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第三章 入学編(十八歳)
11、メインイベントの行方
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ゲームの展開はことごとく変わっていった。
入学式後のイベントは、噴水の前で殿下とお喋り、木登りして足を踏み外して殿下が抱き止めるという、好感度上げの小イベントがあったが、完全にスルーされた。
もちろん、シリウスにひどいことを言われて泣いているところに殿下と遭遇、慰められて抱きしめられる、も当然のごとくスルーだった。
アスランの見た目が変わったことで、こんなにも変わってしまうのかと驚いたが、それ以外の影響があったのかもしれない。
とにかく、あの概要本に載っている展開とは変わってしまった。
となればこれから先のお話は、白いページに新たに人生を書き込んでいくようなもの。
つまり何もかも分からないということになる。
信じていた道が急に消えてしまった。
俺は放り出されたような気持ちで、道の途中で立ち尽くしている。
一つでいい。
何か道標が欲しいと思えば、やはり主人公アスランのハッピーエンドだ。
それが俺の願いでもあり、今度はそれを目標に生きていくしかない。
そこまで考えて俺はやっと前を向いた。
こんなに変わってしまったゲームの影響力なんて、すでにないものかもしれないが、ここからオズワルドの存在が出てくる可能性もある。
それに、二人が結ばれなかったことにより起こる何かといえば、真っ先に思いつくのはバッドエンドのルートだ。
まさかとは思うが、警戒すべきことは山盛りだ。
まずはメインイベントで二人の関係がどうなるのか、見届けないといけない。
もしアスランの気持ちがオズワルドに傾くことがないのだとしたら、……俺も希望を持ってもいいのだろうか。
いつも選択に迷っている時に、あのゾウさんの夢を見る。
それがない、ということは、ゾウさんは俺の選択を見守ってくれているのかもしれない。
アスランのためなら、悪役でも当て馬でも、何でもやってやると決めた。
俺は自分の決めた道を踏み出すことにした。
今日はメインルートのイベントの日だ。
俺は設定通り決められていたオズワルドのペアとして参加することになっていた。
午前授業が終わり、イベント委員の生徒や教師達により準備がされて、謎解き宝探しゲーム大会が始まった。
新入生歓迎ということで、上級生と下級生がペアになり、校舎のどこかに置かれた問題を見つけ出して解いたら、お宝にたどり着くというよくある設定のゲームだった。
アスランのペアはニールソンだった。
ニールソンはゲームとは違い体調不良で欠席することなく、やる気満々でアスランの首根っこを掴んで開始の合図と共に走って行った。
俺はというと、ペア同士の待ち合わせ場所で待っているのだが、オズワルドが見つからなくて、ひとりでキョロキョロと周りを見渡していた。
ゲームの展開が変わったから、もはや大イベントにすら現れないのかと思っていたら、小さく俺の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
声が聞こえた方向を見たら、木の陰からぬっと手が出てきた。
何かと驚いていると、その手が動いてこっちだと手招きしてきたので恐る恐る近づいた。
「えっ……オズワ……」
「しぃーーー! シリウス、頼む、静かにしてくれ」
木の陰に顔を覗かせたらそこにいた人物に驚いて声が出てしまった。
そこにこっそりと隠れていたのはオズワルドだった。口元に指を当てて、静かにと言われたので慌てて口に手を当てて声を抑えた。
「こんなところで、何を……?」
「今朝から追いかけられているんだ。人がいなくなってから動こうと思っていたんだ」
そういえばと辺りを見回すと、さっきの俺と同じようにキョロキョロと誰かを探している生徒が見えて、何人かの生徒で集まっていないよと言いながら、話し合っている様子が見えた。
そこでやっと俺は何があったのかピンときた。
オズワルドが婚約者選びを断念し、自由恋愛宣言をしてから、校内はざわついていた。
家柄なんて関係なく、自分を見てくれるのではないかという生徒達が、オズワルドに密かに近づく機会を探り始めたのだ。
そしてこのイベントは絶好の機会だった。
自由に動き回れるし、なんならペアの当日変更は可能だ。みんなオズワルドに話しかけようとしているのだとようやく理解した。
「シリウスが気がついてくれてよかった。こっちの抜け道から出よう。校舎の裏手に出るはずだ」
「ああ……はい、分かりました」
オズワルドの後ろの生垣には人が通れそうな穴が空いていて、オズワルドはそこに躊躇いなく入ってしまった。
皇族の人間がなんてことをするのかと思ったが、そういえばこの人は型破りな人だったと思い出した。
「大丈夫か? こっちだ」
オズワルドの言葉に導かれて、草木のトンネルを抜けると開けた場所に出た。
人気はなく静かな何もない場所だった。
上手いこと人の集まる場所を避けて校舎の裏手に出るという、さすが学校まで知り尽くしているのかと感心してしまった。
「悪かったね。あんな場所を通らせて」
「い、いえ大丈夫です。大変ですね。あれから……ますます注目されるようになってしまって……」
婚約者選びが終わってから、ちゃんと話すのは初めてだった。
こんな風に二人きりになるのはなんとなく気まずいものがあった。
「シリウス、本来なら直接謝罪すべきだった。私の理想のため、巻き込んでしまってすまない。」
「殿下……、私は、最初の頃お会いした時、殿下のお考えを応援しますとお伝えしました。その気持ちは今も変わりません」
「シリウス……」
「自分の信じる道を貫いてください。元候補として、ずっと応援しています」
オズワルドの人生なんて俺からしたら想像もできない。きっと背負うものが多くて大変なんだろうなというくらいだ。
それでもこの人は、中途半端に周りに気を使って悩むよりも、強く突き進んでいく方が似合うなと思った。
「君は……」
オズワルドが何か口にしようとした時、複数の足音とガヤガヤと賑やかな人の声が聞こえてきた。
俺とオズワルドは咄嗟に反応して、腰をかがめて背を低くした。
「こっちにいるかな?」
「ペアの子はいた? 話しかけたいよね」
どうやら、オズワルドのファンの子達がまだ諦めることなく探し続けているようだ。
オズワルドと目が合うと、またこっちだと指示されたので、低い姿勢のまま移動することになった。
しばらく建物の間に入って隠れながら進むと、ようやく人の気配がなくなった。
「すまない、ゲームどころではないな」
「いえ、それは全然……、問題もきっと解けないと思いますし」
「走ったり隠れたりして疲れただろう。少し休もう。そこなら人も来なそうだ」
謎解きゲームの賞品をよく見なかったが、ニールソンが夢中になるくらいだからきっと難しい問題なのだろう。うろうろするより座っていられるならその方がよかった。
オズワルドが近くの部屋のドアを開けるとすんなり開いたので、その中に入って休むことにした。
雑然と荷物が置かれた倉庫のような小部屋だった。
二人で荷物の上に腰を下ろしたが、改めてオズワルドと二人きりというのを意識すると緊張してしまった。
ここは俺が話題を振るべきだと思ったが、何を話していいのか分からなかった。
緊張する俺をよそに、オズワルドはリラックスした様子で、色々と話を振ってくれた。
「学校にはもう慣れたか? ニールソンと仲が良いのは知っているが、家族と言っていたが、騎士団候補生のアスランとは特に仲が良いようだな」
ようやく緊張が解けてきた頃、オズワルドの口からアスランの名前が出た。
「ええ……、幼い頃から一緒に暮らしてきたので」
「そうか……、それでは敵わないな」
「え……?」
今のはどういう意味だろうとゆっくり顔を上げると、俺を見て微笑んでいるオズワルドの姿があった。
何か返さないとと思って口を開こうとしたら、まもなくゲームが終了するという鐘が辺りに鳴り響いた。
「もう、そんな時間か……、あっという間だったな」
「あ、あの、私が開けます」
そろそろ戻ってもいい頃なので、俺はオズワルドより先に動いて、ドアを開けようと取っ手に手をかけた。
「んっ……あれ……?」
「どうした? 貸してみろ」
押してみたがガチャガチャという音だけでドアが開かない。オズワルドに交代しても同じだった。
「古くなって建付けが悪いようだな……、どうやら鍵が掛かってしまったようだ」
「ええ!?」
なぜかこの場所に既視感あった気がした。
二人で閉じ込められる設定なんて思い浮かぶのは一つだ。
それは、ゲームでアスランが閉じ込められていて、オズワルドが助けに入って一緒に閉じ込められてしまう場所。
嘘だろう……、もしかしてここがその……。
アスランじゃなくて、俺とオズワルドが?
シナリオは崩壊しても、設備はそのまま用意されているようだ。
冷や汗を流しながら、部屋中をぐるぐると眺める俺を、オズワルドは不思議そうな顔で見ていた。
□□□
入学式後のイベントは、噴水の前で殿下とお喋り、木登りして足を踏み外して殿下が抱き止めるという、好感度上げの小イベントがあったが、完全にスルーされた。
もちろん、シリウスにひどいことを言われて泣いているところに殿下と遭遇、慰められて抱きしめられる、も当然のごとくスルーだった。
アスランの見た目が変わったことで、こんなにも変わってしまうのかと驚いたが、それ以外の影響があったのかもしれない。
とにかく、あの概要本に載っている展開とは変わってしまった。
となればこれから先のお話は、白いページに新たに人生を書き込んでいくようなもの。
つまり何もかも分からないということになる。
信じていた道が急に消えてしまった。
俺は放り出されたような気持ちで、道の途中で立ち尽くしている。
一つでいい。
何か道標が欲しいと思えば、やはり主人公アスランのハッピーエンドだ。
それが俺の願いでもあり、今度はそれを目標に生きていくしかない。
そこまで考えて俺はやっと前を向いた。
こんなに変わってしまったゲームの影響力なんて、すでにないものかもしれないが、ここからオズワルドの存在が出てくる可能性もある。
それに、二人が結ばれなかったことにより起こる何かといえば、真っ先に思いつくのはバッドエンドのルートだ。
まさかとは思うが、警戒すべきことは山盛りだ。
まずはメインイベントで二人の関係がどうなるのか、見届けないといけない。
もしアスランの気持ちがオズワルドに傾くことがないのだとしたら、……俺も希望を持ってもいいのだろうか。
いつも選択に迷っている時に、あのゾウさんの夢を見る。
それがない、ということは、ゾウさんは俺の選択を見守ってくれているのかもしれない。
アスランのためなら、悪役でも当て馬でも、何でもやってやると決めた。
俺は自分の決めた道を踏み出すことにした。
今日はメインルートのイベントの日だ。
俺は設定通り決められていたオズワルドのペアとして参加することになっていた。
午前授業が終わり、イベント委員の生徒や教師達により準備がされて、謎解き宝探しゲーム大会が始まった。
新入生歓迎ということで、上級生と下級生がペアになり、校舎のどこかに置かれた問題を見つけ出して解いたら、お宝にたどり着くというよくある設定のゲームだった。
アスランのペアはニールソンだった。
ニールソンはゲームとは違い体調不良で欠席することなく、やる気満々でアスランの首根っこを掴んで開始の合図と共に走って行った。
俺はというと、ペア同士の待ち合わせ場所で待っているのだが、オズワルドが見つからなくて、ひとりでキョロキョロと周りを見渡していた。
ゲームの展開が変わったから、もはや大イベントにすら現れないのかと思っていたら、小さく俺の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
声が聞こえた方向を見たら、木の陰からぬっと手が出てきた。
何かと驚いていると、その手が動いてこっちだと手招きしてきたので恐る恐る近づいた。
「えっ……オズワ……」
「しぃーーー! シリウス、頼む、静かにしてくれ」
木の陰に顔を覗かせたらそこにいた人物に驚いて声が出てしまった。
そこにこっそりと隠れていたのはオズワルドだった。口元に指を当てて、静かにと言われたので慌てて口に手を当てて声を抑えた。
「こんなところで、何を……?」
「今朝から追いかけられているんだ。人がいなくなってから動こうと思っていたんだ」
そういえばと辺りを見回すと、さっきの俺と同じようにキョロキョロと誰かを探している生徒が見えて、何人かの生徒で集まっていないよと言いながら、話し合っている様子が見えた。
そこでやっと俺は何があったのかピンときた。
オズワルドが婚約者選びを断念し、自由恋愛宣言をしてから、校内はざわついていた。
家柄なんて関係なく、自分を見てくれるのではないかという生徒達が、オズワルドに密かに近づく機会を探り始めたのだ。
そしてこのイベントは絶好の機会だった。
自由に動き回れるし、なんならペアの当日変更は可能だ。みんなオズワルドに話しかけようとしているのだとようやく理解した。
「シリウスが気がついてくれてよかった。こっちの抜け道から出よう。校舎の裏手に出るはずだ」
「ああ……はい、分かりました」
オズワルドの後ろの生垣には人が通れそうな穴が空いていて、オズワルドはそこに躊躇いなく入ってしまった。
皇族の人間がなんてことをするのかと思ったが、そういえばこの人は型破りな人だったと思い出した。
「大丈夫か? こっちだ」
オズワルドの言葉に導かれて、草木のトンネルを抜けると開けた場所に出た。
人気はなく静かな何もない場所だった。
上手いこと人の集まる場所を避けて校舎の裏手に出るという、さすが学校まで知り尽くしているのかと感心してしまった。
「悪かったね。あんな場所を通らせて」
「い、いえ大丈夫です。大変ですね。あれから……ますます注目されるようになってしまって……」
婚約者選びが終わってから、ちゃんと話すのは初めてだった。
こんな風に二人きりになるのはなんとなく気まずいものがあった。
「シリウス、本来なら直接謝罪すべきだった。私の理想のため、巻き込んでしまってすまない。」
「殿下……、私は、最初の頃お会いした時、殿下のお考えを応援しますとお伝えしました。その気持ちは今も変わりません」
「シリウス……」
「自分の信じる道を貫いてください。元候補として、ずっと応援しています」
オズワルドの人生なんて俺からしたら想像もできない。きっと背負うものが多くて大変なんだろうなというくらいだ。
それでもこの人は、中途半端に周りに気を使って悩むよりも、強く突き進んでいく方が似合うなと思った。
「君は……」
オズワルドが何か口にしようとした時、複数の足音とガヤガヤと賑やかな人の声が聞こえてきた。
俺とオズワルドは咄嗟に反応して、腰をかがめて背を低くした。
「こっちにいるかな?」
「ペアの子はいた? 話しかけたいよね」
どうやら、オズワルドのファンの子達がまだ諦めることなく探し続けているようだ。
オズワルドと目が合うと、またこっちだと指示されたので、低い姿勢のまま移動することになった。
しばらく建物の間に入って隠れながら進むと、ようやく人の気配がなくなった。
「すまない、ゲームどころではないな」
「いえ、それは全然……、問題もきっと解けないと思いますし」
「走ったり隠れたりして疲れただろう。少し休もう。そこなら人も来なそうだ」
謎解きゲームの賞品をよく見なかったが、ニールソンが夢中になるくらいだからきっと難しい問題なのだろう。うろうろするより座っていられるならその方がよかった。
オズワルドが近くの部屋のドアを開けるとすんなり開いたので、その中に入って休むことにした。
雑然と荷物が置かれた倉庫のような小部屋だった。
二人で荷物の上に腰を下ろしたが、改めてオズワルドと二人きりというのを意識すると緊張してしまった。
ここは俺が話題を振るべきだと思ったが、何を話していいのか分からなかった。
緊張する俺をよそに、オズワルドはリラックスした様子で、色々と話を振ってくれた。
「学校にはもう慣れたか? ニールソンと仲が良いのは知っているが、家族と言っていたが、騎士団候補生のアスランとは特に仲が良いようだな」
ようやく緊張が解けてきた頃、オズワルドの口からアスランの名前が出た。
「ええ……、幼い頃から一緒に暮らしてきたので」
「そうか……、それでは敵わないな」
「え……?」
今のはどういう意味だろうとゆっくり顔を上げると、俺を見て微笑んでいるオズワルドの姿があった。
何か返さないとと思って口を開こうとしたら、まもなくゲームが終了するという鐘が辺りに鳴り響いた。
「もう、そんな時間か……、あっという間だったな」
「あ、あの、私が開けます」
そろそろ戻ってもいい頃なので、俺はオズワルドより先に動いて、ドアを開けようと取っ手に手をかけた。
「んっ……あれ……?」
「どうした? 貸してみろ」
押してみたがガチャガチャという音だけでドアが開かない。オズワルドに交代しても同じだった。
「古くなって建付けが悪いようだな……、どうやら鍵が掛かってしまったようだ」
「ええ!?」
なぜかこの場所に既視感あった気がした。
二人で閉じ込められる設定なんて思い浮かぶのは一つだ。
それは、ゲームでアスランが閉じ込められていて、オズワルドが助けに入って一緒に閉じ込められてしまう場所。
嘘だろう……、もしかしてここがその……。
アスランじゃなくて、俺とオズワルドが?
シナリオは崩壊しても、設備はそのまま用意されているようだ。
冷や汗を流しながら、部屋中をぐるぐると眺める俺を、オズワルドは不思議そうな顔で見ていた。
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