どもたちが寝ている部屋に入った。
そっとドアを開けた。
「お父さん」
蹴翔はまだ起きていた。
一方、駆のほうはよほどお泊まりが楽しかったのか少々はしゃぎすぎて疲れたようで、蹴翔と同じ布団の中でもうすやすや眠っている。
「起こしちゃったか?」
「ううん、まだ寝てないだけ」
「それより、今日はありがと」
「ありがとって、なにがだ?」
「駆、嬉しかったみたいだよ」
「3人でお風呂に入ったこととか、性教育の話とか」
「そのことか」
「あのね、お父さん‥‥」
「ん?」
「あれ、本当のことだよ」
「なんのことだ?」
「お風呂の中で言ったこと、あれ、僕の本当の気持ちだから」
「お父さんに性教育してもらったとき、あったかい気持ちになったって、僕、言ったでしょ」
「あのこと」
「そのことか」
「ああ、もちろんわかってるさ」
「僕ね、お母さんの実家行ってお祭りに参加して、それで重要な役もやらしてもらって、そういうのって大事なことなんだなって分かったんだ」
「そうか‥‥」
「ってことは、うまく大役が果たせたってことなんだな」
「うん、できたと思う」
「できてなかったとしても、僕なりに頑張った」
「お前が納得してるなら、それでいいんじゃないか」
「ねえ、お父さん‥‥」
「あのな、蹴翔‥‥」
お互いを呼ぶ声が重なった。
「なんだ、蹴翔、先に言いなさい」
「ううん、お父さんから」
「蹴翔から、先に言いなさい」
「うん、じゃあ僕から言うけど‥‥」
「あのね、お父さん‥‥」
「お風呂のとき、お父さん、駆のおちんちん触ってたけど、僕のも触ってみたいって思ったかなぁって‥‥」
蹴翔は遠回しに、自分のおちんちんも触って欲しいと言っているのだった。
それは駆に対する嫉妬なのか、それとも単に甘えているだけなのか、博には少々判別がつかなかった。
「蹴翔のを‥‥、か?」
「あ、いや、別にいいんだけどね、嫌だったら」
「ただお父さんは、どう思ってるかなって思っただけだから」
しかし博にとってそれが蹴翔の嫉妬であれ甘えであれ、どちらでも同じことだった。
なぜなら蹴翔に聞かれる前から、博の中でその答えは決まっていたから。
「なに言ってるんだ、蹴翔」
「もちろん触りたいさ、お前のおちんちん」
「そんなの当たり前だろ」
「父親が息子の成長を確認したくない理由なんてないだろ?」
蹴翔の顔に安堵の笑みがこぼれた。
「実はな、お父さんもいま同じことを言おうとしてたんだ」
「蹴翔のおちんちん、久しぶりに触ってもいいかって、聞こうとしてたんだよ」
「え? ほんと? ほんとに?」
上目遣いに尋ね返す表情が幼い頃と全く変わらず可愛らしかった。
「僕ね、またほんの少しだけ大人になったってとこ、お父さんに見てもらいたいんだ」
「お風呂のときは駆も一緒にいたし、僕のおちんちんも触って欲しいとか、そんなこと言ったら変な感じになっちゃうかなーって思って、だから言うのやめたの」
「なんだ、そうだったのか」
「じゃあ二人で同じこと考えてたってことなんだな」
「だったら、遠慮なく触らせてもらうかな」
すると蹴翔はゆっくりと布団の上掛けを捲りあげた。
「どうせ触るんだったらこの方が触りやすいでしょ」
「それによく見えると思うし」
博は驚いた。
上掛のその下では蹴翔も駆もふたり揃って下半身丸裸だったからだ。
「おいおい、ふたりともなんだその格好は」
「あ、これ?」
「実はさ、お風呂のあと僕たちすぐ布団に入ったんだけど、駆がさ、いまはもうぐうぐう寝ちゃってるけど、最初なかなか眠れなかったみたいで‥‥」
実際はぐうぐうというほどではなく、すやすやと可愛らしい寝息をたてて眠っていた。
「そしたら駆のやつ、寝てるだけなのにまたおちんちんが硬くなってきたって言って、今度は僕に触ってみてって言ったんだよ」
「だから僕、パジャマの上から駆のおちんちんぎゅって掴んだんだ」
「めっちゃ硬くなってた、駆のおちんちん」
「でもね、駆がそうじゃないって言って、パンツの中に手を入れて直接触れって言うんだよ」
「さっきお父さんがさ、お風呂の中で駆の身体、洗ってあげたでしょ」
「あのときさ翔ね、誰かに身体触ってもらうの気持ちいいなーって思ったんだって」
「特におちんちんを触ってもらうと」
「でね、駆があまりにもマジな顔でそう言うからさ、僕、駆のおちんちんを生で触ったの」
「そしたら駆のやつ、蹴翔くんのも触らせてって言うから、仕方なく僕も触らせてあげて、それで触りっこになった」
蹴翔は多少のことでは目を覚ましそうにない駆をそれでも気にしてヒソヒソ声で説明した。
「でもね、駆、まだ1年生だし手が小っちゃいでしょ」
「だから最初はちょっとくすぐったかったんだけど、触ってもらってるうちに僕もだんだん気持ちよくなってきて勃起しちゃったんだよ」
「そしたら駆のやつ、パンツの中だと触りにくいからって、脱いじゃお
とか言い出して」
「で結局、僕も駆も下全部脱ぐことになった」
話を聞きながら博は二人の男の子を交互に見比べた。
何度見ても、駆の性器は花の蕾のように幼くて小さくて、愛らしいとしか言いようがなかった。
成人男性器特有の艶かしさは当然のことながら全くないから、おそらく誰でも目を逸らすことなく直視でき、可愛いと感想を口にするに違いないと確信できるほどだった。
蹴翔はさらに話を続けた。
「触りっこしてるときにさ、僕、駆にTENGA使ってみたんだ」
「それってもしかして‥‥」
「そうだよ、前にお父さんが僕にプレゼントしてくれたやつ」
「買ってやったはいいけど、使ってるのかなとは思ってたんだが‥‥」
「実はあんま使ってないんだ」
「ということは、なんだ、その、あれか、お前は‥‥」
「オナニーのこと聞きたいの?」
「あ、あぁ、まあそうだ」
「どうしてるのかと思って‥‥」
蹴翔は6年生で、もう精通済みだった。
それは新見の口淫によって奪われていたから。
そのことを正直に博に打ち明けた日の夜、蹴翔は博の手解きによって生まれて初めてTENGAを経験した。
「たまにはしてるよ、僕だってオナニー」
「すればやっぱ気持ちいいし」
蹴翔が何を思いながらオナニーに耽って射精するのかなんて、もちろん博は知らない。
しかし、蹴翔の陰茎にTENGAを装着し、こうやってやるんだよと博自らの手でリズミカルに動かしてやったとき、思いのほか、かわいらしい鳴き声を上げたのはいまでもはっきりと憶えている。
「でも僕はそんなに多いほうじゃなかなな」
「学校とか塾の友だちの中にはさ、昨日シコったーとか、めっちゃ射精たーとか言って自慢してる子もいるけどね」
「あとまだそう言うこと、やってない人ももちろんいるしね」
6年生くらいだと意外な子がもうオナニー経験済みで、逆に当然してるだろうなと思うような子がまだだったりするのだろうなと、博は思った。
そして何となく蹴翔の性器を見ながら、あのときTENGAの中に吐き出した乳白色の体液を思い出した。
もう6年生なんだよな‥‥
母親の郷里に古くから伝わる祭りに参加して、そこで大役を果たせたとも自ら言っていたし‥‥
あれからまた少しは濃さや量は増えたのだろうか‥‥
すると蹴翔が話を続けた。
「でね、お父さん、駆にTENGA使ってみた話なんだけどね、ダメだった」
「駆にはまだちょっと大きかったんだ」
「ハメてあげたんだけど、まだ緩かった」
「だから僕たち約束したんだ」
「駆が6年生になったらまた一緒に使おって」
どうやら高校生になった翔蹴が6年生になった駆にTENGAでオナニーを教えてやる約束をしたようだった。
「一応使い方は僕が実際にやって見せてといた」
「翔蹴がTENGAでオナニーしてるとこ見せてやったってことか?」
「そうだよ」
「僕も久しぶりにTENGA使った」
「やってる最中はやっぱ気持ちいいんだけど、でも最後まで射精かなかったんだ」
「っていうか、途中でやめたの」
「だって年下のさ、それも1年生に見られながら射精くのって、ちょっと恥ずかったから」
蹴翔は赤裸々なことを、そうあっさりと言ってのけた。
「で、その後はずっと、お互いにおちんちん触りっこした」
「でもさ、駆のやつ、ひどいんだよ」
「僕がおちんちん触ってやってるのに、急に静かになったなーって思ったら、いつの間にか寝ちゃってたんだよ」
「ほんと、いきなりだよ、いきなりパタっと寝ちゃったの」
「信じらんないでしょ、もうね、スマホの充電が突然切れるみたく」
「蹴翔に触ってもらって、駆くん、よっぽど気持ちよかったんだろうね」
「たぶん安心したんだろうな」
「蹴翔のことを本当のお兄ちゃんみたいに思ってるんだよ、きっと」
「そうなのかな?」
「ほんとにそう思ってくれてるんだったら嬉しいな」
蹴翔はそう言って、たとえそれがまだ小さくて頼りなくても、駆が男の子であることを外見的に証明してくれる部分をそっと握りしめた。
「ちっさ‥‥」
するとそのとき、駆が少し身を捩りながら片方の足をベッドの端のほうに放り出し、股を大きく広げた。
「蹴翔、ほら見てみ」
「駆くん、やっぱ蹴翔におちんちん触ってもらって嬉しいんだよ」
「だからこうして寝てても脚を開いて、もっと触ってよって言ってるんだよ」
「そうなのかなぁ」
蹴翔は駆の大事な部分を、まるで雛鳥でも包み込むかのように大事そうに手の中に収めた。
「駆のことは絶対、僕が守ってやるんだ」
博は、きっとそれは新見のことを言ってるんだろうなと思ったが、あえてそこは何も聞かないでおいた。
「あ、そうだ」
「お父さんも触りたかったんでしょ、僕のおちんちん」
「いいよ、ほら触って」
そう言って蹴翔も博が触りやすいように両脚を少し開いた。
「おぉ、そうだったな」
駆のよりもひと回りかふた回りくらい大きい蹴翔の性器。
決定的に違うのは睾丸の大きさだった。
風呂の中で触らせてもらった駆の睾丸は、言うなれば銀杏くらいの大きさだった。
しかし蹴翔のそれはもうすでに梅干しくらいはあった。
袋の垂れ下がり方も年相応の重量感があって、そこだけ見ればもう一人前だった。
唯一、子供っぽさが残っているとすれば、まだ無毛であるということくらいか。
「大きくなったなぁ‥‥」
博は思わず呟いた。
「え?」
「僕、勃起してないけど‥‥」
「あ、いや、そういう意味じゃなくて、お前もちゃんと成長してるなぁって‥‥」
身体の成長だけでなく、いろいろなことを経験して蹴翔は心も強くなったと博は感じていた。
それはまさしく蹴翔が駆を守りたいという気持ちに表れている。
「なんか不思議だね、お父さん」
「何がだ?」
「お父さんに触ってもらってもちろん気持ちいいんだけど、勃起しないでしょ」
「あぁ、確かにそうだな」
「でもちゃんと気持ちいいんだよ、できればこのまま朝まで触ってて欲しいくらいに」
「朝までか?」
「さすがにそれは無理だな」
博は笑った。
「僕、思った」
「触ってもらって勃起しない気持ちよさっていうのも、あるんだなって」
「そうだな、蹴翔も駆くんも、同じだな」
「普通は他人には触らせない自分の大事な部分を触ってもらって、安心できる人がいるってことだ」
「駆にとって僕がその人ってこと?」
「そういうことかもな」
「だとしたら、僕、嬉しいな」
蹴翔は隣にいる駆の寝顔を見た。
「それにしても、よく寝てるね」
「小さい子は急に寝ちゃうし、一旦寝ちゃうと眠りが深いんだよ」
「そうなの?」
「蹴翔だって同じだったぞ」
「まだご飯食べてる最中なのに、静かだなって思ったら茶碗に顔突っ込んで寝てたとか」
「そんなことあったの?」
「僕にも?」
「あったさ」
「小さい子はそういうもんだ」
蹴翔は駆のまだおしっこしか出てこないおちんちんを手の中でやさしく揉みながら、そして自分は少しだけ逞しくなった性器を博に手で確かめてもらいながら、春の陽射しのようなほんわかした気持ちのよさに全身を包まれていた。
博は夕食の前すでに風呂に入ったので、ひとり遅めの食事を摂った。
食後、子どもたちの様子を見に子どもたちが寝ている部屋に入った。
そっとドアを開けた。
「お父さん」
蹴翔はまだ起きていた。
一方、駆のほうはよほどお泊まりが楽しかったのか少々はしゃぎすぎて疲れたようで、蹴翔と同じ布団の中でもうすやすや眠っている。
「起こしちゃったか?」
「ううん、まだ寝てないだけ」
「それより、今日はありがと」
「ありがとって、なにがだ?」
「駆、嬉しかったみたいだよ」
「3人でお風呂に入ったこととか、性教育の話とか」
「そのことか」
「あのね、お父さん‥‥」
「ん?」
「あれ、本当のことだよ」
「なんのことだ?」
「お風呂の中で言ったこと、あれ、僕の本当の気持ちだから」
「お父さんに性教育してもらったとき、あったかい気持ちになったって、僕、言ったでしょ」
「あのこと」
「そのことか」
「ああ、もちろんわかってるさ」
「僕ね、お母さんの実家行ってお祭りに参加して、それで重要な役もやらしてもらって、そういうのって大事なことなんだなって分かったんだ」
「そうか‥‥」
「ってことは、うまく大役が果たせたってことなんだな」
「うん、できたと思う」
「できてなかったとしても、僕なりに頑張った」
「お前が納得してるなら、それでいいんじゃないか」
「ねえ、お父さん‥‥」
「あのな、蹴翔‥‥」
お互いを呼ぶ声が重なった。
「なんだ、蹴翔、先に言いなさい」
「ううん、お父さんから」
「蹴翔から、先に言いなさい」
「うん、じゃあ僕から言うけど‥‥」
「あのね、お父さん‥‥」
「お風呂のとき、お父さん、駆のおちんちん触ってたけど、僕のも触ってみたいって思ったかなぁって‥‥」
蹴翔は遠回しに、自分のおちんちんも触って欲しいと言っているのだった。
それは駆に対する嫉妬なのか、それとも単に甘えているだけなのか、博には少々判別がつかなかった。
「蹴翔のを‥‥、か?」
「あ、いや、別にいいんだけどね、嫌だったら」
「ただお父さんは、どう思ってるかなって思っただけだから」
しかし博にとってそれが蹴翔の嫉妬であれ甘えであれ、どちらでも同じことだった。
なぜなら蹴翔に聞かれる前から、博の中でその答えは決まっていたから。
「なに言ってるんだ、蹴翔」
「もちろん触りたいさ、お前のおちんちん」
「そんなの当たり前だろ」
「父親が息子の成長を確認したくない理由なんてないだろ?」
蹴翔の顔に安堵の笑みがこぼれた。
「実はな、お父さんもいま同じことを言おうとしてたんだ」
「蹴翔のおちんちん、久しぶりに触ってもいいかって、聞こうとしてたんだよ」
「え? ほんと? ほんとに?」
上目遣いに尋ね返す表情が幼い頃と全く変わらず可愛らしかった。
「僕ね、またほんの少しだけ大人になったってとこ、お父さんに見てもらいたいんだ」
「お風呂のときは駆も一緒にいたし、僕のおちんちんも触って欲しいとか、そんなこと言ったら変な感じになっちゃうかなーって思って、だから言うのやめたの」
「なんだ、そうだったのか」
「じゃあ二人で同じこと考えてたってことなんだな」
「だったら、遠慮なく触らせてもらうかな」
すると蹴翔はゆっくりと布団の上掛けを捲りあげた。
「どうせ触るんだったらこの方が触りやすいでしょ」
「それによく見えると思うし」
博は驚いた。
上掛のその下では蹴翔も駆もふたり揃って下半身丸裸だったからだ。
「おいおい、ふたりともなんだその格好は」
「あ、これ?」
「実はさ、お風呂のあと僕たちすぐ布団に入ったんだけど、駆がさ、いまはもうぐうぐう寝ちゃってるけど、最初なかなか眠れなかったみたいで‥‥」
実際はぐうぐうというほどではなく、すやすやと可愛らしい寝息をたてて眠っていた。
「そしたら駆のやつ、寝てるだけなのにまたおちんちんが硬くなってきたって言って、今度は僕に触ってみてって言ったんだよ」
「だから僕、パジャマの上から駆のおちんちんぎゅって掴んだんだ」
「めっちゃ硬くなってた、駆のおちんちん」
「でもね、駆がそうじゃないって言って、パンツの中に手を入れて直接触れって言うんだよ」
「さっきお父さんがさ、お風呂の中で駆の身体、洗ってあげたでしょ」
「あのときさ翔ね、誰かに身体触ってもらうの気持ちいいなーって思ったんだって」
「特におちんちんを触ってもらうと」
「でね、駆があまりにもマジな顔でそう言うからさ、僕、駆のおちんちんを生で触ったの」
「そしたら駆のやつ、蹴翔くんのも触らせてって言うから、仕方なく僕も触らせてあげて、それで触りっこになった」
蹴翔は多少のことでは目を覚ましそうにない駆をそれでも気にしてヒソヒソ声で説明した。
「でもね、駆、まだ1年生だし手が小っちゃいでしょ」
「だから最初はちょっとくすぐったかったんだけど、触ってもらってるうちに僕もだんだん気持ちよくなってきて勃起しちゃったんだよ」
「そしたら駆のやつ、パンツの中だと触りにくいからって、脱いじゃお
とか言い出して」
「で結局、僕も駆も下全部脱ぐことになった」
話を聞きながら博は二人の男の子を交互に見比べた。
何度見ても、駆の性器は花の蕾のように幼くて小さくて、愛らしいとしか言いようがなかった。
成人男性器特有の艶かしさは当然のことながら全くないから、おそらく誰でも目を逸らすことなく直視でき、可愛いと感想を口にするに違いないと確信できるほどだった。
蹴翔はさらに話を続けた。
「触りっこしてるときにさ、僕、駆にTENGA使ってみたんだ」
「それってもしかして‥‥」
「そうだよ、前にお父さんが僕にプレゼントしてくれたやつ」
「買ってやったはいいけど、使ってるのかなとは思ってたんだが‥‥」
「実はあんま使ってないんだ」
「ということは、なんだ、その、あれか、お前は‥‥」
「オナニーのこと聞きたいの?」
「あ、あぁ、まあそうだ」
「どうしてるのかと思って‥‥」
蹴翔は6年生で、もう精通済みだった。
それは新見の口淫によって奪われていたから。
そのことを正直に博に打ち明けた日の夜、蹴翔は博の手解きによって生まれて初めてTENGAを経験した。
「たまにはしてるよ、僕だってオナニー」
「すればやっぱ気持ちいいし」
蹴翔が何を思いながらオナニーに耽って射精するのかなんて、もちろん博は知らない。
しかし、蹴翔の陰茎にTENGAを装着し、こうやってやるんだよと博自らの手でリズミカルに動かしてやったとき、思いのほか、かわいらしい鳴き声を上げたのはいまでもはっきりと憶えている。
「でも僕はそんなに多いほうじゃなかなな」
「学校とか塾の友だちの中にはさ、昨日シコったーとか、めっちゃ射精たーとか言って自慢してる子もいるけどね」
「あとまだそう言うこと、やってない人ももちろんいるしね」
6年生くらいだと意外な子がもうオナニー経験済みで、逆に当然してるだろうなと思うような子がまだだったりするのだろうなと、博は思った。
そして何となく蹴翔の性器を見ながら、あのときTENGAの中に吐き出した乳白色の体液を思い出した。
もう6年生なんだよな‥‥
母親の郷里に古くから伝わる祭りに参加して、そこで大役を果たせたとも自ら言っていたし‥‥
あれからまた少しは濃さや量は増えたのだろうか‥‥
すると蹴翔が話を続けた。
「でね、お父さん、駆にTENGA使ってみた話なんだけどね、ダメだった」
「駆にはまだちょっと大きかったんだ」
「ハメてあげたんだけど、まだ緩かった」
「だから僕たち約束したんだ」
「駆が6年生になったらまた一緒に使おって」
どうやら高校生になった翔蹴が6年生になった駆にTENGAでオナニーを教えてやる約束をしたようだった。
「一応使い方は僕が実際にやって見せてといた」
「翔蹴がTENGAでオナニーしてるとこ見せてやったってことか?」
「そうだよ」
「僕も久しぶりにTENGA使った」
「やってる最中はやっぱ気持ちいいんだけど、でも最後まで射精かなかったんだ」
「っていうか、途中でやめたの」
「だって年下のさ、それも1年生に見られながら射精くのって、ちょっと恥ずかったから」
蹴翔は赤裸々なことを、そうあっさりと言ってのけた。
「で、その後はずっと、お互いにおちんちん触りっこした」
「でもさ、駆のやつ、ひどいんだよ」
「僕がおちんちん触ってやってるのに、急に静かになったなーって思ったら、いつの間にか寝ちゃってたんだよ」
「ほんと、いきなりだよ、いきなりパタっと寝ちゃったの」
「信じらんないでしょ、もうね、スマホの充電が突然切れるみたく」
「蹴翔に触ってもらって、駆くん、よっぽど気持ちよかったんだろうね」
「たぶん安心したんだろうな」
「蹴翔のことを本当のお兄ちゃんみたいに思ってるんだよ、きっと」
「そうなのかな?」
「ほんとにそう思ってくれてるんだったら嬉しいな」
蹴翔はそう言って、たとえそれがまだ小さくて頼りなくても、駆が男の子であることを外見的に証明してくれる部分をそっと握りしめた。
「ちっさ‥‥」
するとそのとき、駆が少し身を捩りながら片方の足をベッドの端のほうに放り出し、股を大きく広げた。
「蹴翔、ほら見てみ」
「駆くん、やっぱ蹴翔におちんちん触ってもらって嬉しいんだよ」
「だからこうして寝てても脚を開いて、もっと触ってよって言ってるんだよ」
「そうなのかなぁ」
蹴翔は駆の大事な部分を、まるで雛鳥でも包み込むかのように大事そうに手の中に収めた。
「駆のことは絶対、僕が守ってやるんだ」
博は、きっとそれは新見のことを言ってるんだろうなと思ったが、あえてそこは何も聞かないでおいた。
「あ、そうだ」
「お父さんも触りたかったんでしょ、僕のおちんちん」
「いいよ、ほら触って」
そう言って蹴翔も博が触りやすいように両脚を少し開いた。
「おぉ、そうだったな」
駆のよりもひと回りかふた回りくらい大きい蹴翔の性器。
決定的に違うのは睾丸の大きさだった。
風呂の中で触らせてもらった駆の睾丸は、言うなれば銀杏くらいの大きさだった。
しかし蹴翔のそれはもうすでに梅干しくらいはあった。
袋の垂れ下がり方も年相応の重量感があって、そこだけ見ればもう一人前だった。
唯一、子供っぽさが残っているとすれば、まだ無毛であるということくらいか。
「大きくなったなぁ‥‥」
博は思わず呟いた。
「え?」
「僕、勃起してないけど‥‥」
「あ、いや、そういう意味じゃなくて、お前もちゃんと成長してるなぁって‥‥」
身体の成長だけでなく、いろいろなことを経験して蹴翔は心も強くなったと博は感じていた。
それはまさしく蹴翔が駆を守りたいという気持ちに表れている。
「なんか不思議だね、お父さん」
「何がだ?」
「お父さんに触ってもらってもちろん気持ちいいんだけど、勃起しないでしょ」
「あぁ、確かにそうだな」
「でもちゃんと気持ちいいんだよ、できればこのまま朝まで触ってて欲しいくらいに」
「朝までか?」
「さすがにそれは無理だな」
博は笑った。
「僕、思った」
「触ってもらって勃起しない気持ちよさっていうのも、あるんだなって」
「そうだな、蹴翔も駆くんも、同じだな」
「普通は他人には触らせない自分の大事な部分を触ってもらって、安心できる人がいるってことだ」
「駆にとって僕がその人ってこと?」
「そういうことかもな」
「だとしたら、僕、嬉しいな」
蹴翔は隣にいる駆の寝顔を見た。
「それにしても、よく寝てるね」
「小さい子は急に寝ちゃうし、一旦寝ちゃうと眠りが深いんだよ」
「そうなの?」
「蹴翔だって同じだったぞ」
「まだご飯食べてる最中なのに、静かだなって思ったら茶碗に顔突っ込んで寝てたとか」
「そんなことあったの?」
「僕にも?」
「あったさ」
「小さい子はそういうもんだ」
蹴翔は駆のまだおしっこしか出てこないおちんちんを手の中でやさしく揉みながら、そして自分は少しだけ逞しくなった性器を博に手で確かめてもらいながら、春の陽射しのようなほんわかした気持ちのよさに全身を包まれていた。
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引き続きよろしくお願いいたします。
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