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第四章 仲良し大作戦編
②新たな目覚め。※
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「これから会議が入りまくりで、今日は付いてやれないんだ。悪いが終わったら戸締りして帰ってくれないか? 印の記録は取ったから、後は任せる」
「は…はい、分かりました」
力を直接込めてもらう例のやつは、週一から始まって、今は月一回まで間隔が伸びた。
俺だけ先に来て、ファビアン先生に今の状態を診てもらったが、ファビアン先生はすぐに忙しそうに資料を抱えて部屋を出て行ってしまった。
もう手順は分かっているから、チェックする必要もないのだろう。イグニスと付き合いだしたことも話してあるので気を遣ってくれたのかもしれない。
誰が誰と付き合うなんてことは、前の世界では噂程度で聞いて想像していたものだったが、この世界では関係をハッキリさせたいのか、みんなそういう情報を詳しく知っている。
俺がイグニスと付き合いだしたということも、翌週にはクラス中、学院中の人間が知っていた。どこかに掲示でもしてあるのかと思うほどだ。
下位の貴族の俺からしたら、ラッキーなことであるからだろう。どこへ行っても、おめでとうなんて声が掛けられて恥ずかしくなった。
現状としては、おめでとうなんて状態と言っていいのか分からない。
お友達からお付き合いにステップアップして、すぐに壁に突き当たってしまった気分だ。
分かっている。
俺は焦っていた。
後数ヶ月で学年が上がり新入生が入ってくる。
という事は、主人公が入学してきて、いよいよゲームのスタートとなるのだ。
主人公はラギアゾフ兄弟と付き合うように使命を受けているので、出会いのイベントがあり兄弟達にそれぞれ接近する。
主人公の目的は、次期当主になる男を自分のモノにすること。
つまりゲームの設定上のルート選択がある。
現状、学院内ではディセルを支持する者がほとんどで、本人達は何も言わないがそういう流れが予想されている。
主人公はディセルに近づくだろうと俺も勝手に予想しているが、何があるか分からない。
もし、イグニスに興味を持ってしまったら……。
俺はそれを恐れている。
何しろ主人公パワーだ。黒いものを白く、白いものを黒くしてしまう、唯一無二の存在。
運命的に惹かれ、求め合う流れになっている。
俺がどこまでそれに逆らって、イグニスの気持ちが離れないように留めておけるか。
不安でたまらなかった。
それに俺はイグニスの心の内にまだそこまで触れていないような気がしていた。
イグニスのことをもっと知りたい。
俺のことももっと知ってもらいたい。
焦る気持ちばかりが募っていたが、そういう交流が大事なのではないかと思い始めていた。
ガタンと音がして、椅子に座っていた俺は小さく体をビクつかせた。
ガラガラとドアが開けられて入ってきたのはイグニスだった。
「悪い、遅れた。ファビアンは会議らしいな、途中で会った。俺は学院内に魔物が出て、討伐隊と一緒に戦ってきた」
「だ…大丈夫? 怪我は?」
学院にはラギアゾフ兄弟達に引き寄せられて出てくる魔物を倒すための討伐部隊がいる。
オーディンの力が込められた武器を使用していて、低級の魔物なら彼らがサクッと片付けてしまうが、イグニスは自分達のことだからとよくそこに参加していた。
パタパタと駆け寄って、イグニスの体を確認したら、イグニスにクスリと笑われた。
「俺にそんな心配をするのはテラだけだ。分かっているだろう、傷ついても自然に治癒するから……」
「……それでも、痛いのは痛いんだろう。イグニスが辛い思いをした時、何もできないかもしれないけど、側にいたい」
「テラ……」
いつも抱きつかれるのは俺の方なので、今日は俺からイグニスに抱きついた。
首筋の匂いを嗅いだらほんの少し汗の香りがした。イグニスのオーディンの力の匂いとはどういうものなのだろう。俺だけ分からないなんて、ちょっと悔しく思ってしまった。
「ああ……テラ……」
イグニスも抱き返してくれた。俺より力強くてすっぽりと抱き締められると安心感に包まれる。
難しいことばかり考えてしまうが、こうやって肌を触れ合うことが一番の解決方法かもしれない。
温かくて気持ちいい。
ずっとこうしていたい。
「テラ……、力を……」
「あ、そうだね。じゃあベッドに……」
「いや、このままでいい」
いつもベッドにうつ伏せになって力を入れてもらうが、今日はファビアン先生がいないからか、イグニスは立ったまま俺のズボンのベルトを外してきた。
抱き合った状態でイグニスは下着の中に手を入れて、直接尻の印がある場所に手を這わせた。
そのままぐりぐりと尻を揉まれて、いつものように熱い感覚が広がってきた。
「はぁぁ……ん、イグニス……」
「ははっ…こうやってしたら、テラの気持ち良さそうな顔が丸見えだ」
「んんっ…恥ずかし…」
「もっと見せてくれ…テラ、可愛い」
「んっ、はぁぁ!!」
急にぐわっと尻を強く掴まれて、濃い力が流れ込んできた。
どくどくと血の流れとともに、身体中に熱が行き渡っていく。
「ああ…だめ……イグニス……んんっ」
あまりの快感に耐えきれなくて顔を上げたら、イグニスは唇を重ねてきた。
口内に入り込んできた舌が、俺の舌をぐりぐりと愛撫して口の中も快感で熱くなっていく。上も下も気持ちよくておかしくなりそうだ。
当然アソコは急速に硬度が増して、めきめきと勃ってしまった。
イグニスのソコも反応していて、硬くなった下半身を押し付けられたら、お互いのモノが擦れて、ぴりぴりと痺れる快感に体を震わせた。
イグニスは片方の手で俺の尻に力を入れながら、片方は俺の前に手を入れてきて、直接アソコを掴まれてしまった。
こんな快感なんて経験したことがない。
前を少し擦られただけで、もうイキたくなってしまった。
「あっ…あ、あ、イイっ…やっ……だっ…すぐに…イちゃう……」
「いいぞテラ…、テラがイク時の顔、見たい」
「イグニス……あっ…あンっ…いっ…イク……あっ…っぁぁーーーーー!!」
ガシガシと擦られたら、気持ち良過ぎて目の前がチカチカした。我慢なんて出来ずにぎゅっと目をつぶったまま腰を揺らしながら達してしまった。
イったばかりの敏感なペニスをイグニスはまだ擦ってくるので、射精がとまらない。
何度もびゅうっと勢いよく飛ばして、イグニスの服まで飛び散ってしまった。
「テラ…、可愛い…テラ」
達した後の気だるい俺の顔に、イグニスがキスの雨を降らせていく。眼鏡までベロリと舐められた。その光景がエロ過ぎて心臓のどきどきが止まらない。
「服……汚れちゃった…」
「あーいーよ、そんなの。テラのだからそのままでいいくらいだ」
「なっ…ばか、何言ってんの?」
ぐったりと力が抜けてしまった俺を抱えて、イグニスはベッドまで移動した。
いつもそれほど時間はかからないので、印に力を入れるのは終わったらしい。
ベッドに寝かされたら、イグニスは俺の服を直してきた。きっと前回のことがあって無理はさせたくないと思ってくれているのだろう。
だるさを感じたが、このまま終わりたくなくて俺はむくりと起き上がった。
すでに天を向いているイグニスの起立に触れると、イグニスの体がわずかに揺れた。
「ね、見ていい?」
「テラ…、この前……」
今度は俺がベルトを外しながら、イグニスを見上げた。
「ごめんね、前回気絶しちゃって」
「いや…、あれは俺が無理をさせたから…」
やっぱりそう考えていたのだとクスリと笑ってしまった。
「違うって…、イグニスのが…その、すごくエロくて…興奮し過ぎたんだ。鼻血出たんだし、そういうことだろう」
「テラ……お前、たまにとんでもないな…」
「今日は大丈夫、ちゃんと見るから…」
イグニスの下着をくつろげると、中からボロンと大きな陰茎が飛び出してきた。
そびえ立つ剛直を目の前に息を呑んだが、ぷっくりと膨らんだ亀頭が可愛らしく思えて指のはらでつんと触れてみた。
「っ……」
イグニスから息を漏らす音が聞こえると俺のテンションもぐっと上がる。
手でしっかりと掴んで顔を近づけた。
「…ん? あれ、これ傷?」
前回はちゃんと見ることができなかったが、陰茎の裏筋の辺りにアザのような黒いモノが見えて何だろう指で擦ってしまった。
「ああ、それが印だ。オーディン神の炎を表す形になっている。……普段はよく分からないんだ」
「なっ…なんてところに……!」
おいおい遊び過ぎだろうという位置に印が刻まれていた。
大きくなった状態でないと確認できないなんて、俺がノリで見せてくれなんて言っても。それはみんな無言になって部屋を出ていくわけだ。
「すご…確かに、よく見たら火が燃えてるみたいなマークだ。へぇ…デザインはカッコいい。でもこれじゃノーベンとディセルのは見られないな」
「っっ、当たり前だ。俺以外のやつのなんて…」
「ふふっ、俺はこれが見れたから十分だ」
何もかもが愛おしく思えて、俺がそこにキスをしたら、イグニスが濃い息をはいた。
キスだけじゃ足りない…、もっと、全部俺のものにしたい。
ぱっくりと口を開けた俺は、イグニスのモノにかぶりついた。
「て…テラ…」
「ふ…で……か…ひ……」
さすがに全部俺の口には入らない。
先端部分から奥まで頑張って頬張っても、半分くらいがやっとだった。
「ああ…テラが……俺のを……やばい」
恋人同士のエトセトラで読んだ知識を総動員して、ぺろぺろとキャンディみたいに舐めてみたり、掃除機みたいに吸い込んだり、手を使って擦りながら亀頭に吸い付いたりしてイグニスに気持ちよくなってもらおうと頑張った。
イグニスは小さく息を漏らしていたが、俺が必死になって頬張る姿を見て興奮してくれたみたいで、硬度はどんどん増して俺の頭を掴みながら腰が揺れ始めた。
「くっ……テラ……、そろそろ……」
「んっ…だ……して」
俺の下手くそな口淫でイグニスが気持ちよくなってくれているのがたまらなく嬉しい。
夢中になっていたので、涙と鼻水でぐしゃぐしゃだったが、このまま離したくないといっそう唇に力を込めて吸い付いたまま頭を動かした。
「ハァ…ハ……ァ……、て……ら、離して…くれ」
「んん………まま……して」
「テラ……くっっ……っっ!」
外に出そうとするイグニスと、口の中に出して欲しい俺でお互い譲らなかった。
イグニスが引き抜いた勢いで爆ぜて、勢いよく飛び出した白濁は俺の顔にぶち撒けられた。
「ハァハァ…ァ…てっっ、テラすまない! 顔に……!!」
ほぼ顔全体にかかった。
顔に出されるなんて屈辱的な行為にも思えるが、イグニスのモノを浴びた瞬間、全てを享受したみたいでたまらなく興奮してしまった。
眼鏡についたモノがぬるりと滑っていき、ぽたぽたと口元に落ちていく。
それが何ともエロく思えて、心臓が壊れそうなくらい揺れている。
生温かくぬるついたソレを指ですくってペロリと舐めてみた。
「ううぅ…にがっ……」
「ばっ…ばか、舐めるなんて……。待ってろ今拭くものを……」
イグニスは慌ててベッドサイドに置かれていたタオルを取って俺の顔をゴシゴシ拭いてきた。眼鏡を取るのも忘れているのでよほど慌てているに違いない。
「ああっ……もったいない」
「テラ、お前な……」
どうしよう。
どきどきが止まらない。
今の快感が忘れられそうになくて、俺はイグニスの手を掴んだ。
「イグニス…今のすごい良かった…、お願い、もう一回」
「は? テラ……なっ……」
イグニスの目は驚きで見開かれていた。
だってそうだ。
アレを顔にかけられた瞬間、俺も達していたから……。
シーツの上には俺が放ったモノが水溜りのようになっていた。
何だか思ったのと違う方向で、目覚めてしまったような気がした。
□□□
「は…はい、分かりました」
力を直接込めてもらう例のやつは、週一から始まって、今は月一回まで間隔が伸びた。
俺だけ先に来て、ファビアン先生に今の状態を診てもらったが、ファビアン先生はすぐに忙しそうに資料を抱えて部屋を出て行ってしまった。
もう手順は分かっているから、チェックする必要もないのだろう。イグニスと付き合いだしたことも話してあるので気を遣ってくれたのかもしれない。
誰が誰と付き合うなんてことは、前の世界では噂程度で聞いて想像していたものだったが、この世界では関係をハッキリさせたいのか、みんなそういう情報を詳しく知っている。
俺がイグニスと付き合いだしたということも、翌週にはクラス中、学院中の人間が知っていた。どこかに掲示でもしてあるのかと思うほどだ。
下位の貴族の俺からしたら、ラッキーなことであるからだろう。どこへ行っても、おめでとうなんて声が掛けられて恥ずかしくなった。
現状としては、おめでとうなんて状態と言っていいのか分からない。
お友達からお付き合いにステップアップして、すぐに壁に突き当たってしまった気分だ。
分かっている。
俺は焦っていた。
後数ヶ月で学年が上がり新入生が入ってくる。
という事は、主人公が入学してきて、いよいよゲームのスタートとなるのだ。
主人公はラギアゾフ兄弟と付き合うように使命を受けているので、出会いのイベントがあり兄弟達にそれぞれ接近する。
主人公の目的は、次期当主になる男を自分のモノにすること。
つまりゲームの設定上のルート選択がある。
現状、学院内ではディセルを支持する者がほとんどで、本人達は何も言わないがそういう流れが予想されている。
主人公はディセルに近づくだろうと俺も勝手に予想しているが、何があるか分からない。
もし、イグニスに興味を持ってしまったら……。
俺はそれを恐れている。
何しろ主人公パワーだ。黒いものを白く、白いものを黒くしてしまう、唯一無二の存在。
運命的に惹かれ、求め合う流れになっている。
俺がどこまでそれに逆らって、イグニスの気持ちが離れないように留めておけるか。
不安でたまらなかった。
それに俺はイグニスの心の内にまだそこまで触れていないような気がしていた。
イグニスのことをもっと知りたい。
俺のことももっと知ってもらいたい。
焦る気持ちばかりが募っていたが、そういう交流が大事なのではないかと思い始めていた。
ガタンと音がして、椅子に座っていた俺は小さく体をビクつかせた。
ガラガラとドアが開けられて入ってきたのはイグニスだった。
「悪い、遅れた。ファビアンは会議らしいな、途中で会った。俺は学院内に魔物が出て、討伐隊と一緒に戦ってきた」
「だ…大丈夫? 怪我は?」
学院にはラギアゾフ兄弟達に引き寄せられて出てくる魔物を倒すための討伐部隊がいる。
オーディンの力が込められた武器を使用していて、低級の魔物なら彼らがサクッと片付けてしまうが、イグニスは自分達のことだからとよくそこに参加していた。
パタパタと駆け寄って、イグニスの体を確認したら、イグニスにクスリと笑われた。
「俺にそんな心配をするのはテラだけだ。分かっているだろう、傷ついても自然に治癒するから……」
「……それでも、痛いのは痛いんだろう。イグニスが辛い思いをした時、何もできないかもしれないけど、側にいたい」
「テラ……」
いつも抱きつかれるのは俺の方なので、今日は俺からイグニスに抱きついた。
首筋の匂いを嗅いだらほんの少し汗の香りがした。イグニスのオーディンの力の匂いとはどういうものなのだろう。俺だけ分からないなんて、ちょっと悔しく思ってしまった。
「ああ……テラ……」
イグニスも抱き返してくれた。俺より力強くてすっぽりと抱き締められると安心感に包まれる。
難しいことばかり考えてしまうが、こうやって肌を触れ合うことが一番の解決方法かもしれない。
温かくて気持ちいい。
ずっとこうしていたい。
「テラ……、力を……」
「あ、そうだね。じゃあベッドに……」
「いや、このままでいい」
いつもベッドにうつ伏せになって力を入れてもらうが、今日はファビアン先生がいないからか、イグニスは立ったまま俺のズボンのベルトを外してきた。
抱き合った状態でイグニスは下着の中に手を入れて、直接尻の印がある場所に手を這わせた。
そのままぐりぐりと尻を揉まれて、いつものように熱い感覚が広がってきた。
「はぁぁ……ん、イグニス……」
「ははっ…こうやってしたら、テラの気持ち良さそうな顔が丸見えだ」
「んんっ…恥ずかし…」
「もっと見せてくれ…テラ、可愛い」
「んっ、はぁぁ!!」
急にぐわっと尻を強く掴まれて、濃い力が流れ込んできた。
どくどくと血の流れとともに、身体中に熱が行き渡っていく。
「ああ…だめ……イグニス……んんっ」
あまりの快感に耐えきれなくて顔を上げたら、イグニスは唇を重ねてきた。
口内に入り込んできた舌が、俺の舌をぐりぐりと愛撫して口の中も快感で熱くなっていく。上も下も気持ちよくておかしくなりそうだ。
当然アソコは急速に硬度が増して、めきめきと勃ってしまった。
イグニスのソコも反応していて、硬くなった下半身を押し付けられたら、お互いのモノが擦れて、ぴりぴりと痺れる快感に体を震わせた。
イグニスは片方の手で俺の尻に力を入れながら、片方は俺の前に手を入れてきて、直接アソコを掴まれてしまった。
こんな快感なんて経験したことがない。
前を少し擦られただけで、もうイキたくなってしまった。
「あっ…あ、あ、イイっ…やっ……だっ…すぐに…イちゃう……」
「いいぞテラ…、テラがイク時の顔、見たい」
「イグニス……あっ…あンっ…いっ…イク……あっ…っぁぁーーーーー!!」
ガシガシと擦られたら、気持ち良過ぎて目の前がチカチカした。我慢なんて出来ずにぎゅっと目をつぶったまま腰を揺らしながら達してしまった。
イったばかりの敏感なペニスをイグニスはまだ擦ってくるので、射精がとまらない。
何度もびゅうっと勢いよく飛ばして、イグニスの服まで飛び散ってしまった。
「テラ…、可愛い…テラ」
達した後の気だるい俺の顔に、イグニスがキスの雨を降らせていく。眼鏡までベロリと舐められた。その光景がエロ過ぎて心臓のどきどきが止まらない。
「服……汚れちゃった…」
「あーいーよ、そんなの。テラのだからそのままでいいくらいだ」
「なっ…ばか、何言ってんの?」
ぐったりと力が抜けてしまった俺を抱えて、イグニスはベッドまで移動した。
いつもそれほど時間はかからないので、印に力を入れるのは終わったらしい。
ベッドに寝かされたら、イグニスは俺の服を直してきた。きっと前回のことがあって無理はさせたくないと思ってくれているのだろう。
だるさを感じたが、このまま終わりたくなくて俺はむくりと起き上がった。
すでに天を向いているイグニスの起立に触れると、イグニスの体がわずかに揺れた。
「ね、見ていい?」
「テラ…、この前……」
今度は俺がベルトを外しながら、イグニスを見上げた。
「ごめんね、前回気絶しちゃって」
「いや…、あれは俺が無理をさせたから…」
やっぱりそう考えていたのだとクスリと笑ってしまった。
「違うって…、イグニスのが…その、すごくエロくて…興奮し過ぎたんだ。鼻血出たんだし、そういうことだろう」
「テラ……お前、たまにとんでもないな…」
「今日は大丈夫、ちゃんと見るから…」
イグニスの下着をくつろげると、中からボロンと大きな陰茎が飛び出してきた。
そびえ立つ剛直を目の前に息を呑んだが、ぷっくりと膨らんだ亀頭が可愛らしく思えて指のはらでつんと触れてみた。
「っ……」
イグニスから息を漏らす音が聞こえると俺のテンションもぐっと上がる。
手でしっかりと掴んで顔を近づけた。
「…ん? あれ、これ傷?」
前回はちゃんと見ることができなかったが、陰茎の裏筋の辺りにアザのような黒いモノが見えて何だろう指で擦ってしまった。
「ああ、それが印だ。オーディン神の炎を表す形になっている。……普段はよく分からないんだ」
「なっ…なんてところに……!」
おいおい遊び過ぎだろうという位置に印が刻まれていた。
大きくなった状態でないと確認できないなんて、俺がノリで見せてくれなんて言っても。それはみんな無言になって部屋を出ていくわけだ。
「すご…確かに、よく見たら火が燃えてるみたいなマークだ。へぇ…デザインはカッコいい。でもこれじゃノーベンとディセルのは見られないな」
「っっ、当たり前だ。俺以外のやつのなんて…」
「ふふっ、俺はこれが見れたから十分だ」
何もかもが愛おしく思えて、俺がそこにキスをしたら、イグニスが濃い息をはいた。
キスだけじゃ足りない…、もっと、全部俺のものにしたい。
ぱっくりと口を開けた俺は、イグニスのモノにかぶりついた。
「て…テラ…」
「ふ…で……か…ひ……」
さすがに全部俺の口には入らない。
先端部分から奥まで頑張って頬張っても、半分くらいがやっとだった。
「ああ…テラが……俺のを……やばい」
恋人同士のエトセトラで読んだ知識を総動員して、ぺろぺろとキャンディみたいに舐めてみたり、掃除機みたいに吸い込んだり、手を使って擦りながら亀頭に吸い付いたりしてイグニスに気持ちよくなってもらおうと頑張った。
イグニスは小さく息を漏らしていたが、俺が必死になって頬張る姿を見て興奮してくれたみたいで、硬度はどんどん増して俺の頭を掴みながら腰が揺れ始めた。
「くっ……テラ……、そろそろ……」
「んっ…だ……して」
俺の下手くそな口淫でイグニスが気持ちよくなってくれているのがたまらなく嬉しい。
夢中になっていたので、涙と鼻水でぐしゃぐしゃだったが、このまま離したくないといっそう唇に力を込めて吸い付いたまま頭を動かした。
「ハァ…ハ……ァ……、て……ら、離して…くれ」
「んん………まま……して」
「テラ……くっっ……っっ!」
外に出そうとするイグニスと、口の中に出して欲しい俺でお互い譲らなかった。
イグニスが引き抜いた勢いで爆ぜて、勢いよく飛び出した白濁は俺の顔にぶち撒けられた。
「ハァハァ…ァ…てっっ、テラすまない! 顔に……!!」
ほぼ顔全体にかかった。
顔に出されるなんて屈辱的な行為にも思えるが、イグニスのモノを浴びた瞬間、全てを享受したみたいでたまらなく興奮してしまった。
眼鏡についたモノがぬるりと滑っていき、ぽたぽたと口元に落ちていく。
それが何ともエロく思えて、心臓が壊れそうなくらい揺れている。
生温かくぬるついたソレを指ですくってペロリと舐めてみた。
「ううぅ…にがっ……」
「ばっ…ばか、舐めるなんて……。待ってろ今拭くものを……」
イグニスは慌ててベッドサイドに置かれていたタオルを取って俺の顔をゴシゴシ拭いてきた。眼鏡を取るのも忘れているのでよほど慌てているに違いない。
「ああっ……もったいない」
「テラ、お前な……」
どうしよう。
どきどきが止まらない。
今の快感が忘れられそうになくて、俺はイグニスの手を掴んだ。
「イグニス…今のすごい良かった…、お願い、もう一回」
「は? テラ……なっ……」
イグニスの目は驚きで見開かれていた。
だってそうだ。
アレを顔にかけられた瞬間、俺も達していたから……。
シーツの上には俺が放ったモノが水溜りのようになっていた。
何だか思ったのと違う方向で、目覚めてしまったような気がした。
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