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【過去の罪が消える】

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 作品の展開上、女の子が半グレ集団に拉致られたりする。
 無論、ギリギリで助け出されるが
何もソレが『初めて』というわけではないであろう。
 頼みもしないのに過去の【悪行】をベラベラ語ったりするし、
やり方も慣れているから“同様の被害”に遭った者は
設定上たくさんいるわけだ、「主人公側」の少女だから
助かったというだけで。
 そして大概主人公側に「お仕置き」されるだけで
回を跨いでまた出てきたりする、
場合によっては主人公達に「協力」、
『仲間』になってしまったりする場合もある。
 サラッと流せる、
別に気にしない、という方は存外少ないのではないかと想像する。
 現実の【犯罪】でも裁かれるべき者が野放しにされていたら
心にドス黒い靄のようなモノが渦巻くであろう、
ソレと同じ事である。

 他にも過去に『非情』な行動を取っていた者が、
「主人公との出会い」によりその過ちに気づく、
という展開もよく散見されるが、そんなモノは『美談』でもなんでもない。
 前述の通り過去に【同様の事】は何度も行われているわけであり、
その被害者はただ “泣き寝入り” である。
 ソイツが「改心」しようが「心を入れ替え」ようが
傷つけられた者の“痛み”も“苦しみ”も決して半分にはならないのだ。
 幾らストーリーに起伏を出す為とはいえ、
安易にキャラクターを『非情化』させると
ソレは想像以上の【負債】となり、
ソノ作者の【倫理観の欠如】もまた同時に露呈してしまう。
“倫理観なんてどうでも良い”と考える者が
『勧善懲悪』モノを描いたら一体どうなるか?
結果は火を見るよりも明らかであろう。
 女性に忌避されている「おっさん」が、
女性にモテる話を書くのと構図は全く同じである。
『改心』すれば許される、『更生』すれば罪が無かった事になる、
この【被害者の存在】を全く無視した
【犯罪者至上主義】 本当になんとかならないモノであろうか?
【罪】を犯したモノは社会のド底辺に居るべきで、
人生の『主役』でも『悲劇の主人公』でもなんでもないのだ。
 コレは猟奇犯罪者を殊更に
『美化 (イケメン&インテリ化)』する事にも
繋がっているとすら想う。
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